答案の書き方を教えてください。
そのように訊かれると,一瞬,戸惑う。
なぜなら,問題によって適切な書き方は異なるし,合格者の間でも異なるので,
「答案の書き方」を一概に答えることは困難だからである。
それでも,この質問はよく受け付ける。
そして,私自身の経験からしても,司法試験の学習上の最大のテーマは「答案の書き方」である。
そこで,今回は,法律の学習を始めたばかりの人向けに,憲民刑に通じる . . . 本文を読む
3月最後の自主答練。午前2時間,午後4時間。
お題は民事系プレ。
友人に勧められて,
60分答案構成→180分論述
から
30分答案構成→90分論述→30分答案構成→90分論述
に変えてみた。
そうすると,時間不足に陥らず,2回目の答案構成の段階でも思考力が落ちず,
ちょうどいい時間配分で書くことができた。
厳密に言うと,
40分答案構成→95分論述→15分答案構成→90分論述
ぐらいになっ . . . 本文を読む
私の書く答案は,短い。たくさん書けないからである。
4時間で,12ページ書ければ大成功であり,
たいてい11ページほどしか書けない。
今日は,その原因について考えてみた。
順調に書けば,1ページあたり12~3分だから,「書く」こと自体が遅いわけではないと思う。
このペースで考えると,4時間中1時間を答案構成に使うと仮定しても,14~15ページは書けるはずなのである。
そうならない原因は,書き . . . 本文を読む
司法試験の勉強を始めてほどなく,答案構成という言葉を知った。
答案を書くための単なるメモ書きに付けるには,ずいぶんともったいぶった名前だと思った。
しかし,試験時間と労力を無駄なく使い,適切な順序・バランスで答案を書こうとすると,必然的に書きだす前の答案構成は重要となる。
特に,新司法試験は,試験時間も長く,資料の量も書く量も多い。
旧司法試験にはなかった,事実の取捨選択という要素もある。
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最近,科目ごとの特性,科目ごとの合格答案のイメージについて自問している。いくつかの観点から,司法試験の必修7科目を分類してみよう。<思いつきの重要性>民法商法憲法民訴↑0↓行政法刑訴刑法<求められるあてはめの丁寧さ>憲法行政法↑刑訴刑法↓商法民訴民法<いわゆる予備校答案の許容性>商法民訴↑刑訴↓行政法民法刑法憲法<理論の重要性>民訴刑法憲法↑0↓刑訴行政法商法民法<論文で要求される知識の量>民法刑 . . . 本文を読む
合格者の再現答案は,学習の重要な指針である。
こう言っていたら,何人かの人からこういう反論があった。
反論「①多くの場合,再現答案は本試験後にある程度時間がたってから,本試験を忠実に再現するというよりも理想と願望を込めて作成される。②したがって,再現答案が,本試験で書いた答案を忠実に再現したものであるとは限らず,本試験での評価が高かった人の再現答案だからといって,参考になるとは限らない。」
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合格者の体験談を読んでいて,よく出合う言葉がある。
良くできたと思った科目で成績が悪く,
できなかったと思った科目で成績が良かった。
自分も,旧試験ではあるが,そういう感想を何度となく持った。
そこで,こんな仮説を立てていた。
良くできたという自己評価を下した科目は,難易度が低い問題が出たので,自分だけでなく受験生みんなが良くできた。
したがって,自分の答案が相対的に悪い評価を受けた。
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法律の世界には、数多くの決まり文句(=キーワード)がある。
自己実現の価値、取引の安全、社会的相当性、お手盛りの危険、手続保障、信用性の情況的保障…など、それこそ挙げていけばキリがない。
そして、答案を書くときに、これらのキーワードを積極的に用いるべきである。
理由は、キーワードは、①学者の批判を経てなお生き残っている語であり、②学者が言葉を尽くして語ることを凝縮した語だからである。
したがっ . . . 本文を読む
原則-例外思考とは、自動的に効果が導かれる場合(原則的場合)とそうでない場合(例外的場合)とを分けて思考することをいう。
法律を扱う上で、避けて通れない重要な思考方法である。
「法律を扱う上で」と言ったが、実は法律以外の場面でも原則-例外思考は用いられている。
社会で、多くのマニュアルが用いられいているが、このマニュアルこそ、原則である。
原則通りの処理をする際には、多言を要しない。
さっさと . . . 本文を読む
基本書を読むときに、心がけていることがある。
それは
答案で使える表現を探す
ということである。
ここで「使える表現」とは、①要点が含まれていて②短くまとめられた表現、をいう。
そして、使える表現が出てくる箇所について、おもしろい発見をした。
その発見を一言でいえば、
使える表現は応用場面で登場する
ということである。
逆にいえば、基本場面では、定義を除けば、使える表現は比較的少ないという . . . 本文を読む