店主のだらだら草子

スローライフを目指すi-sumi.com店主の気ままな日記

原生林を歩く 14 その1

2007年05月01日 | 自然
5ヶ月ぶりにいつもの原生林を訪れました。何かと忙しくて鳥見もままならなかった最近でしたが、ここだけは別。何をやりくりしてでも来ます。(笑)

いつものように前日の夕方に登り口に来て、気心のしれた友と語り合いながら杯を傾けます。
この夜は、「プッ、キョウ、コー」と鳴く声が・・・コノハズクです。

「プッ、キョウ、コー」と鳴く声を、昔の人は「仏・法・僧(ブッ・ポウ・ソウ)」と聞きなしをしていたのですが、この鳥が鳴いているとは思わずに、他の鳥にブッポウソウという名前をつけましたが、声の主がわかってからは「声の仏法僧」と呼ばれています。

夏鳥として東南アジアから渡ってきて、5月くらいから7・8月くらいまで声を聴くことが出来ますが、姿はまず見られない日本で一番小さいフクロウです。この鳥は深い山に行かないと声も聴けません。

ですから、この声を聞くとすごくうれしいのです。
この鳥の学名は「Otus scops」、英名は「Oriental Scops Owl」と言います。私のハンドルネーム scops の名前の基となった鳥です。
この声を聴きながら、友と語り酒を飲む・・・最高の贅沢です。



朝は夜明け前に起きて鳥のさえずりコーラスを聴きます。(この日はちょっと寝坊して5時前でした。
出発はこの時期毎年、この木にとまっているオオルリのさえずりに見送られて始まります。下の曲がった枝の先にちょっと鳥らしきものが写っているでしょ?(笑)

双眼鏡では充分に見えるのですが、私のコンデジではこんなもの。虫眼鏡で見てください。(笑)雰囲気もお伝えしたくて載せてみました。

TOPの画像にもあるように、森は今芽吹きの季節。
例年この季節には雪も残っているのですが、今年は降雪量が少なかったのでかけらもない。しかも汗ばむような気温。

鳥の調査は、順調にいるべき鳥が出てきます。この日に見聞した鳥は35種。山の小鳥ばかりではそこそこいい数字です。


  
この日は新たな挑戦をしました。
この森に咲いているスミレの仲間の名前を知りたいと思って、スミレ専用の図鑑を買いました。
スミレって難しいですね~、スミレだけで1冊の本になるんですもの・・・


もうひとつはクマ棚を見つけること。
クマ棚とは、クマが樹上での採食をしたときに安定した枝の上に座り、実のなっている枝を引き寄せて折って食べます。その枝は尻の下へ押し込むので、折れた枝が棚のようになるのがクマ棚。画像で・・・クマ棚

上と下と耳とカメラと記録と・・・なかなか忙しいのです。
長くなりそうですので、詳しいことはまた後日・・・

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注:この森は2006年6月からこのコースからの入林が禁止されました。
私たちは10年ほど前からこの森で野鳥調査をしています。その調査の継続ということで入林を許可されていますが、そのついでに、その風景や自然の営みをご紹介しています。

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8 コメント

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コノハさんは ()
2007-05-01 15:47:46
もうお越しなのですか・・・声はまだ1回しか聞いたことが無いのですが、忘れられない響きです。

森の手前の集落ですれ違ったのですよ、私達は峠の方へ行ってました。 鳥さんの声を聞きながらお弁当食べて、主人はお昼寝、私は見晴らしのいい所で空を眺めてました。 じっとしてると小鳥さんたちがかなり近くまでやってきて、いい声で囀ってくれました。
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Unknown (keiko)
2007-05-01 16:53:19
scopsさんのハンドルネームがコノハズクからとは知りませんでした。コノハズクもブッポウソウも絶滅危機の鳥なのですね。クマ棚も、これでクマに追われても木に登ってもムダだと実感しました(笑)。貴重な原生林での調査レポートを見せていただきありがとうございます。
スミレといえば、先日の探鳥会のメンバーのある男性も「俺、スミレが一番好きや~。けど(品種が)ありすぎて分からんな」と誰かと話していました。こうして一冊の本があるのですね、すごいなあです。

>この声を聴きながら、友と語り酒を飲む・・・最高の贅沢です。

雰囲気だけ楽しませてもらいました^^。
枝の先端のオオルリ、見えましたということにしときましょう~。
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雀さま (scops)
2007-05-01 19:43:24
そうだったんですか、気が付きませんで失礼しました。

コノハさんは去年もこの時期に来ていましたが、コノハズクというと5月の中旬以降という感じですよね。思わぬいいプレゼントをいただきました。
この時期はジッと座っているだけでも楽しいですね。
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keikoさま (scops)
2007-05-01 19:49:30
はい、大好きなんですこの鳥。
姿は私も1回だけしか見てないんですが、ものすごく可愛かったです。こんな小さなフクロウが海を渡ってくるんだと思うといとおしいです。

スミレは図鑑を見ていたら何とかなるかなあと思っていたのですが、甘かった・・・難しさを再認識しました。

枝先のオオルリ、よく見てくださいよ。なんとかそれらしいものが見えるでしょ?(笑)
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こんばんは ()
2007-05-01 21:57:11
この枝ぶりなかなか良いですね。毎年この枝先に止まっているとのこと、オオルリも毎年scopsさん達の来るのを見ているのですね。
人の手で作られた植物園でも木々の緑が心地良いのですから、原生林の中の心地良さは想像して羨ましいです。

スミレの本買いましたか、今度はスミレ博士ですね(笑)原生林には何種類くらいのスミレが咲いているのでしょうか。このスミレはタチツボスミレに似ていますが
どうなんでしょうか。

くま棚の画像はscopsさん達が見かけたものなんですか。

クマサンも何となく住みづらい世の中になり可愛そうですね。
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風さま (scops)
2007-05-01 23:01:46
毎年この木に止まって、出発時にも必ずさえずっています。お気に入りの場所なんでしょうね。
スミレは早くも挫折しそうです。
ホント、難しいです。画像のスミレは私もタチツボスミレだと思います。普通の花もよく知らないのに、この挑戦はちょっと無謀ですよね。(笑)

この森にはクマもいるので、クマ棚を是非見てみたいのですが、今まで気にかけていなかったので探してみようと思っています。
画像はよそ様のページにリンクを貼らしてもらっています。
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静寂 (hitoha)
2007-05-02 22:01:13
森の中って、静かなんでしょうね。
鳥の声や風の音。夜はほんとに静かなんだろうな…
そんなところにもあこがれます。
前にも書いたことがありますが、「原生林」は楽しみにしている記事のひとつです
Topの樹の写真もいいですね。
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hitohaさま (scops)
2007-05-02 23:18:13
原生林の記事を楽しみにしていただいてありがとうございます。

夜はほんとに静かですよ。
この日は月が明るかったけど、新月なら真っ暗です。
2年前、満月でしたがここで不思議な体験をしました。
http://blog.goo.ne.jp/scops/e/d9239d05e378f7bd3543ff46b15c00f7
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