絆の法則

澤谷 鑛

親不孝 Ⅱ

2008-03-06 | Weblog
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 【お知らせ】
 5月に学研(学習研究社)より新刊 「絆の法則」(澤谷 鑛 著) 出版決定!!

 30代~40代のほぐす・癒やす・キレイになる暮らしの女性月刊誌「からだにい
いこと」5月号(3月16日発売・祥伝社)に 澤谷 鑛 の取材記事掲載!

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    「ラジ関アフタヌーン立原啓裕です」に 澤谷 鑛 生出演!
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親不孝 Ⅱ
                              澤谷 鑛

 小原聡司の次男の宏次は、北海道大学の水産化学科を卒業した。

 在学中に知り合った女性と恋愛し、卒業して一旦は、東京の外資系の会社に「水質研究担当員」として就職した。まもなく退社し、札幌に帰ってその女性と結婚した。

 その女性は、札幌のスーパーマーケットを経営する人の一人娘だった。
 聡司の次男の宏次は、大学での専攻を捨て、そのマーケットで商売に専念した。

 だが、その女性は、どういう理由からか、夜の夫婦生活には応じても、子供を産むことには強く拒否した。

 ついに破綻が訪れた。

 表面の理由は、スーパーマーケットの経営についての方針をめぐる意見の対立から、だった。所詮は、離婚に行き着くしかなかった。

 離婚した彼は、スーパーマーケットからも離れ、北大の先輩の紹介で高級ブティックの第一線店長として就職した。

 そこに以前、スーパーマーケットの顧客であった看護婦さんが来店し、その後もしばしば訪れ、再婚の話にまで発展した。

 その女性は、オホーツク海沿岸の紋別市の出身だった。
双方の親兄弟が札幌に集まり、形ばかりの結婚式を挙げた。

しばらくして、大学を卒業して最初に就職した東京の外資系の会社から、コンピュータ部門が独立し、在勤時の特技を変われて、宏次に転職入社の話がきた。

彼は意を決して、再び東京で暮らすようになった。

小原聡司が脳梗塞で倒れたのは夏だった。右半身不随、言語障害でロレツが回らず、これで一巻の終わりかと思った。幸い手当が早かったため、入院三ヶ月ほどで一応退院することが出来た。

聡司の脳梗塞治療退院の当日、次男の宏次は広島出張の帰路を松江に立ち寄った。父を見舞い、退院を手伝った。そのとき宏次は、

「現在の会社が人員整理を考えている矢先、北大の先輩から“コンピュータ関係会社を設立するので、是非手伝ってほしい”との話がしきりにある。家内もやはり北海道へ帰って暮らしたいようだし、二ヶ月後には転職の予定だ」

という。

退院直後の父は、じっと運を天に任せるよりほかなかった。(つづく)


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
親子を取り巻く業の正体とは? (koi koi)
2008-03-06 05:50:14
こんにちは、澤谷先生。
2日の日は、すばらしいお話をありがとうがざいました。
四月、あのお話の続きが伺えますことを楽しみにしております。

さて宏次さんは、離婚・再婚に加えて、やたら転職を繰り返す事態に遭遇されていますが、
これはお父さまとの絆の問題に関係があるのでしょうか?

お父さまご自身も大病をなさいましたが、右に出た麻痺ですと、左脳部に疾患があったのですね。

ちなみに左脳は、論理的、分析的思考や言語を司る部分。

愛情と転職、病気に隠された、この親子を取り巻く業の正体とそれが意味するものとはは?!

このお話の続きが楽しみです!
返信する
今後の展開に興味あり! (カアチャンマン)
2008-03-06 09:08:40
昨日の日記とコメントはとても勉強になりました。
途中、私には難しい箇所もいくつかありましたが
まだまだ勉強不足です。

今日の日記・・・なんだか家の旦那さんとリンクしてるような気がしてなりません。
今後の日記も楽しみにしています。
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面白いものです (桑名)
2008-03-06 13:35:24
koi koiさま

いつもありがとうございます。
また先日はお話ありがとうございました。
非常に楽しい一日でした。

このお話は私自身聞いていないので、自分も続きが楽しみです。

離婚、転職が続くのは何かしらの絆の影響でしょうね。
病気の話があるので、ご指摘のとおり、おそらくはお父さんと思います。

これと似た事例のカウンセリングがつい最近ありました。

ライフワークについての相談だったのですが、「パートナーシップ」と「お仕事」というのが密接に絡み合った事例でした。
これの大元は、ご両親そしてご兄弟との絆でした。

面白いものです。

この話の続きはどうなるのか…。
私も楽しみです。
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自分の進路を大切にする (妻木紘子)
2008-03-06 17:09:57
最初の結婚の時点で、問題があったように思います。

子供の事を話さなかったのか、一人娘であればそれなりの覚悟はしたのではないか、この時点で父親と十分話し合い理解してもらったのか。
父親に対する感謝と尊敬があれば、もう少し自分の進路を大切にするなりしたような気がします。

自分を大切にするということは、親も大切にするということに繋がるのでは。

スタートが軽はずみな選択で、それからボタンが掛け違っていくように思います。

続きが楽しみです。
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深い内容のお話 (紅林 千賀子)
2008-03-06 18:20:38
とても、深い内容のお話のようですね・・・。

桑名さんの、

【「パートナーシップ」と「お仕事」というのが密接に絡み合った事例でした。
これの大元は、ご両親そしてご兄弟との絆でした。】

にも、(語弊があるかもしれませんが)とても興味があります。

【退院直後の父は、じっと運を天に任せるよりほかなかった。】

私の父も、脳梗塞で手術を受けておりました。
きっと、お父様は、思うようにいかなくなってしまわれたお体へのジレンマと、既にどこかでお感じになられている、業の流転に、
「誰からでも構わない・・・。どうか、息子が幸せになってくれるよう、そんなメッセージを・・・。」
と、お祈りされたのでしょう・・・。
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もつれた絆の結び直し? (HADO)
2008-03-06 18:22:52
澤谷先生

ありがとうございます。

意味深いお話のようで、理解するには
難しそうです。

ただ、お父さんの病気、本人の離婚など、
尋常でない出来事が次々に起こっています。

何らかのメッセージがさまざまな形で
出来事として現れているのでしょう。

それは、もつれた絆の結び直しなのかも
しれません。

お父さんが病気を患ってまでも、息子
や家族に伝えたいメッセージが存在している
のでしょう。この一連の出来事を乗り越える
ことで、また違ったステージが見えてくるのかもしれません。

次のステージへ上がる機会を幾度と無く、
試練という形で与えてくれている。

そのように、感じました。
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どんどん深めていってください (桑名)
2008-03-06 19:43:58
カアチャンマン

>今後の展開に興味あり!
>昨日の日記とコメントはとても勉強になりました。

コメントのやり取りは学びが多いですね。

>途中、私には難しい箇所もいくつかありましたがまだまだ勉強不足です。

>今日の日記・・・なんだか家の旦那さんとリンクしてるような気がしてなりません。
>今後の日記も楽しみにしています。

ご自分に置き換えてみられるとさらに学びが多くなります。
どんどん深めていってください。
面白いですよ。
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自分が引き寄せている (ヒロコ)
2008-03-06 19:45:29
自分の気持ちを伝えるのは、なかなか難しいですね。特に、良い話でないときは、なおさらです。でも、何でも自分がしょいこむ必要はないですよね。今回の内容に関係なくてすみません。でも、どうしても書きたくて、送ってしまいました。すべては、自分が引き寄せているんですよね。
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すべてが必要 (桑名)
2008-03-06 19:46:53
妻木紘子さま

掛け違いはそうなのですが、それは一概に「間違い」とは言えないのですよ。

不思議なことに、今の状態にたどり着くまで、すべてが必要なんですよ。

そのあたりのことが納得いくようになれば、いろんなものの見方が変わってきます。
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深いレベルで業の流転 (桑名)
2008-03-06 19:47:59
紅林 千賀子さま

>私の父も、脳梗塞で手術を受けておりました。
>きっと、お父様は、思うようにいかなくなってしまわれたお体へのジレンマと、既にどこかでお感じになられている、業の流転に、
>「誰からでも構わない・・・。どうか、息子が幸せになってくれるよう、そんなメッセージを・・・。」
>と、お祈りされたのでしょう・・・。

そうかもしれませんね。
深いレベルで業の流転は感じてらっしゃったのでしょう。
続きが気になりますね。
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