雑魚でいい

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひろしげ

以前の日記にも書きました。
わたくしは9年ほど前に独立した。

その当時は
「俺たちのやり方で行くんだ」
「まわりの意見なんて関係ねーよ」
・・・そんなノリで過ごしていた。

同じエリアに一つのお店があった。
ある日
うちのスタッフの一人が
「○○というお店にオーナー（わたくし）と同じ空気をもっている人がいます」
と聞いた。

私は誰か知らなかったが
反骨精神で
どれほどの人物か見てやるよ
なんて、えらそう極まりない態度でその店に行った。

すると
あってすぐ意気投合。
怖いくらい話があう。
それからはお互い意見交換。

そして未来を語り・・・
俺たちは東京進出だの・・・
こんなかっこいいお店を出すだの・・・
すごい店つくるだの・・・

いろいろ話した。
よきライバルでもあった。

その数年後
彼は怒涛の出店ラッシュを始めた。
半年で3店舗
たたき上げの個人が簡単に出来る業ではない。

その後
わずか1年で
そのお店は全て閉店。
莫大な借金がのこった。

直後に会ったとき
顔は青白く
どう観てもうつ病的な精神に障害がある病気にかかった人物にしか見えなかった。

彼の周りから誰もが離れていった。

わたくしは彼が出店ラッシュの時、
すこし出遅れあせっていた。
俺も負けられないなど思い必死になった。

数年遅れて
大箱のお店を出した。

「俺はすごいだろ！！」

そんな気持ちだった。

しかし
彼同様
うまくはいかなかった。

・・・

今日久しぶりに顔を合わせて飲みながら語った。
「今一番楽だね」
「あの苦しみも今ではネタだね」
「いい経験したね～」
虚勢を張ることなく
「別にいいんじゃない」
「全てがジョークだね」
ニュートラルになれている。

いまでは彼は元気いっぱい。
すごいパワフル。

お互い一時期は周りからチヤホヤされ
勘違いして
特別な顔して
成功者的なダサい発言して・・・。

すべてギャグ

今日は
笑い話に花が咲いた。

いま感じることは
やっぱり人生
「楽しい＝よろこばれてるだけでいいじゃん」
そんなシンプルな答え。

馬鹿になろうぜ。
あほでいようぜ。
そんな会話。
経験したからこそ分かる醍醐味。
きれいごとではないリアルな体験。

やはりすべての体験は
いかに苦しくとも後に
必ず
いい方向に進むようになるようになっているのだろう。

かっこつけるな。
雑魚でいようぜ。

　
　
　

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