さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

こしょうできまり

2007-02-23 | 子どもと読んだ本
 好奇心はたのしい! 世界一って言ったもん勝ちよ

key word・・・なかよし三人(さんびき) まいごと冒険


イングランドのCITY郊外に、
白くてまるいポットみたいな家に住んでいる
ねことりすとあひる
ねこがきりわけ、りすがかきまぜ、あひるがあじをつける
そんなふうに役割がきまっている、なんとなくね

で、ある日決め手のしおがなくなって
三人はシティにくりだす
末っ子みたいなやんちゃなあひるがまいごにならないように
ねことりすは注意をしていたのだが・・・
ふと目に入ったこしょうやさんの看板!
あひるくんにふくらむ妄想
絶対おいしいに決まっている!(このページの絵サイコウー)

ところがその間にまいごになってしまう
さっきの楽しい妄想はどこへやら
知らない街のしらない道の知らないひとたち
心細くてこわくて大声で泣きさけぶ

でも親切なめんどりおばさんやら街のひとたち
おまわりさんや消防士さんまでもが心配し協力してくれる

ついに三人は再会したのだけど
最終バスがなくなってしまって
おまわりさんにひこうきで送ってもらう(絵をみるかぎりヘリコプターだが)

で、世界一おいしいかぼちゃスープをつくるのだけど
こしょうのあじつけはいかに?


こんなあらすじデス


○○をいれたらどうなるかな、なんていう小さな冒険は
料理の楽しさのひとつかと思う
その結果どんな味になるかは・・・・やってみるしかない
そう、あひるくんみたいに好奇心いっぱい妄想ごころいっぱいでOK

絵もとにかくおしゃれ
胡椒轢きのかたちのビルディングや街並みがカラフルで魅力的
胡椒専門店があるのがぜいたくで心引かれる
インドネシアのムントク産白こしょう、インドのマハバル産こしょう、
ピンクこしょう、グリーンこしょう、ロイヤルこしょう、あらびきこしょう
黒こしょう、タカノツメ、赤とうがらし、ししとう、ハワイの虹こしょう
カイエンペッパー、ハラペーニュ、ピメント・・などなど
こんなにあるんだなぁ

それから脇役のむし2ひき、てんとうむしとおさむし?がさりげに
あちこちに登場している
このむしを探すのも読むときの楽しさのひとつだ
また、ストーリーの文字以外にたくさんのことばや音が感じられて
読むたびにいろんな発見が増してくる絵本だ
前作の「かぼちゃのスープ」が15カ国で訳され、ベストセラーなのも
わかる気がする


ここでウンチクをひとつ

「こしょうはスパイスの王様」
と言われていて、世界中に100種類以上あるという
料理には粒のまま、粗挽き、粉状にして使う
日本でのこしょうの歴史は正倉院に残されている事実が一番古く
一般家庭に普及したのは戦後だという
今家庭にこしょうがあるのはあたり前ですが、実は結構新しい

でもイギリスをはじめヨーロッパでは大航海時代にこしょう戦争が
あったといわれ、高価で貴重なものだった
金銀とおなじくらい価値があったらしい
食料の保存効果や味付けにおいて革命的だったんだろうな、と思う




 ヘレン・クーパー/作 (2004年) 川田あゆこ/訳
 アスラン書房  2005年11月発行



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