最近は音楽関係のブログやホームページで個人的な年間ベストアルバムを選んでいられる方がずいぶん増えましたね。まぁ、僕も以前は自分でその年のベストテンくらいは選んでいたこともありましたが、ここ数年購入枚数も減ったし何より新譜を追いかけるようなことが減ったので、買うCDも結構発売から数年経ってから購入することも多くなり、あえて年間ベストということもなくなってしまった感じがしていました。
ところが昨日こちらのページを覗いたら、やっぱり自分でもやってみたくなりました。というわけで今回はサユールイトシロ・音楽部門の2007年度ベストアルバムを選んで見ました。
一応基準は・・・
2007年度購入盤
新録/リイシューは分けない
発売が2007年以前でも購入が2007年度のものは含む
ということにして、では早速以下の通り。
①Little Joe y La Familia ; Caliente / Mas Caliente <Tejano/Orquesta>
個人的には今年はテックスメックス/テハーノ音楽の一言に尽きてしまいました。特にリトル・ジョーは多分1975年以前の録音で現在CDリイシューされているものはほぼ入手できてしまったと思う。今数えたら全部で13枚あった。何枚かはこのブログでも紹介しましたが、まだまだできていないものはたくさんあります。だけど実際のところはそのどれもが素晴らしいわけではなく、どちらかといえばコレクター的行動あるいはテハーノ音楽の情報不足ゆえのにわかテックスメックス研究家になっているからですけども。
それでもここまで熱中した音楽というのもここ数年なかったというのもまた事実であって、テハーノ音楽、特にリトル・ジョーは一番自分に馴染んでいた(ハッキリいって年中聴いていた)ということでの1位です。
②Mavis Staple ; We'll Never Turn Back <Soul>
③Ry Cooder ; My Name Is Buddy <Roots/Rock>
今年もたくさんのベテランが素晴らしい新作を出してくれた中で特にこのメイヴィス・ステイプルのものは感動すら覚えました。どうしてこの人はここまで熱い人なのだろう?しかもその熱さがこの人の場合そのままストレートでなくて暗く静かで深いところに入り込んでくる。たとえ激しくシャウトしていてもそう聞こえる。前作のアリゲーター盤もよかったが今作はさらに素晴らしい。最初はプロデューサーであるライ・クーダー色が強すぎるかな(選曲なども)とも思ったけど聴き始めたら、今のライ・クーダーだからこそ作れたのだと思った。
そのRy Cooderの久々の新作もこれまた素晴らしい。何よりフラーコ・ヒメネスのアコーディオンがかなりフューチャーされているのが嬉しい。スライド・ギターがほとんど聞かれないことを残念がっている意見も多かったようだけど、僕はあまり気にならなかった。残念だったといえば今回はBobby Kingがあんまり目立っていなかったことか。
この2枚は兄弟アルバムでありますね。
④Sudha Ragunathan ; Bharathiyar Padalhal <India/Classical Vocal>
⑤Alhaji Sikiru Ayinde Barrister ; Iyalaje Of Lagos <Nigeria/Fuji>
⑥Latin Breed ; Tejano Gold <Tejano/Orqusta>
スダ・ラグナタンもすでに2回当ブログのPickUp CDで取り上げました。今年は結局4枚のスダCDを買ってしまいました。古くは1992年録音新しくは2001年となるけど、驚くのは録音年が新しいものほど素晴らしいのだ。その中でも1998年のこれがお気に入りです。
スダ・ラグナタンのやる南インドのカルナータカ音楽も基本は声楽となりますが、こちらナイジェリアのフジという音楽も完全にボーカルが命。そのフジ音楽の開祖、シキル・アインデ・バリスターの1978年作。エル・スール・レコードには他にもフジのCDがたくさん入ったようだけどこのあたりは予算の都合上我慢した。それにしても凶暴というか路上で安アンプにマイク突っ込んで歌っているのを録音しているような・・・これまで聴いてきたシキル・アインデはさらに以前のAfrican Songs盤と1991年のGlobeStyle盤のみだったけどそのどちらとも違う。音処理もスピード感もすっごく飛んでしまっている。でもやはりフジはイイ。シキル・アインデもイイ。
長年その存在だけで実際の音が聞けないことはテハーノ系に限らずよくあることととはいえテハーノ音楽ではその傾向が特に強い。特に僕など(いわゆる外部の人間)が面白いと思うような音は得てしてその音楽が本来的な意味で機能しているコミュニティー内部(この場合はアメリカのメキシコ系アメリカ人、いわゆるチカーノ)ではあんまり評価されていない、あるいは今では忘れ去られてしまっているようなことが多い。そんな中でこのラテン・ブリードのCDはその発売形態に関して難は感じるもののまさに待望のリイシューでした。そしてその中身もソリッドなデックスメックス・オルケスタやファンキーなラテン・ファンクありのご機嫌な内容でした。
⑦Steve Jordan ; La Bamba <Tejano/Conjunto>
⑧Chicos De Barrio ; Puros Vatos...Choca y Rebota ! <Mexico/Cumbia>
⑨Alemayehu Eshete ; Ethiopiques 22 More Vintage ! <Ethiopia>
⑩James Brown ; Live At The Garden <R&B/Funk>
コミュニティー内での評価という点ではこのスティーブ・ジョーダンもその評価はテハーノの間ではかなり分かれるとのこと。確かに年のこの人の音楽は他のテハーノ音楽やコンフント・ミュージックの人たちと比べるとどこまでも異色。で、僕にはそこがイイ。これは1965年前後のARV Recordsの音源を集めた2004年にでたCD。ついこの間入手したし、このあたりの音の一部はかつてクラン・レコードがLPで日本盤を出していたのを持っているので聴いたことがあるのだけど、このCDにはChicano Soulの大定番ナンバー"Ain't No Big Thing"をやっているのが目玉。さすがスティーブ・ジョーダン。これまで聴いてきたどのアレンジよりもファンキーでいかしています。ちなみにこの曲ではアコーディオンを使っていません。
これも2004年発売の盤のようだけどエル・スールには今年入ってきているのでいいでしょう。久々のクンビアでしたが、相変わらずですね。どーしてクンビアっていうとこんなにバカバカしいんでしょ。でも好きですねぇ、この感じ。余談ですが、このCDはエルスール・レコード昨年の12月にいったときに原田店長に勧めていただいたのですが、その際原田さん曰く「お客さんの好みは大体把握しているんですが・・・」と。どうも見事に見透かされていたようですわ。これも12月になって買ったんだけど、どうやらこのまま今年もテキサス~メキシコ路線から抜け出せないかもしれませんですね。
しつこく続くエチオピークシリーズ。まだまだあったということでのアレマイユ・エシェテの単独盤はVol,9以来2枚目。ここはこちらもしつこく聴き続けなければいかんと思う。相変わらずのエキセントリックなエチオ・ファンク全開ですね。このエチオピークシリーズの大好きな点は詳細なライナー、というかすでに読みものだが、とこれまた詳細な歌詞の対訳が付いていること.。こうした丁寧で熱意を感じる仕事は本当に気持ちのいいものです。おかげで我々も今まで知らなかった世界の話が知ることができるというものです。
最後は昨年12月25日になくなったジェームス・ブラウンを追悼した紙ジャケ盤がたくさんでて、その中には初CD化のもの少なくなかった。その中からこの1967年の「ライブ・アット・ザ・ガーデン」を上げておきます。個人的には数あるJBのライブアルバムの中でもベスト2に入る名盤だと思っています。特にオープニングのMCの口上から"Out Of Sight"に入るところのスリリングさといったら!ちなみにベスト1は1968年のテキサス州ダラスでのライブを収めた"Say It Live And Loud"。
最後に特別賞と次点のアルバムを数枚。
<特別賞 O.V.Wright ; The Complete Recorded Works By the Boss Of Southern Soul for Backbeat And ABC Label> <Southern Soul>
<次点 Trio Matamoros ; Los Trovadores De Oriente オリエンテの吟遊詩人たち(左上) (Cuba)
Jose Antonio Mendez ; Canta Solo Para Enamorados フィーリンの誕生(右上) (Cuba)
The Who ; Who's Next (Deluxe Edition) (左下) (Rock/British)
Doug Sahm ; Groover Paradise (右下) (Texmex/Blues)
<特別賞>O.Vライトについては言わずもがな、黄金期のバックビート時代のアルバム+シングル音源を(ほぼ)コンプリート、さらに紙ジャケでのボックス化。13000円也。買わずに済ませれるか、ソウル・ファン?10年前に出たときは結婚したてで金がなかった。10年経ったいまも金はないが肝だけは据わってきたかもしれない。 (追記・・・後から調べたら前回出たのは1990年、18年前でした。てことは、その頃まだ学生だったので、やっぱり単にお金がなかったから買えなかったのでした。)
<次点>トリオ・マタモロス・・・2003年盤ながら今年購入。古いキューバ歌謡に浸りたくて買った。 ホセ・アントニオ・メンデス・・・まだ買って間もないのだけどこれは気持ちイイ。このアルバムはキューバ歌謡+クール感覚 In メキシコ(録音)、ということで今の自分の好みにピッタリというのも当然。 ザ・フー・・・PickUp CDにて紹介済み。これも2003年発売。ってことは僕の耳は大体において世間より3~4年は遅れているってことか!? ダグ・サーム・・・テキサスの偉人/巨人、ダグ・サームがCCRのリズム隊と組んだアルバム。テックスメックス的には有名曲"Peanut"をやっているのが目を引くが、CCRのリズム隊はポルカのリズムは不慣れのようで実にドンくさくもたれる。これもらしいといえばらしい。で、このアルバムは2005年発売。内容はピカイチなのですが、実は友人からもらったCD-R。やはり音楽はできる限りは身銭切って楽しむもんだ。だからこれに次点扱いというわけです。
以上、あくまで僕の聞いた範囲のもんでしかありませんがどうでしょう?今年も昨年並みにはCD購入できればいいなぁ。
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