恋はもうもく

はいあがってくるしずけさをうたでみたすー

1218.CLARITY, 11月

2014年12月18日 23時32分09秒 | 色恋沙汰α
“CLARITY”
 思想,文体などの明快,明晰さ。
 液体,音色の清澄。
 ダイアモンドの透明度。

“for seasons. ”
 終電を間近に控えた甲州街道沿いを歩いている。十一月のある日。あの日もそう、雨だった。終電が走り去った頃、ひっそりと、だけどいつもにまして爆音で、例えばかきむしるようにギターを弾き鳴らし、あるいはそっとなぜるようにライドを震わせ、私たちは響かせた。私たちが歌うのはいつも冷え切った冬の日差しだとか、夏の終わりの遠雷だとか、新しい部屋を吹き抜ける春の風だとか、立ち上る霧の中に誰かが忘れた夏が揺れていることだとか、それから頬をなぜる夜風のこと。だいたいは季節の話。東京スーパースターズは、アルバムのレコーディングを始めました。
 頬の冷たさで私たちが感じ分けるものは何だろう。遠くに行った友だちのことを時々は思い出したりしている。心中をうだうだと巡るものがあり、明晰とは程遠く、安寧はいまだはるかかなた。

“being”
 かつて聖書の誦まれた古代ヘブライ語は動詞に過去形をもたない。そこでは今日と昨日とを分け隔てられず、時代は生きた音を立てながら脈々とここに横たわっている。すべての事柄が完了として系をとじることを許されないということは、安易な俯瞰を許さないし、私(たち)には感覚を押し潰すほどの強迫めいた重苦しさで迫る。例えば天地は今まさに作られている真っ只中で、私たちはまさに今出会っているところ。遠くに行った彼らとだってそう。そことこことは地続きで、私たちは今も交わり関係している。何か遂げられたはずもなく、私たちはいつも道半ばで、照らす希望を探している。「終わらない歌」を歌っているのだ。

“water strider”
 どこからともなく現れてはまた知らぬ間にいなくなり、人づてにそれを聞きました。聴こえるかい。俺(ら)はまだ、うたっていますよ。冷え切った冬の日差し。風は凪いで、吸って溜めて吐いて、気が遠くなるわ。

clarity
2014.12.21
 東京スーパースターズpresents “CLARITY”
  @下北沢THREE, 東京
  東京スーパースターズ
  山内幸次郎(Climb The Mind)
  falls
 open 12:00 /start 12:30
 adv \1,500 / door \2,000(+1D)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿