今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

健常児の人生に障害児は邪魔?

2007-10-10 11:20:34 | 障害者の親

ある障害児のお母さんの言葉。

「あの子には家庭があるから障害をもつきょうだいの世話はさせたくないの。」

「だからその分、あの子(健常児)には財産は遺したくないの。障害をもつ子に遺したいの。」


私は正直いって、この言葉に戸惑っています。


どうして障害をもつきょうだいの世話をしてはいけないのでしょう??

障害者ってそんなにお荷物なの??

 

たとえ、そんなふうに思われても、行政は何かあると必然的に血縁者に連絡してくると思いますけど・・・・。

第三者を成年後見人をたてたところで、弁護士に財産管理を任せたところで、最後の最後には健常者であるきょうだい児が見るのが常でしょう。


身よりもなくて孤独なまま亡くなってゆかれる方も多い世の中なのに、せっかくきょうだい児がいるのに、どうして障害をもつきょうだいと関わってはいけないのでしょう??

私は、そのきょうだい児さんの人生がちょっと損するように思います。

そのお母さんが障害児ときょうだい児の両方のことを考えてそのように人生設計をされても、思惑通りには運びにくいと思います。

きょうだい児には十分にお金をかけて育てたから、残りの財産は長男である障害児に遺したいというお気持ちはわかります。

でも、きょうだい児が障害児の世話から離れる必要があるのでしょうか?

健常児同士のきょうだいであっても、迷惑をかけてばかりの人もいます。

健常児には障害児の世話をさせないというのも腑に落ちません。

確かに、きょうだい児にはそれなりの負担はあります。

でも、その負担から逃げる必要はないと思います。

自分に与えられた人生を全うすることで、生まれてきた意義を感じるのです。

たとえば、私にとって兄が障害児になったことも、何か意義があるのだと思います。

どうしても障害児のお母さんはきょうだい児のことで、健常児に迷惑をかけたくないと思って、さまざま思いをめぐらすでしょうが、そんな必要はないと思います。

多くのきょうだい児は幼いころから障害をもつきょうだいの世話をする覚悟ができていると思います。

それをいやだというのは人として問題を感じます。

自宅で世話ができない場合、両親が死亡したり世話ができなくなった場合、施設入所という方法もあるはずです。

ただ問題は、施設入所が困難になりつつあるようです。

それは障害者自立支援法で施設解体が進みつつあることも関係しているようですが。。。

とはいえ、お母さんが「障害児の世話をしなくてもいい」ときょうだい児に言い聞かせる必要はないと思います。

その分、障害児の将来を見据えた対策を打つなり、きょうだい児が障害児をフォローできるようにきょうだい児名義で財産を遺すなり何か方法があると思います。