さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

いのちのまつり「ヌチヌグスージ」

2006-01-10 | 子どもと読んだ本
 「ぼくってわたしってどこからきたの?」
 なんていう疑問はなにも哲学者だけの特権ではない。何にも難しいことを考えてなさそうな小学校3年くらいの男の子だって実は、思い悩んでいる!

 そんな疑問に明るくこたえてくれている本がこれだ。
 
 主人公のこうちゃんにいのちをくれたおかあさんやおとうさんの上にもまたおかあさんやおとうさんがいて、それぞれにいるから倍数になっていく。
 どんどんと倍数になっていくので途中で計算するのがいやになる。

 絵本はまんなかが折りたたみになっていて、こうちゃんにいのちをくれたご先祖さまの顔がぎっしり描かれている。

 うわ~すごい!

 たいていここで子どもたちは、自分につながるいのちの多さを視覚的にとらえることにびっくりする。

 こうちゃんにいのちのつながりを話してくれたオバアが
 「オバアにわかるのは、数えきれないご先祖さまが誰ひとり欠けても、ぼうやは、生まれてこなかった、と言うことさぁ~。だから、ぼうやのいのちは、ご先祖さまのいのちでもあるわけさぁ~ね」
 と言う。
 
 いろいろな宗教観などもあるかと思いますし、そんな教育すらできる題材ではあ ります。でも、自分がここに「いる」ことのすごさを、ユニークな絵と、沖縄の ほんのりする方言でさらりと表現しているところがかえって心に届きます。

 「ヌチヌグスージ」とは、沖縄の方言で‘いのちのお祝い‘‘いのちのお祭り‘
 という意味です。

       

   草場一尋:作 / 平安座資尚:絵  サンマーク出版     
 

 

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