法律・司法試験研究室

法律・司法試験について考察します。

疲れと癒し

2010年02月20日 | 学習
一昨日の話からしなければならない。

木曜日はもともと3つも自主ゼミを組んでそれぞれ答案を検討する厳しい日である。
今週は,友人の提案でその後に4時間答案を書くということをやった。
合計で10時間以上も脳をフル回転させたことになる。

何度も,「オレやっぱやめるわ」と,答案を書くのを中断する理由を考えた。
でも,途中で,極限状態を体験しておくのも有益かもしれないと思い,結局最後まで書いた。

元気な状態で4時間書いても相当疲れるが,ひどい疲れとなった。
しかしそれでも,案外,やればできるものである。

収穫もあった。極限的に疲れた状態で書いた答案には,以下の特徴があるということが分かった。

○良いところ
・一文が極めて短く,読みやすい
・途中で余計なことを思いつかないので,答案に迷いがない

○悪いところ
・字が汚い
・訂正が多い
・文相互のつながりが不明確

大変だったのはその後である。
家に帰ってすぐに寝た。

6時間睡眠をとっても,翌朝まだ疲れが残っていた。
目と頭が痛かった。

それが昨日の午後まで続き,夕方復活。

今朝はもうすっきりしている。

よく「癒しの音楽」「癒しの香り」などと言われるが,
人間を癒すことができるのは睡眠だけだと思う。

極限状態で書いた答案を読み返してみて思うのは,

疲れた状態では,発想の自由さが失われる

ということである。

平成18年刑事系を書いたのだが,殺意を論じて否定する方が筋がよいことは自覚していた。
前回書いたときは,殺意を否定して書いた。
今回は,筋が悪いのを分かっていながらも,殺意を肯定しようという発想を捨てられなかった。

元気な状態では,極めて不思議な発想である。
しかし,極限状態では,そういうこともやってしまう。
思考に余裕がない。

話は一気に飛躍するが(今は元気で思考が自由なので),
歴史上の事件を後から眺めると,なんでこんな不合理な決断をしたのだろうかと思うことがある。

原因は,決断者が疲れていたからではないだろうか。

話を司法試験に戻す。

本試験は10時間もやらないが,5日間ある本試験最終日の疲れはいかばかりか。
特に今年は,最も自由な発想を求められる公法系が最終日。
しかも,私は行政法から書くことにしているので,公法系の中でも最も自由な発想を求められる憲法を最後に書くことになる。

疲れをうまく癒した者が,憲法を制するのかもしれない。

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