荒野に叫ぶアイツの部屋

生き物絡みの仕事しながら空手やったり、漫画描いたり模型作ったり海の生物求めて津々浦々旅したりする男ばるぱんさーのブログ。

凄惨!!プラモコンテスト!!

2011-09-05 21:24:24 | 模型

数年前、世の無情を感じ、朝から車を走らせ何処か遠くへ行ってしまおうと思い、何も考えずに一心不乱に車を走らせたことがあった。

気がつくと全く知らない町の商店街に来ていた。

模型屋があったので入って見ると、ショーケースの中から常連客が作ったのであろうガンプラ達が出迎えてくれた。
まず目に飛び込んで来たのが白い部分をシルバー、青い部分をメタリックブルーで塗られたMGのFAZZ。
さながら先生と生徒達のように、その周りには同じく意地でもメタリック塗装された1/144旧キットνガンダム、HGフォースインパルス他、ガンダムタイプMSが並ぶ。
おそらく同じ人物が作ったのだろう。

悪いけど個人的にメタリック塗装はあまりな・・・

また、その店はガンプラコンテストの真っ最中で、数多く・・・でもないが力作・・・でもないMSが覇を競っていた。

まず14歳。中学二年生の作品。

「ジムコマンド3」
迷彩塗装を施されたHGUCジムコマンド。
なかなかにかっこいい・・・かと思ったらすぐに激しい違和感に襲われた。

両腕がガンダムエピオンで勿論、左手にヒートロッドを装備!!
ああん、もう!
普通に大人しく迷彩のジムコマンドにしてりゃあいいのに!!
コメント欄には・・・
「迷彩とそうはお父さんにやってもらった。」

自分でやらんかい!!


次は、42歳。会社員の作品。
「リアルタイプ・ドム」
荒削りではあるが丁寧にウェザリングが施されたHGUCドム・・・って、ちょっと待てよ!
左腕が切り落とされ、頭が半分吹っ飛び、どてっ腹に風穴が開いていながらもバズーカ持って仁王立ち。

コメント
「ガンプラを作るのは中学生以来で、妻に臭い(あんたが?)と言われながらも仕上げました。
最近のガンプラのクオリティにビックリしました。
妻は旅行代理店に勤めていて、息子は小学五年生で・・・」
あんたん家の家族構成なんかどうでもいいよ!!
なんだこのドム!!
どてっ腹に風穴空いてっけどパイロット、金玉一つ残さず即死してんだろこれ!?

ああ~!!もう!まともな作例はないのか!?

高校三年生。18歳の作品。
「ガンダムのきょうい」
なんとジオラマだ。
さっきの野郎の作品か、メタリック塗装のMGガンダムが、全身蜂の巣にされたばかりか全身なます斬りにされ、コクピットを抉られたドムを踏みにじっていて、手前にも恐るべき凌辱を受けたであろう黒い三連星旧ザクが無惨に横たわっている。

きっとハンダコテでバトルダメージやってたらなんか楽しくなって全身くまなくやっちゃったんだろう。

でもこれはいくらなんでも人としてやり過ぎだろう!?
全身蜂の巣にされ身動き取れなくなった旧ザク、ドムを容赦なく滅多切りにし、さらに命乞いをしているにも関わらずコクピットを焼いたようにしか見えない。
作った奴の異常さに「きょうい」を覚えたわ!

それに高校三年生なんだから「脅威」くらい漢字で書けよ!!

いや、もしかしたら胸囲なのかも。

ったくもう!!
この店にはマトモな作例はないのかと店内を見回す。
レジにいた爺さんと目があったが、ヒバゴンでも見たかのようにギョッとし、目を逸らされた。
よっぽど怖い顔してたのかな?俺・・・

それにしても、このプラモ達。
ちょっとガンダムに詳しい人から見たら存在を真っ向から否定されてしまうモノばかりだ。

でもこいつらはここにいる。
必死で、誰に何と言われようとこの場に立ち、生きている。

そうだ。
俺も負けてられるか!!
「頑張れよ♪ぱんさー!」
「俺達がついてるぜ!」
ショーケースの中から奴等が微笑みかけてきた(ような気がした)。

ありがとう・・・みんな。
涙が溢れて来たが堪え、発売されたばかりのHGUCブルーディステニー1号機をレジに持って行った・・・

店の爺さん、凄まじい形相したかと思ったら半泣きする俺をどう思っただろう?
あれから数年。
あの模型屋には全く行っていない。
もしかしたら幻だったのかも知れない。
きっとあのガンプラ達と店の爺さんは悪戯好きな妖精だったのかもな・・・







んなわけねえか。


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