姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

たかが厠、されど厠その2

2018年09月09日 | 作事
随分前に「厠」について書きました。
その続きです。現存天守で厠、つまり便所があるのは姫路城だけです。では、姫路城天守群には何ヶ所の厠があるかご存知ですか?正解は3ヶ所です。それではどこにあるかご存知ですか?



ここは看板があるので大天守地下に入るとすぐ分かります。時々特別公開されます。

二つ目は1階に上がる階段の横にあります。



三つ目、これは難しい。もし、ご存知ならあなたは相当な姫路城通です。

実は大天守ではなく、ハの渡櫓の出入り口横にあります。つまり、天守見学ルートの出口横です。





石垣の所に厠の入り口が見えます。

さて、ここで問題です。西の丸百間廊下・長局はどこに厠があるのでしょうか?
実は無いのです。多分。
長局は侍女の居住空間と言われていますが、トイレ無くして生活ができるのでしょうか?
昼間は御殿の中、もしくは御殿の近くに厠がありそこを使ったのでしょう。けれど、夜は照明器具が無いし、出入り口の数も少ない百間廊下から外へ出てトイレに行くのは怖くかつ難行苦行だと思われます。本当に長局で侍女は寝起きしていたのでしょうか?それとも樋箱のようなポータブルトイレを利用していたのでしょうか?不思議でなりません。

但し、籠城戦の時、西の守りを固めるため、武士がそこで寝泊まりするのを想定していたとすれば厠が無くても合点がいきます。さてさていかがなものでしょうか?
コメント
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