法律・司法試験研究室

法律・司法試験について考察します。

自主ゼミ

2010年09月14日 | 学習
法科大学院では,数名で自主ゼミを組んで学習するのが一般的である。
私も,実に様々な自主ゼミを組んだ。

その中で,法科大学院入学当初(といっても,1,2か月経過していたが)から組んだゼミのメンバー5人が全員合格したことはすでに述べた。
もっとも,合格の要因は個々の素質と自習に負うところが大きく,自主ゼミが主たる要因になったとは考えにくい。

しかしながら,少なくとも私にとって自主ゼミの存在感は大きかった。私にとっては主たる要因になったといっても過言ではないと思う。
そこで,その自主ゼミのことを踏まえて,望ましい自主ゼミについて考えてみたい。

○メンバー集め

必修ゼミの同じクラスの既修者に声をかけた。
当初の計画では未修者も誘いたかったが,未修者はすでに友人も多くゼミも組んでいる人が多い様子だったので,結局友達のいない既修者だけで組むことになった。
入学当初から,ゼミのメンバー集めのために名刺を配った。
信頼でき,合格後も法曹として協力し合えるようなメンバーが望ましい。

○素材

自主ゼミで扱う素材は,新旧司法試験の過去問が多かった。
それ以外では,事例研究憲法,事例研究行政法などを扱った。
なお,一番最初は必修のゼミで出される課題に対する解答を交換するだけだった。

○方法(←ここ重要)

あらかじめ答案を書いてきて,縮小コピーして,交換して,口頭で批評し合って,添削して返すというのが基本。
もっとも,添削は忙しいと滞ってしまい,口頭でのやり取りで替えることも多かった。

口頭でのやり取りがゼミの時間に行われるわけだが,これはときに厳しい言い争いになった。
そのときに,

①出題の趣旨・問題の本筋から逸れない
②細かい点は気にしない
③自説の証拠を示す

というような暗黙の了解(あくまで暗黙の了解なので,個々人が明確に意識していたかどうかは定かでない)があったのは幸いである。

③は,過去問であれば問題文・条文・出題の趣旨・採点実感などを援用して自説を述べることである。
たとえば,「問題文にはこんな事実が書かれている。これは出題の趣旨にある~という点に誘導するもので,だからオレはここに触れた。」という風に。

添削は廃れがちだったが,私は特に力を入れた。
①添削しないと採点者の心理は分からない
②添削という目的がないと,流し読みになってしまう
ことがその理由である。

○頻度

週1回。授業の課題もあるし,他の自主ゼミとの兼ね合いもあるので,このぐらいが適量と思われた。

…こうやって文章にしてみると,何ら特別なことはやっていないということがよく分かる。
でも,口頭でのやり取りによって,自分にない視点が得られたということは極めて多かった。
毎回,新たな発見があった。
ちなみに,新たな発見のないゼミはやる価値がないので,ただちに閉店すべきである。

また,交換した答案を写経することによって,多くの表現を盗むことができた。

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