パロディ『石泥集』(短歌・エッセイ・対談集)

百人一首や近現代の名歌を本歌どりしながら、パロディ短歌を披露するのが本来のブログ。最近はエッセイと対談が主になっている。

2019年 対談・岡目八目4 等身大の日本

2019-04-16 10:04:45 | 対談
                墨守政党を支える愚者の楽園


(冬)「日本の政党」――5度目の改訂版ですね。
(八)3月24日のブログで、戦後、アメリカが指示した体制――戦後体制を墨守する政党があって、それは既成のサヨク政党である…という話をしました。
(冬)そもそもは保守と革新の概念がすっかり変わったので、それをチャートにしたかった…という動機でしたね。
(八)まだ、ソビエト連邦が生きていた時代には、共産主義革命を目指す政党が「革新政党」、資本主義を奉じて革命に反対する政党が「保守政党」と、至極分かりやすかった。
(冬)1991年のソ連崩壊の後、話がややこしくなりました。CHINAも実質的に資本主義になった。
(八)言葉は「社会主義的市場主義」な~んて、繕っていますが(笑)。
(冬)「革命」がニセモノだとばれちゃった(笑)。「革命」を志していた日本のサヨク勢力は困ったと思うんです。だって、革命という大事な大事な、つっかい棒がはずされてしまったから。
(八)おとっとっとっと…と踏みとどまって思いだした(笑)のが、アメリカ解放軍(GHQ)です。民主主義をもたらした救い主の扱いです。
(八)ただし、対象になったのは初期のGHQ。
(冬)そうそう。当初、アメリカ占領軍は容共的でした。必ずしも共産主義を排斥していなかった。
(八)マッカーサーが矢継ぎ早に財閥解体、農地改革、労働組合育成に力を注いでいた時代。同時に極東軍事裁判(東京裁判)を開いて、「文明国が野蛮な日本を裁く」とキーナン検事が論告した時代です。
(冬)ついでに新憲法もたった二週間で作ってしまった(笑)。笑い事じゃないけれど、ね。
(八)「革命」の夢破れたサヨク政党は、マッカーサーの決めた戦後民主主義に帰依したといっていいんではないか? ただし、それはインチキ極まりない「東京裁判」とセットですね。
(冬)彼らは喜んで「東京裁判」を支持していますよ。
(八)事後法(法律を後から作って、施行以前の行為を罪に問う)で裁かれたA級戦犯はフィクションです。
(冬)A級戦犯を信じる日本人は、東京裁判で言うところの「封建的な野蛮人」と考えていいんでしょうね(笑)。

(サヨクの守護聖人、マッカーサー)
(八)笑い事じゃないんですよ。サヨクは逆に考えている。自分たちを除く日本人たちは、未だに「封建的な野蛮人」なのです。だからこそ、そんな日本人を指導しようとして、朝日新聞を初めとする「反日」「侮日」記事があふれるわけです。
(冬)それで「朝日」は「朝鮮日報」の略称だとか、「中日」新聞は「中華日日」新聞の略称だとか言われる(笑)。
(八)サヨクの認めるマッカーサーは朝鮮戦争以前、レッドパージが始まる以前のマッカーサーです。
(冬)ただし、マッカーサーは終戦直後の昭和20年9月に、酷い検閲制度をしいているんです。もちろん、GHQの批判はいけない。アメリカ、ソ連、イギリスへの批判はいけない。驚いたことに、朝鮮やCHINAの批判も厳禁です。
(八)新憲法をGHQが起草したことに対する批判も受け付けない。占領軍兵士と日本女性の関係についても触れてはいけない。これは当時多発した米軍兵士による強姦事件を報じるな、ということ。
(冬)自由なのは日本政府批判だけじゃないですか?(笑)
(八)マッカーサーは新聞を洗脳しています。新聞は立法・司法・行政と並ぶ第4の権力だ。政府批判をするのが新聞の役目だ、と言っています。
(冬)大幅な検閲制度を強いておきながら、何を言うか!ということです。
(八)バカな新聞人がのっちゃった(笑)。
(冬)政府に対して是々非々の態度がとれない。すべて悪なのですね。
(八)こうした陰の部分(東京裁判、GHQ製の憲法、検閲盲従)を認めないで、戦後体制を擁護するのが、サヨクの決まりになってしまいました。
(冬)ただ、現状を変えようとするのが「革新政党」で、現状を変えまいとするのが「保守政党」ということになると、過去の保守と革新はひっくり返るわけですよ。
(八)マッカーサーがしいた戦後体制を基準にすると、共産党や社民党、立憲民主党が超保守になり、自民党が保守、維新が革新になるわけ。
(冬)憲法の論議さえさせない、という硬直した態度をとる政党を、3月24日に「墨守政党」と名づけました。(笑)
(八)そうすると、本来の意味での保守政党がはっきりしてくる。自民党です。
(冬)自民党が半分革新に足を突っ込んでいるのは分かりますね。常に日本の社会を変えてきましたから。今も労働者の賃金を上げるように言っているのは、自民党政府ですよ。
(八)なるほど。自民党の中にも「現憲法でいい」という勢力がいますから、保守と革新の程度は半々とみるわけですな。
(冬)ショッキングなのは、あらためて各政党を分類しなおすと、墨守政党(共産党、社民党、立憲民主党)の他の野党も、保守と墨守をまたいでいるという現実ですね。前回のチャートと変えた部分はここです。
(八)革新政党といえるのは「維新の党」だけじゃないですか。「希望」はあまり存在感がないし、ね。
(冬)上のチャートを見ていて、変だと思いませんか?
(八)戦後体制に関しては保守ばかりで、革新政党が貧弱ですな。重心が左に寄りすぎていませんか?
(冬)そこで新たな疑問が生じたのです。何故、日本の政党はすべて左がかっているのか? 私に言わせると、墨守政党は20世紀の遺物です。内心では「遺物政党」と呼んでいる(笑)。それが何故、未だに力を持っているのか?
 
(八)回答は私に言わせてください。立法府の政党だけを見ていては、この謎は解けない。霞ヶ関の官僚群(行政)を見ていると、連中の中にも戦後体制べったりのやからがいる。戦後は74年も経っていますから、東大の秀才はきれいに染め上げられている(笑)。このチャートは、こうして楕円が背後に描き加えられたのです。
(冬)また、マスコミがそうでしょう? 朝日、毎日、日経、共同通信、中日、東京、そこへNHK…と枚挙に暇がない。系列のテレビも影響を受けている。読むに堪えるのは、読売と産経、時事通信くらい。笑えない現実です。
(八)ただ、アメリカの大統領にトランプが選ばれてから、「フェイクニュース」は流行語になりました。ニューヨークタイムズやワシントンポストが、マッカーサー体制を真実として、散々、日本や日本人を誹謗中傷してきたことは事実ですから、トランプが息巻いても「いまさら」という感じですが…。(笑)
(冬)高山正之氏は、これまでアメリカの悪辣振りや朝日新聞の欠陥記事を告発してきましたが、新刊の『トランプ、ウソつかない』(新潮社、2017年)でも、筆は健在ですね。

(八)日本人の70%が、未だに新聞を信じていることの方が信じられない。
(冬)教育界の節穴(ふしあな)ぶりも、年季が入っています。悪名高いのが日教組ですが、文部科学省だって日教組と手打ちをした仲間(グル)ですからね。日教組の委員長が新宿で女遊びに精を出していたのと、文科省の事務次官、前川某があやしげなピンクサロンに出入りしていた事実は一つの穴でつながっているらしい。ヤクザの筋を巻き込んでいるというから、かなりのスキャンダルらしい。
(八)墨守政党、あなたのいう遺物政党が生きながらえているのには、こうした事情がある。それを今回はチャートに書き込んだ、という次第ですね。
(冬)これを見ていると、日本そのものが硬直しかけていて、悪夢のようです。
(八)早く遺物政党は消えてもらって、健全な保守と革新だけで、日本を動かしてもらいたい。危機感を感じますよ。ここ1,2年で、国民の民度が問われますね。
(冬)自民党もそうだが、維新には経済運営の視点を持ってほしい。道州制だけを掲げても国政政党にはなりえません。国の経済を家計にたとえる阿呆は少なくなってきましたが、財務省などにはまだ潜んでいます。国は国民のために先行投資しなければならないし、それで経済を支える必要がある。
(八)家計簿よりも、株式法人の決算のつもりで国の貸借対照表は見る必要がある。

(冬)1000兆円を超える借金…と、財務省や阿呆新聞はわめきますが、それは「負債の部」だけを見た議論で「資産の部」には500兆円の(世界最大の)資産があり、日銀の決算を連結すると、100兆円(最大に見積もっても200兆円)の債務にとどまる…経済学者の浜田宏一氏や高橋洋一氏、評論家の上念司氏はこう言って、「財政再建はすでに済んでいる」といいます。リフレ派の泣き所は、予想したように物価が上がらないこと。しかし、巷では商品の中身を減らす実質的な値上げが続いているような印象も受けます。
(八)アベノミクスがまだまだ続くよう、自民党から右の政党には頑張ってほしいですな。

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