さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

ねっこぼっこ

2006-12-19 | 読んでみて!
ドイツの古典的絵本! 

key word・・・土のにおい 妖精 あたたかいねっこのおうち

たまたまみつけた絵本
ベスコフを思わせるような雰囲気

しかも訳者がちがうもの二点同時に読んだ
こんな比較は楽しくて楽しくてしかたがない

簡単に紹介しちゃう

★「ねっこぼっこ」 福武書店 1982年発行 生野幸吉/訳

印刷の色は明るめ 表紙と中扉にドイツ語と絵がない
お話し的な文章・・・たとえば

  ねっこぼっこは春のよういだ、
  春のきものをじぶんでぬうんだ。
  はりや、はさみや、ゆびぬきをつかって、
  おさいほうはどんどんはかどるよ

というぐあい

印刷は少しきれているところがある
それは、絵本としての作品に影響を及ぼすものではないが
比較するとよくわかる。あ、切れてる・・

こちらのほうが、小さなこどもに話してきかせるのには
わかりやすいかな



★「ねっこぼっこ」 平凡社 2005年発行 秦理絵子/訳

印刷の色は比較すると少しトーンがさがる、けど深い
表紙と中1ページめにドイツ語の原題つき
うち扉にはねっこぼっこたちのかげ
文体はリズミカル・・・たとえば上記と同じ箇所

   すばやくしたくをととのえて
   じぶんでぬうよ 春のふく
   はりとはさみとゆびぬきつかい
   どんどんしごとをすすめてく

と、なる

秦さんの先生が生野さんであるようだ
印刷に関しては出版社側の問題かもしれない

高校生の子どもと順番で読んでみたが
‘原文はどうなってるんだろうねー‘
というのがとても気になった(わからないけど)
でも訳者によって全然違う、
ということだけはよーくわかった



二点の比較を中心に書いたが
この話しのシンプルなよさも推したい
季節がめぐる自然の美しさと
やっぱりもどってくる母のもと
母なる大地のあたたかさが
じんわりとこころに残ります


原作/ジビュレ・フォン・オルファース 1906年の作品

ちゃっかりクラケールのたんじょうび

2006-12-07 | 子どもと読んだ本
遊びごころよ、これは。深い意味ないから

key word・・・ちゃっかりもののこども お菓子 トンマなおじさん


スウェーデン作家のナンセンスなおはなし
風が吹けば桶屋がもうかる、みたいな

教育的でない、と言って評価しない人もいるようだけど
そんなのは違う意味のナンセンス

マザーグースの歌だっておかしな歌詞があるけど
そんなかんじでサラッと読めば
けっこうイケル
絵もおしゃれだし

子どもらにはうけました!

そう
クラケールという男の子とブリッタという女の子は
同じたんじょうびなんですね
おいわいに5オーレもらって
お菓子を買いにいくんです

それからは
読んでのおたのしみ

げじ眉のお菓子屋のおじさんが
すっかりクラケールの企みにのまれていくのは
子どもにはワクワクするんじゃないかな


構えないで読んでみたら?

レンナード・ヘルシング/文 スティグ・リンドベリ/絵
石井登志子/訳  プチグラパブリッシング




いつもだれかが・・・

2006-12-03 | 読んでみて!
いつもひとりでがんばってる、と思い込んでいるときに・・・

key word・・・ありがたい みえぬけれどもあるんだね! て・ん・し!



だーれもわかってくれない
この苦しみは自分ひとりだけで耐えなきゃいけないんだな
どうせ どうせ どうせ・・・・
なんて思うことはきっと誰でもある

でも
見えない何かが
じっと見守ってくれたり
時にはかばってくれたりすることもある
かもしれない
いえ
そうだと思う

みえない存在のことは
宗教によっても国によっても違う

この本では
天使

いつもいっしょにいてくれる
助けてくれることもある
でも
天使はこちらの都合によって動く奴隷ではないので
何も解決できない状況では
天使もいっしょに悲しんでいる

でも
こんなふうにいっしょに悲しんでくれる天使がいると思うと
なんだかあったかくなる

で、この本の天使はおばさんで
ちょっとおとぼけでユーモラス



ちなみにこの話しの背景は
第二次世界大戦のドイツでのこと
ユダヤ人を連行するところがさりげにある


わたしは死んだら
こんなおばさん天使になりたい!(え??)
と思う・・・・・・



 ユッタ・バウアー/作・絵  上田真爾子/訳
 徳間書店