姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

神戸新聞に載りました

2024年04月08日 | VEGA
三左衛門は英語でしか案内が出来ませんのでこのブログは「姫路城英語ガイドのひとりごと」ですが、VEGAは中国語や韓国語等にも対応していますので、姫路城外国語ガイド協会が正式名称です。
その私達の姫路城外国語ガイド協会(略称 VEGA)の記事が2024年3月30日神戸新聞に掲載されました。以下はその記事です。神戸新聞NEXTから転載しました。



外国人入城者に将軍坂の魅力を語る瀬尾貴政さん=姫路城

 外国語を使って姫路城を案内する「姫路城外国語ガイド協会」が、今年7月に設立40周年を迎える。日本に関する外国人の理解を深めて国際親善に役立つ-との理念の下、これまでに案内した外国人の数は14万人を超す。「民間外交」を担う外国語ガイドの現場を追った。(長尾亮太)

 「フリー イングリッシュ ガイド(無料で英語の案内をします)」

 入城口近くでそう書かれた英語のカードを持ち、姫路城外国語ガイド協会のメンバーらが外国人に利用を呼びかける。案内は無料のボランティアで行い、予約は受け付けていない。

 協会の発足は1984年7月までさかのぼる。当時の姫路城管理事務所長が「外国人観光客には丁寧な説明を受け、満足して帰ってもらいたい」と企画した。

 ガイドの質を高めようと、入会試験を行っている。例えば英語の場合、英検準1級レベルの能力を問う筆記試験に通れば、先輩メンバーらに同行して案内を学び、実地試験も受ける。2023年度は受験者14人に対し、合格者が1人にとどまる狭き門となった。

 案内する内容に台本などはなく、姫路城に関してメンバーがそれぞれに面白いと感じることを伝える。

 23年度は姫路城で外国人入城者数が過去最多を更新する中、協会メンバーが案内した外国人数も初めて7千人の大台を突破した。




 所属するガイドは52人。複数の言語で案内できる人もいる。言語別の内訳は英語が50人と最も多く、中国語が4人、韓国語が3人と続く。フランス語とスペイン語、ドイツ語、ベトナム語、インドネシア語も1人ずついる。

 英語のガイドが多いため、案内した客も英語圏の人が多い。22年度、客数の国別の内訳は米国が最大となる23%で、オーストラリアの10%、シンガポールの6%、カナダの5%が続く。

 一方で入城者が多い台湾人や中国人に対し、中国語の案内は十分に対応できておらず、ガイドの養成が課題となっている。

 また広域から通うガイドが多いのも特徴だ。姫路市在住は40%(21人)にとどまり、加古川市や高砂市、佐用町など県内の他市町に住む人が54%(28人)に上る。岡山市、大阪府など県外も6%(3人)いる。

 協会は「姫路城の知識に加え、地域の観光に関する情報も外国人入城者に提供し、姫路や兵庫県内外の観光活性化に役立ちたい」としている。

姫路城外国語ガイド協会、メンバーの意欲高く

■「私たち自身の学びに」~協会長の瀬尾貴政さん

 「教えるというより、私たち自身の学びになっている」。姫路城外国語ガイド協会で会長を務める瀬尾貴政さん(70)は、外国人たちとの出会いに感謝の気持ちを口にする。

 ベトナム系のオーストラリア人女性を案内した時には、「歴史の一場面に立ち会っている」と感じた。ベトナム戦争後に女性は妹とともに船で祖国から逃れたが、生き別れとなり、姫路に住む妹に会いに来たのだという。瀬尾さんは若き日に見た同戦争のニュース映画を思い返し、「ガイドそっちのけで身の上話に聞き入った」。

 別の日に案内した若いフランス人女性は、パリの展示会で葛飾北斎の浮世絵に魅せられ「もっと日本を知りたい」と来日。有名な作品「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」について「大波にもてあそばれる船を描くことで、大自然とそれに立ち向かう小さな人間を対比させた」と熱っぽく語る姿に、瀬尾さんは「まだ自分の国について知らない」と痛感させられたという。

 歴史や城が好きなこともあり、定年退職後を見据えて2011年に入会した。英語は大学卒業後も学び続けたが「最も力が付いたのはガイドを始めてから」。当初は案内の内容を丸暗記して臨んだものの、突然飛んでくる質問は聞き取ることすら難しかった。「自分の能力をすべて引っ張り出して答えなければならず、わずか2時間の案内ながら英語力の向上を実感した」

 国籍や年齢、見学の目的などがさまざまな外国人を案内する中で、気を付けていることは「期待するものが何か」を見定めること。「城の詳しい知識を提供することが必ずしも良いわけではない。『旅先であんな日本人がいたな』と思い返してもらえるよう、寄り添いたい」と語る。

■知り合った外国人と交流続け~長田みどりさん



 スペイン、ドイツ、オランダ、メキシコ、ポーランド、英国…。長田みどりさん(68)は姫路城の案内で知り合った外国人から地元について教わり、興味を持つと、夫と共に旅をする。ガイドになった2014年以来、そうやって訪れた先は7カ国に上る。

 思い出深いのがノルウェーだ。同国・ベルゲンの高校生と引率の先生らを案内し、先生の一人とフェイスブックでつながった。後日、ノルウェーを旅し、まちを案内してもらった。「この出会いがなければ、ベルゲンを知ることはなかったかも」

 「いろいろな国へ行くきっかけをもらえるガイドの活動は、自らの世界を広げ、人生を豊かにしてくれるんです」と目を輝かせる。

■塾の生徒の英語力磨く場に~松山竜司さん



 メンバーの年齢構成について60代が4割、70代が3割を占める姫路城外国語ガイド協会で、45歳の松山竜司さんは最年少だ。

 姫路市内で中高生向けの塾を運営している。高校生に英語を教える中で「英語をもっとうまくなりたい」と痛感し、勉強に励んだ。英検1級を取ったほか、話す力に磨きをかけようと2016年に協会に入った。

 年に1、2回、塾の生徒らをガイドに連れて行く。「日々学ぶ英語で外国人と話す経験をしてほしい。英語を使う仕事に就くなど、子どもたちの将来につながったらうれしい」と語る。


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