姫路城英語ガイドのひとりごと

姫路城英語ボランティアガイドでの出来事や姫路城のあれこれを綴ります。

平成23年度英語ボランティアガイド募集

2011年04月24日 | VEGA




今年は天守が隠れているので、こんな桜の写真を紹介します


さて、姫路城外国語ガイド協会(VEGA)では平成23年度の英語ボランティアガイドを以下の通り募集します。

姫路城外国語ボランティアガイド募集要領

姫路城外国語ガイド協会は、姫路城に見学に来られた外国の方を無料でガイドするボランティア活動を行っていますが、この度平成23年度の新入会員を募集します。

1. 応募資格
(1) 満20歳以上であること
(2) 外国語は英検準1級同等以上の能力があること
(3) 日本史(高校卒業程度)の知識があること

2. 申込期間、方法
 5月16日(月)~6月9日(木)(必着)まで
往復はがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号、返信用住所・氏名記入の上、姫路城外国語ガイド協会までお送りください。
〒670-0012 姫路市本町68番地 姫路城管理事務所 内
        姫路城外国語ガイド協会 

3. 選考方法
(1) 1次試験(英語、日本史に関する筆記試験)
日時  6月12日(日) 受付 午前9時30分~10時
               試験 午前10時~12時
場所 イーグレひめじ 4F 国際交流センター 第一会議室
     姫路市本町68番地290  ☎079-287-0800
受験料 500円を申受けます。

(2) 2次試験(実地試験)
1次試験合格者には所定の城内研修を行った後、2次試験を行い、最終合格者を決定します。
 日時  8月7日(日) 10時~12時
場所   姫路城内
4. 問合せ先
   姫路城管理事務所 TEL 079―285―1146  FAX 079―222―6050

姫路城外国語ガイド協会は昭和59年に設立し、これまで世界150ヶ国、約9万人の方々に姫路城を案内し、現在33名(英語32名、中国語2名、韓国語1名)で活動しています。

平成22年度は大天守修理工事のため募集を取り止めましたが、今年度は再度募集を行うことを決定しました。英語ボランティアガイドに興味がある人は奮ってご応募下さい。
現在天守が修理中のため、外国人旅行客は減っております。さらに原発問題のため来日外国人よりも離日外国人の方が多いくらいで、本当に外国人登城者が激減しております。阪神大震災の時を思い出しますが、それ以上でさらに長引くと予想されます。でも、将来を見据え会員の質、量の充実を怠るわけにはいけません。

私たちは英語力があり、かつ日本史、日本文化に関心を持っている人を求めていますが、それは当然としてガイド活動を積極的に行える人を要望しています。従って、例え2次試験で模擬ガイドが上手にできても私たちの考えに反する人は希望に添えないことがあります。前もってご了承ください。なお、例え合格しても活動回数が少ない会員は肩叩きがあります


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姫路城家紋瓦

2011年04月10日 | 家紋
前回の続きです。
姫路市立城郭研究室の別の学芸員の方がこうおっしゃいました。
「瓦は消耗品です。だから、築城以来頻繁に取り替えられている。その結果、昭和の大修理以前は天守にもいろんな家紋瓦があった。もちろん手元にあった古い家紋の瓦も利用していたはず。それを昭和の大修理の時、揚羽と桐紋に整理したのです。」



その時、思わず小膝を叩いてしまいました。
実は以前、西の丸の揚羽でこんな記事を書いたことがあります。
http://blog.goo.ne.jp/sanzaemon01/e/75e3f3d817c667b5a23dad946f307676

西の丸長局に本来ならばありえない揚羽の家紋瓦があったという記事です。



でも、瓦は消耗品で、古い瓦も使ったとすれば西の丸に揚羽があったとしてもなんら不思議ではないです。今回大天守で立ち葵を見つけたと学芸員の方も言われていました。

>昭和の大修理もええ加減なところがあるもんです。
大変失礼な事を書いてしまいました。お詫び申し上げます
コメント (2)
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姫路城天守の桐紋

2011年04月03日 | 家紋
 さて、前回のつづきです。
なぜ、池田氏の家紋、揚羽に混じって羽柴秀吉の五三の桐、木下家定の五七の桐紋の瓦が姫路城天守にあるのでしょうか?天空の白鷺から撮った写真を持ってさっそく姫路市立城郭研究室へ行ってきました。学芸員の方曰く、
「その桐紋は池田氏の家紋ですよ。一部木下氏のものがあるかもしれませんが、姫路城の桐紋は五三、五七にかかわらずほとんどが池田氏のものです。」
えっ--!!!???
「五三の桐は羽柴氏で、池田氏は七三の桐ではないのですか?」
「秀吉の桐紋は豊臣になってからで、羽柴時代は使っていないですよ。」
えっ--!!??

ヒントは以外なところにありました。
3/26から特別公開している「りの一渡櫓」にこんな瓦が展示してありました。



池田氏の官位を表す家紋として五七の桐紋が公開されているのです。
プレオープンの時は時間の都合で見なかったのですが、今回行って発見しました。



これは水の門にある家紋の瓦です。これは七三の桐紋。だから池田氏の桐紋は七三だと思い込んでいました。例の幻の瓦も七三ですし・・
http://www.maru-hei.com/20040601vis-tile.html

ところが、城郭研究室のホームページには
>黒田慶一「池田氏の桐紋瓦の再検討」(『淡路洲本城』城郭談話会、1995)では、桐紋瓦は池田家が使用したものと主張しています。いずれにせよ羽柴秀吉が桐紋の軒丸瓦を使った可能性は低そうです。
http://www.city.himeji.lg.jp/jyokakuken/info/michishirube/guide04.html

羽柴の家紋をさらに詳しく調べてみるとこんな事が判りました。
>織田信長の死後、天下を制した羽柴秀吉は、誇れるほどの氏を持たなかったことから、皇室に奏上して「豊臣」の姓を賜った。このとき、桐紋の使用も許された。http://www.harimaya.com/kamon/column/kiri.html
理にかなった説明です。

ではなぜ私達ボランティアガイドが勘違いしていたのでしょうか?
塩櫓の斜め前に城主家紋一覧の説明文があります。



毎回毎回外国人に説明しているうちに何の疑問も持たなくなっていました。
天守の展示物にもこんなものがあります。



以前このブログで変な説明文があると指摘したのに、三左衛門自身が騙されていました。

http://blog.goo.ne.jp/sanzaemon01/e/958f18153d454a4e01accea30b33c388
http://blog.goo.ne.jp/sanzaemon01/e/9f9dae2ed64be450cc403ea0dad69c47
http://blog.goo.ne.jp/sanzaemon01/e/00c076cb3d7cadfcac0ba9243b5197b6

ところで、日本の総理が公式記者会見をする時の演台についているプレートをご存じですか?
そう、五七の桐紋です。なぜ?



桐紋は古くから「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされました。また中世以降は天下人たる武家が望んだ家紋としても有名で、豊臣秀吉だけでなく、足利尊氏などもこれを天皇から賜っています。このため五七の桐は「政権担当者の紋章」という認識が定着することになりました。
近代以降も五七の桐は「日本国政府の紋章」として大礼服や勲章の意匠に取り入れられたり、菊花紋に準じる国章としてビサやパスポートなどの書類の装飾に使われたり、「内閣総理大臣の紋章」として官邸の備品等に使われています。だから、総理の演台に取付けられるプレートにも五七の桐紋が使われています。

さて、学芸員の方に家紋の瓦の事を教えてもらっている時、三左衛門は持った湯飲みをばったと落とし、小膝たたいてにっこり笑ってしまいました。この話は次回で。


コメント (2)
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