学習の痕跡Ⅱ

自分が書いた答案，とりわけ新旧司法試験の過去問の答案は，書いた日付を付けてすべて保存しておくべきである。
なぜなら，過去問をやり直したときに，現在書いた答案と過去に書いた答案を比較することが有益だからである。

司法試験は，結局のところ答案がすべてである。
答案には，大げさにいえば，受験生の命がかかっている。
だから，書いた後で見直すときにも，どうしても自分の答案を正当化したくなるものである。
自分の答案を読む目には，少なからずバイアスがかかっている。

しかし，何か月もたって，改めて自分の答案を書いた後であれば，自分の答案を批判的に検討できる。
なぜなら，以前の答案の方が現在のそれよりも優れているとは考えたくないからである。

でも，実は，答案が抱えている課題というのは数か月で変わるものではない。
なぜなら，課題は自分の思考の癖にあり，癖は数か月程度では容易に変わらないからである。

それでも，少しは変わる。
そこに，成長を感じることができ，
学習の方向性が間違っていないことを確認できるのである。