今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

障害者の親亡き後の年金制度

2007-09-12 03:10:09 | 障害者の親

先日、兄には国民年金(障害年金)のほかに、任意でかけていた年金がおりることがわかりました。
実は市役所の障害福祉関係の職員さんが、管理者が他界しているのに年金をもらっていない世帯を調べて1軒1軒電話をかけてくれていて、私のところにも何度もお電話をいただいたそうです。
それで、その手続きに行って来ました。

その制度は「障害者扶養共済制度」というもので、任意でかける年金です。
障害者の保護者が重度障害になったり、死亡した場合に、障害者に対して掛金に応じて年金(1口で月額2万円、2口で月額4万円)が支払われるそうです。
ただし、保護者が死亡に伴い、早急に手続きをすれば年金はすべてもらえますが、手続きが遅れると、過去3年を経過した分は支払われなくなります。

うちの場合、両親から年金のことは聞いていたのですが、年金の掛金を満額支払ったあとは道府県からその連絡が全くされないため、そのような制度が存在することも知りませんでした。おかげで、月額2万円の年金が5~6ヶ月分はいただけないということもわかりました。
もっと道府県のほうからアプローチがあれば、このような事態はさけられたと思います。

この制度はこのようなものです。


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 障害者扶養共済制度

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A.制度の概要

障害のある方を扶養している保護者が、自らの生存中に毎月一定の掛金を納めることにより、保護者の万一(死亡・重度障害)のことがあったとき、障害のある方に終身一定額の年金を支給する制度です。

(1)この制度は、障害のある方を扶養している保護者の方々の連帯と相互扶助の精神をもとづき、障害のある方の生活の安定と福祉の増進に資するとともに、障害のある方の将来に対し、保護者がいだく不安の軽減を図る目的で生まれました。
(2)この制度は、任意加入の制度です。
(3)道府県・指定都市が条例にもとづいて実施している制度であり、確実な保障が受けられます。
(4)加入者が他の道府県・指定都市に転出されても、転出先(東京とは除きます。)での申し込み手続きにより加入が継続されます。
(5)障害のある方1人につき、2口まで加入できます。
(6)掛金は、所得税及び地方税とも全額所得控除され、年金・弔慰金には所得税がかかりません。



B.加入できる保護者の要件

障害のある方(次の「障害のある方の範囲」を参照ください。)を現に扶養している保護者(父母、配偶者、兄弟姉妹、祖父母、その他の親族など)であって、次のすべての要件を満たしている方です。

(1)その道府県・指定都市内に住所があること。
(2)年齢が65歳未満であること。
(3)特別の疾病又は障害がなく、生命保険契約の対象となる健康状態であること。
(4)障害のある方1人に対して、加入できる保護者は1人であること。


C.障害のある方の範囲

次のいずれかに該当する障害のある方で、将来独立自活することが困難であると認められる方です。(年齢は問いません。)

(1)知的障害
(2)身体障害
  <身体障害手帳を所持し、その障害が1級から3級までに該当する障害>
(3)精神又は身体に永続的な障害のある方で、(1)又は(2)と同程度の障害と認められるもの。たとえば、精神病、脳性麻痺、進行性筋萎縮症、自閉症、血友病などです。


D.加入の手続き

1)新規(初めて加入するとき)
 保護者がお住まいの地域にある福祉事務所、市区町村役場の窓口に、
 次の書類を添えてお申込ください。
  (1)加入等申込書
  (2)住民票の写し(保護者及び障害のある方それぞれ必要です。)
  (3)申込者(被保険者)告知書(保護者の健康状態を告知する書類です。)
  (4)心身障害者の障害の種類及び程度を証明する書類
    (身体障害者手帳・療育手帳及び年金証書等)
  (5)年金管理者指定届書(障害のある方が年金を管理するのが困難なとき。)

注※  加入承認日は毎月1日とし、加入申し込みから1~2ヶ月程度要します。

2)転出(既に加入している方が、他の道府県・指定都市へ転出するとき。)
  既に加入している方が、住所の移転により、継続して転出先の道府県・指定都市
  で加入する場合は、常軌の(1)、(2)及び(5)の書類を今まで加入していた道府
  県・指定都市名及び加入番号が必要です。

3)口数追加(既に1口加入している方が、新たに2口目の加入をするとき。)
  上記の(1)と(3)の書類が必要です。(加入口数の限度は、障害のある方1人
  につき2口です。)


E.留意事項

◆加入者年金管理者及び家族等の方へ◆

こんなときには速やかにご連絡を!

心身障害者扶養共済制度の加入後、下記のような事実が生じた場合は、速やかに加入者がお住まいの地域にある福祉事務所、市区町村役場の窓口にご連絡ください。特に掛金が免除となっている加入者は、毎月の掛金を納めなくてもよいため、心身障害者扶養共済制度加入していることをご家族等の方が失念していたり、又は加入している事実を知らなかったり等の理由により、年金の請求手続きがおこなわれていないケースが多く見受けられますので、十分ご留意ください。

(1)加入者が死亡又は重度障害となったとき。
(2)障害のある方が加入者より先に死亡したとき。
(3)加入者が本制度から脱退するとき。
(4)加入者が他の道府県・指定都市に転出し、同制度から脱退するとき。
  なお、引き続き転出先の同制度に加入を継続するときは、転出元の道府県・
  指定都市の制度からは脱退となりますが、実施主体が毛駆動府県・指定都市
  単位となっていますので、転出先の道府県・指定都市において同制度の加入
  手続きが必要です。(加入期間は通算されます。)
(5)加入者、障害のある方、年金管理者の住所や名前が変わったとき。
(6)その他上記以外の変更等で不明な点があるとき。

こちらのHPも参考にしてみてください。http://www2.wam.go.jp/wam/gyoumu/fuyou/index.html

東京都は廃止されたそうです。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/jiritsu/singikai/070119haishi-top.html



私の場合、両親が生存中に掛金をすべて支払い終わっていたため、道府県からの連絡が全くなくて、年金がもらえること知らなかったのです。
掛金を支払いの振込用紙はきちんときていたのに、いざ支払い終わると連絡されないのでは、わかるはずもありません。
うちの場合、父親が保護者になっていましたので、母が他界した時点では年金支給の対象ではありませんでした。
偶然にも父親がすべての掛金を支払い終わってから脳梗塞で倒れたため、私には全く連絡がなかったというわけです。

もしかしたらうちのような事態になっているご家庭もあるかもしれませんので、ご両親のいずれかが他界されたり、寝たきり状態にあるような方は、一度この制度に加入しているのか調べてみてください。