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目眩く思想世界擬きと言霊フロンティア
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エレベータ

2006年09月14日 22時56分20秒 | Diary
週の稼ぎは16000円だった。これでやっと、弟に借りた10000円を返せるようになった。なんて情けないんだろうねぇ。

R大学の事務所移転のバイト。朝7時からひたすらチャリをこいで行った自分に与えられた任務はエレベータボーイ。え?半日エレベータから出るな?それは果たしてしんどいの?しんどくないの?とか思ったが、どうやら拒否する余地はなさそうだった。

実際エレベータに軟禁されたのは午前中の4時間くらいだった。搬入口のある1階と他の階をひたすら行き来して荷物の出し入れを手伝ったり伝言をしたりする。自分ではほとんど動かないからそれほど疲れない。箱に入ったまま1階、2階、3階、4階、地下1階を数十回往復するという体験はなかなか想像を絶する。「気分悪くないか?」とみんなに心配されたが、幸いにも乗り物酔いとも閉所恐怖症とも縁がない体質なので屁のかっぱだった。酔う人が続出するらしい。それもそのはずだ。仕事に慣れるまでは確かに変な気分ではあった。慣れてくるにつれて精神も体力も消耗しなくなるから、おいしいといえばおいしい仕事だ。

箱からほとんど出ないのに、箱のZ座標だけがいいにいわれぬあの加減速によって振り回される。それ以外は普通の搬入と変わらない。かなりの部屋が入れ替わるらしく、出てくるダンボールの数も半端ではない。このような作業の流れは、エレベータを担当する人間が正常に機能するという条件さえ適えば極めて効率がいいのかもしれない。

もちろん休憩はちゃんとありました。昼飯は生協で食ったけど、大学の生協食堂は京大生協とほとんど変わらない感じだった。結構賑やかだったけどまだ夏休みなのかな?

10時間の割には楽なバイトだったのでまた来てもよいと思っていた。最後の最後までは。が、どうにも人使いの荒い会社だった。正確には荒いのは一人だけだったのだが。

別に怒るような状況じゃなくても
「それ一つくらい持っていけRRるやろお前ぇぇぇぇぇ」(Rは巻き舌)
かなりご不満のたまった目でチラチラとこっちを見て、そいつは仕事の終わり際にはわざわざ派遣バイト数人の前で同僚にこう云った。
「イライラする」
「○○○(派遣会社名)使えんわ」

そうですか。あんたのような人が一人いるだけでこっちもイライラします。うすうすわかってきたがこの業界では派遣というのは本質的に下請けの下請けという位置にあるようだ。下請け会社の癖に派遣会社から人借りてるあんたらもあんたらだろう。日本からふんだくった援助金を外国支援に回す某国みたいだ。ここで喧嘩して契約が消えでもしたら他のバイトさんたちに迷惑がかかるから我慢したけど。

ってか今僕に云ったよね。
今使えないって云ったよね。
使えないってことは要らないってことだよね。

仕事は楽じゃないが、給料もそうよくないが、僕は派遣人員であることに初めて感謝した。普通にバイトを続けている人には悪いけど、僕には選択の余地と権利がある。

そうかい。僕は使えないかい。僕は要らないかい。じゃあもう行かないや。僕にもあんたは要らない。自分を必要としない世界なら、自分には必要ない。どうせ繋ぎバイトだし。

自分を作り直そうと思って始めた仕事なのに、仕事のしがらみとかいう奴にはまだ耐えられそうにないや。多分あいつを苛立たせたのは僕のせいで、多分そのおかげで色んな人に災いが降りかかるのに。また逃げちゃうね。もうどうでもいいや、悪いけど。ごめんね。

どの世界にも自分が必要でないと感じたら?そのときは、いっそ傷心旅行にでも出よう。逃げて逃げて、それでも世界が自分を必要としないとわかったら?それなら生きている意味なんてない。自分が生きているのなら、自分に生きている価値があるのなら、きっと自分は何かにとって必要な人間だ。誰にも知られずくたばってしまうような人間なら、ハナから世界にとって必要じゃない。



地球で死んじゃうような人なら要らないよ。木星でも死なない人が欲しいんだから (ウェルナー・ロックスミス)







ん、最後のはちゃうか