さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

あな

2007-03-31 | 子どもと読んだ本
シンプルなんだけど深ーい
あなにはまってしまうよ!

key word・・・あなほり しずけさ おこもり 哲学!?

和田誠さんのポヤンととぼけたような絵と
たんたんとした谷川俊太郎さんのことばが
ナイスな組み合わせ


  にちようびのあさ、なにもすることがなかったので、
  ひろしはあなをほりはじめた。

こんなすてきな出だしだ

そしてもくもくとあなをほりつづける
家族やともだちが話しかけるけど
そんなことはぜんぜんおかまいなしに
ただ
あなをほる

子どもの頃にこんな経験をしたことを
うっすらと思い浮かべる
意味なんて考えなかった
ただほりつづける
ただかきつづける
ただあつめまわる(石とか木の実や種)

  あなのなかはしずかだった。
  つちはいいにおいがした。
  
  「これはぼくのあなだ」ひろしはおもった。

そのあとひろしはあなのなかにすわりつづける
あなのなかからみるそらは
たかく、別世界である

思わずこのひろしの立場にぐっと近づいてしまう
いえ、自分があなのなかに入ってしまう

そして
そのあとはもとどおり
すっかりさっぱり何事もなかったかのように
あなをふさいでしまうのだ

なんと哲学的な絵本なんだろう!
これはおとなのための本なのでは?
と、思ってしまう


★画像がなく、紹介できませんでした


谷川俊太郎/作  和田誠/画  福音館 1983年こどものとも

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