恋はもうもく

はいあがってくるしずけさをうたでみたすー

1027.14億円

2016年10月27日 23時45分53秒 | 色恋沙汰α
大川小学校の津波訴訟 石巻市などに14億円余の賠償命令

つらすぎる。遺族の方の悲しみとか憤りとかは察するにあまりあるけど、誰も経験したことのないようなことが起きたとして、その後に何が起こるかを予見できたとかできなかったとかいう議論は成り立つか、いや、成り立たないんじゃないかな。
限られた情報の中で状況を俯瞰できないまま、避難所に指定されている場所からの追避難の決断はかなりハードルが高いでしょう。
裏山に逃げればいいって児童や保護者の声を無視。と言って、色んな人が色んな事を言ってて誰がまともな平静な精神状態かも分からない状況でどの意見が正しいか判断しなさいってかなり酷だと思うのです。

あと今一つ納得できないのが、被告は県と市になっているけど、判決は教員の個人の過失の話をしていることです。公務員は公僕だから個人じゃないって理解できなくはないけど、だけど10人亡くなっているわけですよね。死者を被告とする裁判は成り立たないって中学校の社会の授業で聞いたように思う。ハザードマップとか避難マニュアルの不備とかが判決の根拠ならまだ分かるんですけど。だけど、この判決だと、当事者が生きてたら過失があるとされた教員当事者が個人で対応(賠償金の支払い)しなくちゃいけなかった可能性も大いにあるってことですか?一般的な過失での事故だとそうなりますよね。つらくないですか?
東京電力も予見できなかった規模の地震津波が来て、極度の緊張の中での判断に14億円の過失がある。それで断罪されたら、つらくないですか?

それからもう一つ。生き残った先生が一人いらっしゃって、その人を証人尋問にって、出られるわけないでしょう。つらすぎませんか。84人分悲しみ背負って。だけど自分に過失がある、自分が殺したんだって言われて、悲しむことも許されなかったら、つらすぎないですか。先生、立ち直れますか。

遺族の方が裁判なんて起こしたくなかったけど起こさざるを得なかったっておっしゃるのも分かるように思うけど、その場にいた教員のせいで死んだんだって「断罪」されたら、同じく控訴せざるを得ないようにも思う。
新聞報道を見ているだけですが、遺族の願いも少しずれたところにあるように思う。判決のこの言葉が本当に望まれたものなのかなって。金が欲しいわけではないでしょうし。どこに立ってもつらすぎるなあ。残された先生と児童と遺族の方に平穏な幸せな生活が戻ることを心から願います。とても難しいことだろうとも思うけど願います。

例えば、岩手や宮城では地震と津波が日常的に会話に上るくらい身近に語られていたなら話は別ですけど、だけど誰も経験したことがない、経験したことがある人の話を聞いたこともないようなことが起こっていて、今まさに、それで手元に入ってくる限られた情報で今とるべき最善の行動を判断するってめちゃくちゃ難しい。結果を見たらなんでも言えるし、やりようも見えるでしょうが。

14億円支払われるなら、遺族の方がおっしゃるように二度と同じ悲劇を起こさないためにそのお金で災害対応がなされればいいなあ。例えばですけど、それくらい、県と市から支払われた14億円が、もう一度遺族から県と市に寄付するくらい、同じ方向向いて強い信頼が持てればいいなあ。寝言みたいな話ですけど、でなきゃやっぱりどっちにしてもつらすぎる。