ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(26)

2007-10-30 12:28:24 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠    加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、大阪の「おたふく」で住み込み働き始める
葵    松原千明 :竹田家の長女(大阪の次男坊のところに嫁入り)
桂    黒木 瞳 :竹田家の二女

智太郎   柳葉敏郎 :悠の初恋の人。沢木雅子の兄、帝大医学部の学生
精二   江藤 潤 :「おたふく」の従業員・板場さん(お初の若いツバメ)

お康   未知やすえ:「竹田屋」の奉公人(悠付きの女中さん)
悦子   雅  薇 :「おたふく」の従業員
松吉   小林秀明 :「おたふく」の従業員(見習い)

世話人     山村弘三 :祇園祭の世話役
         柳川 清:祇園祭の世話役
         北原将光:祇園祭の世話役

       放下鉾の皆さん

       アクタープロ
       松竹芸能

お初   野川由美子 :大衆食堂「おたふく」の女将。市左衛門の遠縁

市左衛門  西山嘉孝 :「竹田屋」の主人、三姉妹の父(婿養子)
静     久我美子 :三姉妹の母、市左衛門の妻

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

中之島病院

悠は、葵が流産してしまった知らせを聞き、病院へ走りました。

立花葵 殿 の札を見て病室に。

「葵ねぇちゃん。大変やったな。せっかくの赤ちゃん‥‥」
「ばちが当たったんや。
子どもが出来たとわかった時、好きでもない人の子なんて欲しいないわ~って思うてしもた」
「今は何も考えんといてゆっくり休みなはれ」

お初が持たせてくれた鳥のガラで野菜を煮込んだスープを出す悠。
「早よう元気になるようにって‥‥」
「おおきに。
 優しい人に囲まれて、あんたどこ行っても幸せになれる人なんやな」
「心の持ちようと違うか」

そこに桂がお見舞いに来る。

「桂姉ちゃ~ん
「こんなとこで悠に会えるやなんて。元気そうやな~」
「桂姉ちゃん、キレイになって」

「葵ねぇちゃん、残念やったな‥‥」
「しかしあんたがよく一人で大阪まで来れたなぁ」
「ううん、うちの人と一緒やったけど、お見舞い行く言うたら、帰ってしまった」

「三人会えたのも神様の引き合わせや。
 食べるもんいっぱい持って来たし、久しぶりに三人で食べよ」
「なんや、うちが流産したおかげみたいやな~」
「いや~堪忍。
 でもすんだことクヨクヨしてもしょうがないし、新しい出発と思った方が得やもんな」
「相変わらずあんたは楽天的でええなぁ」

「お父ちゃん元気か?」 訊く葵
「今年は祇園祭、鉾の巡行もできるかどうか危なかったんえ。
 店の数も1/10になってお金が集まらんで苦労しはったんや~。
 借金してでも祇園さんだけはやめられんってお父ちゃん頑張らはったんえ」
「お父ちゃんらしい」
「店のもんも1/3になってしもたし、二人ともええ時に家を出たもんや」
「何言うてんの‥‥ 家族に囲まれて生まれた家で生活できて、
 そんな上等な着物着てられることがどんだけ幸せなことか‥‥
 桂にはわかってへんだけや」
「ほんでも結婚したら同じ家でも違うえ。
 うちの人とお父ちゃんの間に気を使わなならんし
 ご飯食べる時もみんなな~んも喋らないこともあるえ」
「桂姉ちゃんも大変なんやな」

悠はお重を出す。

「ひゃ~、こんなご馳走最近見たことないわ」
「うちもはじめはビックリしたんえ」

スープも出す悠。

「大阪の食い倒れいうのはホンマやと思った。
 それに女将さん。すごい人なんや。
 家のことも周りのことも気にせんと堂々と生きてはる。
 うちもこれからはそうすることに決めた」
「うちも。どんなつろうても竹田屋のこと守ってみせるし」
「えらい! それでこそ桂姉ちゃんや」

笑う三人

「二人とも祇園さんには帰っておいな。
 三人で着物着ておばぁちゃんに見せたげよ、喜ばはるえ」

うつむく二人‥‥

「おばぁちゃん急に年取って、離れにこもりっきりやし、お母ちゃんは縫い物ばっかし。
 今までの祇園さんとは大違いや。 お父ちゃん、悠がおらんと淋しそうや」


鉾を見る市左衛門たち世話役。

「今年はできないかと思いましたなあ」
「祇園さんのために1年働いても、金が追いつきませんなぁ」
「金は、借金してでもできるけど戦地に行く兵隊さんを見ると
 残ったモンでこうしてやるのも辛おすなぁ。困った世の中になってもうて」
と市左衛門。

智太郎は鉾を見にきていた。

お康が
「桂‥‥若奥様が、大阪から帰りはって話があるそうです」と市左衛門を呼びに来る。

帰りかけたお康が、智太郎に気がつき、「雅子はんのお兄さ~ん」と呼びかける。
智太郎も「久しぶりだなぁ、君に聞きたいことがある」と話していると
市左衛門が厳しい顔で命じる「お康、この方をワシに紹介してくれるか」

「沢木智太郎です。悠さんのお父さんでいらっしゃいますね」
爽やかに笑顔で凛々しく挨拶する智太郎。(かなり私の主観が入ってる?)

しかし市左衛門は、ニコリともしないで
「竹田市左衛門どす。お初にお目にかかります」と名乗り、
お康に「お前はもういいい、行きなはれ」と払ってから
「お康に何ぞ、訊ねたいことがことがおありかいな。
 悠の居所でしたら、お康もワシも店のモンも誰も知りまへんのどす。
 黙って出て行って親不孝な娘どす。
 あんたさんとは何の関係もないことだす、構わんといて下さい」と言い放つ。

どこかで悠が鉾を見ているような気がして来てみた智太郎でしたが、
市左衛門の冷たい言葉に全てを忘れることにしたのです


口を結んで、その場から去ろうとする智太郎を、お康がこっそり呼び止める。
「ここ、悠お嬢様のいるところです」
静が書いてくれたメモを、そのまま智太郎に渡すお康。

    大阪市西區西横 ‥‥ おたふく



そのころ、悠もおたふくの屋根裏部屋で、着物を広げて
「うちのこと、忘れてしもたかな」と智太郎のことを思い出していた。

そこにお初が入って来て、「お姉さん、残念やったなぁ」
「明日、お姉さんのかわりに見送ってあげなはれ」と言い、すこしばかりとお金を出す。

「お金に困ってない人はようわかってます。
 お嫁さんがはじめての子を流産する言うのは辛いもんや。
 何もかも自分で始末せんと、何 言われるかわからん。 
 ましてや出征しはるんやったら、頼る人もないやろし。 うちの気持ちや、な」

まだ少し遠慮する悠にお初は続ける。

「わても結婚してたことがあったんや。流産して追い出されて‥
 貧乏な農家やったし、朝から晩まで働きづめで‥‥

 お姉さんにうやけくそにならんように、言うのやで」

頭を下げる悠。

お初は「悦子は?」と帰りを気にしていたが、お風呂だと悠が答える。
しかし、悦子は夫の死亡通知を見ながら泣いていた。


さて、翌日、お初と板場の精二は夜の定食の値段について揉めた。

「よるの定食が2円は高い!
 値段の割にもうけが安い、それがこのおたふくが繁盛している理由でしょう」が精二
「仕入れ値がどんどん高くなってくし、2円とらんと仕方ない」がお初

「それは一流の料理屋の銘です。ここはそんな店と違うでしょう。
 鈴木はんの仕入れは一流用ですわ」
「旦那はんだって一生懸命やってはる」
「商売は上に流されたらお終いです」
「精さん、あんた旦那はんにヤキモチ焼いてんの?」
「ワシは情で言うてんのと違います。値を上げたら必ず警察に目をつけられます」
「この店はうちの店や。うちが売る。あんんたは黙って料理作ったらええのや

「板場はお客の気持ちになってつくるもんです、勝手にしとくれやす
言い残して、出て行く精二。

「勝手にしたらええやろ 」 お初も怒鳴ってしまった。

悠ばかりか、ちょうど降りてきた悦子は「いつまで寝てんねん」と怒鳴られ
通いの松吉は「今ごろ来て!」ととばっちりを受ける。

お昼の準備の時間なのに、お初は「出かけてくる、臨時休業って出しといて」と
出て行ってしまう。

悠は、松吉と悦子に「材料がもったいないから、3人でやってみよう」と提案する。
しかし悦子はせっかくの休みだから‥とぷいっと出かけてしまった。

(つづく)
 


『ちりとてちん』(26)

2007-10-30 11:26:20 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻り、塗箸職人に
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟
徒然亭草々  青木崇高 :元落語家・徒然亭草若の弟子
和田清海   佐藤めぐみ:喜代美と同姓同名の同級生 エーコ。大阪の大学に入学
和田正平   橋本 淳 :喜代美の弟
野口順子   宮嶋麻衣 :喜代美の同級生、高校卒業後は家業の「魚屋食堂」を手伝う

       小浜市のみなさん

       キャストプラン
       NAC

和田正太郎(写真) 米倉斉加年 :喜代美の祖父(故人)、塗箸の名職人で落語好き。
和田小梅    江波杏子:喜代美の祖母、もと芸者
徒然亭草若   渡瀬恒彦:元天才落語家。今はのんだくれている


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落語家・草々(青木崇高)への恋心を自覚した喜代美(貫地谷しほり)。だが肝心な時にまたも清海(佐藤めぐみ)が現れてしまう。清海となぜか恐竜の化石の話で盛り上がる草々の姿に、喜代美は不安を隠しきれない。しかも草若(渡瀬恒彦)に「草々にとって女の子は、かよわい、守ってやらなければならない存在だ」と言われ、自分との過去に暗たんたる思いになる。そんな喜代美の知らない間に草々は清海とますます親しくなっていく。