刑事訴訟法の答案でよい評価を受けるための第一条件は,出題者側が取り上げて欲しいと考えている問題点と事実を取り上げることである。
とりわけ,新試験においては事実の部分の比重が増えた。着目すべき事実とそうでない事実とが問題文中に混在しており,その中から重要な事実をあまさず拾い上げなければならない。
この能力を鍛えるためには,どういう訓練をしたらよいのだろうか。
1つの方法は,裁判例を参考にすることだろ . . . 本文を読む
公然わいせつ罪容疑で有名人が逮捕されたという報道に接して,あらためて逮捕と勾留の違いについて考えさせられた。
一般論として,逮捕の要件には「理由」と「必要性」がある。
現行犯逮捕(刑訴213,212Ⅰ)の場合,「理由」というのは「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わった」ことである。言い換えれば,犯した犯罪と犯人が明白であり,犯罪と逮捕とが時間的場所的接着性を有するということである。
他方,必要 . . . 本文を読む