サンズ・トーク

私、本当はビール音痴かも

昭和30年ごろか、ビールは普通、ビンビールだったのです。
それも、中ビンじゃなく、普通のビンです。
生ビールなんか、特別なところ(例えばニューミュンヘンとか屋上ビアガーデンとか)じゃなければ、なかったのです。
生を飲みに行こうというのは、何となく意気込んだような、高揚した気分だったのです。気分で呑むものですから、ビンと生とどう違うか、詮索したことも、議論したことも、比較した覚えもなかったのです。

そんな無批判が、いままで、のんべんだらりと続いているのです。

昔は、私ごときの人が行くところでは、ビールの銘柄はどれかひとつでした。
まれに、相当うえクラスのお店になると、ビールを注文すると、キリンですかアサヒですかと聞かれたりします。
そうすると、逆上気味に、ビビリながら、キ、キ、キリンなどとお願いするのでした。

昔もそうだし、今もそうですが、ビールというものは、必ず、とりあえず、まずビールみたいな感じです。
お店の人も、座るなり、おビールすか?と聞いてくれます。
喉をうるおし、安心したところで、酒とか、別のものに移ってゆくのが定めというか、宿命というか、そんな回り合わせなのです。
そして、だんだんと酩酊してゆく、そんな何十年が続いているので、ビールの味については、音痴なので、ビール君には心よりお詫びする次第なのであります。

私は、ビール君にはずっとご懇意いただいているのに、割と無知で恥をかくこともあります。
こないだ、とあるリゾートホテルで、サッポロビールをお願いしたら、黒いラベルのビールが出てきました。黒ビールを頼んだ覚えがないのに、黒ラベルがでてきました。
これ、普通の? って聞きますと、そう、といってグラスに注いでくれたのを見たら、普通のでした。
それで、あわてて、いや、別に、これでいいの、いいのと誤魔化したわけなのです。

地ビールというのがあります。
呑むと普段呑む四大メーカーのビールとはどことなく違って、こくが深いというか、ちょっとしつこいような重めの味がして、軽めのものに慣れていることに気がつきます。
でも、観光地ブランドのビールよりか、やっぱりいつもの例のもののほうが、なじんでいるのであります。



もひとついいたいことがあります。
パソコンは、使用履歴により、学習効果を保存、蓄積します。
この文章をつくっていて、ノムと入力したら、指定もしないのに、
飲む ではなく 呑む がでてくるのです。
飲む と 呑む ではどう違うか、よくわかりません。
でも、ビールなら 呑む がふさわしいかなとおもいます。
飲む はサイダーじゃないかな。

交通安全の標語。
 呑んだら乗るな。乗るなら呑むな。

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