なぜストラバイト結晶が生成されるのかは分かりませんが、尿のpHがアルカリ性に傾くからですね。
(ちなみに、酸性に傾いて生成されるのがシュウ酸カルシュウムですが、ワンコやニャンコの健康にとっては、こちらの方が怖いのだそうです。)
では、なぜ、尿のpH値がアルカリに傾くのかは、私にはよく分かりませんでした。
「体質」と「少ない飲み水」と「運動不足」と云うキーワードで括ると、ストラバイト結晶に苦しむワンコの、かなりのケースを包括できるような気がします。
これは獣医師からお聞きしましたが、結局「これが原因だ!」と云うことは解明されていないようです。
但し、「ストルバイト尿石症の50~95%は、細菌性の尿路炎症に関係しています。
感染した犬の尿に一番よく見つかる細菌は、ブドウ球菌です」とか「獣医さんによって膀胱炎と診断されるケースの60%は、細菌性炎症が原因ですが、結石の発症には他にも多くの要因があります。膀胱炎の多くは、抗生物質で治療されるでしょう。炎症を初期のうちに治療すれば、ストルバイト尿石症を予防できるでしょう。できた尿結石はすべて除去しなければなりません。尿酸化剤投与と高品質の動物性タンパク質を含む食事療法を行えば酸性の尿が保つことを助け、再発率を下げることができるでしょう」「ストルバイト尿石は酸性の尿に溶けやすい性質を持っています。正しい尿pH値が維持されていれば、尿結石ができる可能性も低くなります。理想的な犬の尿pH値は6.4~6.6です。膀胱炎や尿結石にかかりやすい犬の場合、炎症の再発が問題になることが多いので、経口尿酸化剤が処方されることもあります」などと書かれた資料も存在します。
他の資料を含めての、ここまでのまとめ(あくまで犬の場合)。
1:結局のところ、なぜストラバイト結晶が生成されるかは解明されていない。
2:尿がアルカリ性に傾くとストラバイト結晶が生じやすい傾向は明か。
3:ストラバイト結晶が生成され続けると膀胱結石症になる可能性がある。
4:ストラバイト尿石症の50~95%は、細菌性の尿路炎症に関係している。
5:従って、尿路の細菌を除去し、朝一番の尿のpH値を6.4~6.6となるように工夫すること。
となるのですが、理屈ではそうなるかもしれませんが、なら、具体的な工夫や注意は何ですか?と獣医さんに問うと、食餌療法と「水をたくさん飲ませて下さい」とまでは仰るのですが、「家のワンコはなかなか水を飲まないんですよ。たくさん水を飲ませる方法や工夫があったら教えて頂きたい」の質問に、私が体験した4名の獣医師に具体的な提案をお聞きすることはありませんでした。
要するに、具体的な成功例をお持ちではないのですね。
かなり調べ、いくつかの実験を行いながら我が家のワンコ達で成功したのは以下の2点でした。
1:クランベリージュース(パウダー)をドッグフードに混ぜて食べさせる。
2:2頭のワンコの場合、5グラムのゴートミルクで600~650ccの、薄くてぬるい薄々ミルク水を作り、毎日飲ませる(2頭分として)。
「1:」は尿路の細菌を薬を使わずに殺菌する効果に期待し、「2:」はとにかく水を飲ませる為でした。
現在も続けていますが、1:は人間用のサプリメントを米国から個人輸入しています。
同じような内容のものが国産では3~4倍もしますし、個人輸入の代行を依頼すれば、英語の煩わしさもありません(もちろん、手数料は業者によってかなり違います)。
効果を確認するためには、尿の培養検査をしなければ分かりませんが、文献を確認したところ、期待しても良さそうです。
問題は「2:」でした。
飲み水に蜂蜜やジュースを入れ、或いはドライフードを入れて誘ったり、氷を浮かべたりしましたが、一度か二度で見向きもしません。
薄めた牛乳は一週間ほども持ちましたが、ダメでした。
少し濃度を上げて飲み始めてはくれたのですが、軟便になってしまい、結局は飲まなくなってしまいました。
困って、他の方法を探していたのですが、ある時「ゴートミルク」なるものを見付けました。
ヤギミルク!と思ったのには訳があります。
幼い頃の私は虚弱体質で、小学校3年生までは体力のない子だけの特殊学級にいました。
小児結核に始まって、病気の問屋でした。
困った母は何とか体力をと、ヤギのミルクを私に飲ませました。
どの程度の効果があったかは分かりませんでしたが、4年生から一般のクラスに移ることができました。
ちょっと癖があって、初めは嫌だったのですが、慣れてしまいました。
そこで、ダメモトで一缶購入し、指先に付けて恐る恐るさくらの鼻先に持って行ったところ一瞬、匂いを嗅いだと思ったらペロペロと嘗め始め、いつまでも続けていました。
ムックンも同じで、とても興味を持った様子です。
少量をフードに振りかけたところ、凄い勢いで食べ始めました。
ただ、カロリーを確認すると、結構な値なので考えたのですが、香りが立つ程度のぬるい温度で仕上げ、なるべく薄く作ったらどうかと思い、濃度を変えて実験を繰り返した結果、先の“5グラムのゴートミルクで600~650cc”となりました。
これは今も続けていて、朝の散歩ではとても良いチィーをしてくれます。
量もありますが、色が薄くてとてもよい感じです。
効果は確実に現れて、2回の検査では、pH8程の値で、ストラバイト結晶が消えなかったさくらはpH値が6.0~6.4で安定し、結晶のかけらもありません。
pH7~7.2だったムックンも結晶は消え、pHは6.4~6.6止まりです。
我が家の場合は大成功でした。
もちろん、クランベリージュース(パウダー)も薄々ミルクも続けています。
前日にも同じようなことを書きましたが、もう少し詳しく書きたいと思いました。
実は、私の勤め先の愛犬家は、愛犬のストラバイト結晶の治療を1年近く続けていたのだそうです。
人間も気を遣いますが、ワンコも大変そうです。
「けっこう太ってしまって、ご飯も食べたがらない」のだそうです。
獣医師からの具体的なアドバイスもなくて困っていました。
そこで、メモを交えながら我が家のケースを話したのですが、約3ヶ月で正常に戻り、元気に走り回っているそうです。
たまたまなのですが、我が家の成功体験のご紹介です。
もちろん、たくさんのワンコの中にはアレルギーを含めていろいろな体質のワンコさんや、異なる成功例をお持ちの獣医師もいらっしゃると思います。
今回の方法が絶対でないことは当然なのですが、参考になれば幸いです。