ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(23)

2007-10-26 23:49:05 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠    加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、大阪の「おたふく」で住み込み働き始める
智太郎   柳葉敏郎 :悠の初恋の人。沢木雅子の兄、帝大医学部の学生
精二   江藤 潤 :「おたふく」の従業員・板場さん(お初の若いツバメ)
雅子   山本博美 :悠の同級生

鈴木   須永克彦 :お初の元旦那はん(夫ではない)、お初に泣きつきに来た
悦子   雅  薇 :「おたふく」の従業員
坂井   河野 実 :「毎朝新聞」の文芸部記者、雄一郎の同僚
松吉   小林秀明 :「おたふく」の従業員(見習い)

      松竹芸能

雄一郎  村上弘明 : 「毎朝新聞」の記者、「おたふく」の常連

お初   野川由美子 :大衆食堂「おたふく」の女将。市左衛門の遠縁


・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

悠がおたふくで働くようになってから2ヶ月目の初めての休日です。

女将のお初と板前の精二、もとの旦那という奇妙な生活が始まっていた。

屋根裏で興味津々で話をする悦子。

「どないなってんのやろ、あの三人。夜とかどないなってんのやろ」
「あんたまだ何も知らんの? ええとこのお嬢さんやったら知らんな」

悠はそれには何も答えないで
「女将さんは昔世話になったから置いてあげとるだけや」

「でも、あの3人の前でどないな顔してご飯食べたらええねん」と悦子


朝ご飯の最中、

「若い女のこはええなぁ。そばについているだけで気が若うなる。
 悠言うたな、どこぞつれてったろか」(あら、悠にばっかり。悦子のジェラシーが~~)
「この子に色目使うんやったら出てっておくれよし」
「だってあんたかまってくれへんし」
「わてはな、今この精さんに惚れてますのや。
 昔はあんさんがそばにおらんと夜も昼もないこともありました
そやけどあんたが本宅に戻った時からスッパリ嫌いになりやしてん ‥‥
 今ここに置いてるのはその時この店買うてもろた恩義があるからどす。
 1日も早ようどこぞ見つけて出ていっておくれやす」

「あーあ冷たい女になったなぁ」
「いっぺん裏切らたら冷とうなるんどす。
 惚れた男にだけかわいいと思われたらそれでよろしいねん」
「はぁ‥‥こないまで言われてここにおらなあかん、情けないこっちゃ」
「悔しかったら自分の腕でヤミ物資でも仕入れたらどないどす。
 あれだけの店、やっとった旦那はんやものヤミの伝手あったんどっしゃろ」
「新地の絹屋いうたらな、銭さえ出したら伝手ぐらいいくらでもありますがな」
「そのツテ譲ってくれ」とお初。

「すぐ行こう! 」とお初は鈴木をつれて行ってしまった。

「いいのんか? やけぼっくいに火がつくことにあんねんで」と悦子は精二に言うが
精二はそのま動かないので、悦子は「もう知らん」と悠の洋服を借りて外出。
残されて困った悠は
「いいお天気ですね、どこにも遊びに行かはりませんの?」とか
「どこかスケッチできる所を知りませんか」と精二に訊くが
「親に心配かけて働くことも遊びのつもりならさっさと帰りなはれ、
 みんな命はって働いてますのやで」と言われてしまう。


河辺でスケッチする悠。
「もうすぐ祇園さんやなぁ」と祭りと智太郎との出会いを思い出した。

すると「うまいもんですね」と背後から声をかけられる。
雄一郎だった。
「悦子さんと約束してはったんと違うんですか?」

「僕が?冗談でしょう」
「映画に行くって‥‥」
「勝手に決めただけでしょう、僕は知りませんよ」

喜んでいたのは考えごとをしていたからだと悠。

「それは‥‥初恋の人」
「(うん)」
「今でも好きなの?」
「はい。一生好きでいます」


そのころ沢木家、夏休みに帰ってきた智太郎は悠のことを知った。

「どうして言ってくれなかったんだ。どこへ行ってしまったんだ」
「知らないわ。悠さんのお母さんに訊いたけれど、教えては下さらなかった」
「手紙も来てないのか?」
「学校には結婚のため‥と退学届けが出てたわ」
「結婚?」
「そんなはずないわ。お姉さんに店を継がせるため、出て行ったのよ。
 そんなに気になるんなら、自分で探すべきでないの?
 悠さんは、真剣だった。お兄さんよりずっと」

「東京へ帰る」と智太郎は言った
「今の自分に人を幸せにする自信なんかない。自分のとるべき道さえわからないんだ。
 悠さんに会うことがあったら… いや、何もいわなくていい」


智太郎は、悠のいた京都が心のよりどころであったことをはじめて知りました‥
(とナレーション)



大阪城のほとり

雄一郎の寝顔をスケッチする悠

「君は京都の生まれだ」 「Yes」
「それも相当の家柄のお嬢さんだ」 「No, but daughter」
「英語を話せるってことは、女学校に行ってた‥‥
 どうして家出したんだ?
 君は祇園のお茶屋で働いているかわいそうな女の子だと思っていたのに」
「それは女将さんが言ってるみたいに、あなたに人を見る目がないんやわ。
 新聞記者って言ったら、
 世の中のこと何でも知っていて正しいことを教えてくれはると思ってました」
「書きたいことは山ほどある。でも今は書きたいことが書けない時代だ。
 そんな勇気はない」
「うちは女がさわってもいかんという鉾に、あがったことがあるんです。
 勇気いうもんは、自分を追い詰めて追い詰めて、自分で作っていくもんと違いますか?」

決心したように「社に戻る!」と毎朝新聞社に帰社する雄一郎。
文芸部で、「オダサクノスケの書評を書くぞ!」と張り切る。


悠が「おたふく」に帰ると、お初は旦那はんにお酌をし、精二が料理している。

屋根裏部屋に戻った悠は、悦子に「うち、女将さんのあんなとこ見るのイヤや」
とちょっと愚痴る。

悦子は悠のスケッブックに書かれた雄一郎の姿を見て、怒り爆発。

「やっぱりヨシノさんもあんたみたいなのが好きなんやね。
 だからちょっとちょっかいだしただけや。
 あんたみたいな人見てると腹がたつ!
 女将さん、今まで来た女の子にどれだけ厳しかったか‥あんたは特別扱いや!

 悪い思ったら、このワンピース(もらっても)いいやろ?
 着物もくれたら、悪口言ったの黙っとく‥!」

素早く、悠の荷物から畳紙を出す悦子。

それは、去年の祇園祭の朝顔の柄の着物だった。
「やめて!」と奪い合いになり、袖が破けてしまう。

ぷいっと出て行く悦子。


自分で決めたこととはいえ、父や母を恋しいと思う気持ちを捨てきれていませんでした
(ナレーション)

  

『ちりとてちん』(23)

2007-10-26 23:34:24 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり
和田小次郎(源太)   京本政樹  :喜代美の叔父・正典の弟
徒然亭草々  青木崇高 :元落語家・徒然亭草若の弟子

磯七      松尾貴史 :散髪店(磯村屋)の店主。酒場「寝床」の常連


        山澤由江  落語「辻占茶屋」の解説
        竹下 眞 
        出口昌義 

        劇団東俳
        NAC
        キャストプラン
        グレース

徒然亭草若   渡瀬恒彦:元天才落語家。今はのんだくれている


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喜代美(貫地谷しほり)は草々(青木崇高)のために、三味線で「辻占茶屋」の下座(げざ)を務めることになった。今までの自分から変わるべく必死になって三味線のけいこに励む喜代美だが、現実は厳しくなかなか上達しない。草若(渡瀬恒彦)に「草々は下座がついているだけでも安心なはずだ」と励まされて臨んだ落語会当日。草々の落語は進み喜代美の三味線となるが、極度の緊張で喜代美はとんでもないミスをしてしまう!