飯岡の灯台の手前の山道をひたすら下る。
やがて道は一本道になり、民家も見えなくなる。
路肩で遊んでいた二匹の三毛猫が
「ここから先は獣しか入れないよ。ヒトは帰りな。」
とでも言っているかのようにこちらを一瞥する。
まさに獣道と言うべき真っ暗な細い坂道を下る。
ここを通るのは二度目だが、何か得体の知れない恐怖とも、好奇心とも言える感情が湧く。
着いたぞ!
パンク町田氏のアルティメットアニマルシティへ!
アルティメットアニマルシティは厳密に言えば動物園ではない。
海外から持ち込まれ、これから日本各地の動物園へ送られる動物達を一時的に飼育しておく施設で、土日のみ一般に公開されている。
最近、敷地内にラーメン屋が出来た。
以前から近所で話題になっていた背脂こってりラーメン、ゴルジだ。
砂利の上に椅子と机が並べられており、柵の中にエミュー(オーストラリアの国鳥。ダチョウの仲間)が二羽とアメリカンピットブルが一頭いる。
不死鳥らー麺、エンテロ丼(エンテロドン。4500~1800万年前に北半球に生息したイノシシの仲間でサイと同じくらいでかい。それくらい分厚いチャーシューが乗ってるのか?)等、奇想天外なメニューの中から取り敢えずrockyチャーシュー麺という物を頼む。
料理が出来るまでエミューやピットブルと遊ぶ。
当たり前だが、エミューはダチョウの仲間だけあり、鶏とは筋肉や骨格の作りが全く違う。
時折、ぐう。ぐう。と鳴く。
エミューとピットブルが見守る中、カエルの鳴き声と海鳴りを聞きながらrockyチャーシュー麺を食べる。
美味い!
時々、獣舎から得体の知れない生き物の鳴き声が聞こえる。
俺はこんなラーメン屋を探していたのかも知れない。
パンク町田氏のお姿はなく、お店の方に色々お話を伺った。
一時期はカバがいたが、現在はゴマフアザラシがいるとか。
また近いうちに来よっと。
数ある鯨類の中で一番カッコ良く、大好きなオキゴンドウ。
写真は太地くじら博物館で遊んだ生後10年ほどの若いオス。
しかし、シャチ、バンドウイルカ、シロイルカと比べると遥かに立体化の機会に恵まれておらず、これまでせいぜいぬいぐるみを見かけた程度だった。
そんな時、海洋造形作家の吉久真弘さんの原型製作によるオキゴンドウを発見!
早速、吉久さんに連絡を取り購入し、送って頂いた。
レジン製・塗装済み完成品。
オキゴンドウ独特のスラリとした体型、うっすらと透けた肋骨、腹側の模様も見事に再現されている。
吉久さんはこれまでに多くの海洋動物の模型を手掛けておられ、現在、オキゴンドウ他、シャチも数種類販売中。
ご興味のある方は是非ご覧ください。http://masahiroyoshihisa.net/index.html
やったね♪遂に俺も模型デビューだ!
今朝、新聞を開くとシカっぽい生き物をヒトが抱っこしてる写真が目に入り、「あ♪かわいい!」と思った。
が…
こいつはキョン。
中国原産のシカの仲間で、過去に動物園(行川アイランドか?)から脱走したものが繁殖し、現在、千葉県南部で生態系や農作物に深刻な被害を及ぼしており、将来的には絶滅させなければならないらしい。
……。
こういう問題を知る度に考え込んでしまう。
正直言ってかわいそうだ。
キョン達だって一生懸命生きて、子供を育てている。
悪い奴等ではないのだ。
だが、農家の人々や、その土地の生き物達がキョンに生活を脅かされている。
気の毒だが、キョン達には死んで貰うしかない…のか?
こういう問題が起こると、決まって農家の人々や駆除に当たる猟師を憎悪する輩が必ず現れる。
悪い奴等とは、こういう奴等だ。
ヒトの犠牲になって死んでいく生き物達は確かにかわいそうだ。
しかし、悲しみを憎悪に変えて人間社会を攻撃する輩は死んでいく生き物達に呪われて、醜く、おかしくなっていく。
前向きに生きよう。
一匹の生き物として日々、進化し発展する生き方を目指そう。
死んでいく者達が生きようと願った気持ちを未来に連れていってやろう。
10月14日開催の深海生物イベント「しんかい~深きものども~」に参加します!
スペースは 2-b です!
「しんかいコンチェルト」3部作を持って行く他、私、ばるぱんさーが津々浦々を旅して撮って来た生き物写真も展示!!
2006年。千葉県立中央博物館、「驚異の深海生物展」にて。
江ノ島水族館にて。
ギンザメ。
メンダコ。
ヌタウナギ。
深海魚を見て、触って、食べて、楽しむイベント「中高生のための深海展」 にて撮影。
東海大学海洋博物館。
さらに
和歌山県太地町。
千葉県和田町。
そして我が家の三本脚鶏も!!
今年の初夏、自分の誕生日&消防操法訓練無事終了記念として骨格標本の専門店CORE-BOXさんにてガンジスカワイルカの頭骨(複製)を購入!
ガンジスカワイルカはハクジラの中でもマッコウクジラの次に古い部類。頭骨も他のハクジラと比べると独特な形をしている。
左はラプラタカワイルカの頭骨。
マイルカ科、ネズミイルカ科、イッカク科と同様な形状のラプラタカワイルカと違い、ガンジスカワイルカの頭骨はメロン体を覆うように発達している。
初期のクジラはこんな頭骨してたのか?
それとも濁った川で暮らすガンジスカワイルカは目が退化しているため、エコロケーションが頼りなのでメロン体を保護するためにこのように進化したのか?
不勉強なのでよく解らんが、これから勉強してこっと。
ガンジスカワイルカ標本。「大哺乳類展-海のなかまたち」にて。
容赦無く暑い今日この頃。
鶏舎周辺の草刈り、鶏舎内の除糞を怠ると暑さと病気で鶏がバタバタ死ぬ。
先日も他の養鶏場では300羽もの鶏が死んだらしい。
確かにこの高温多湿で空気の淀んだ鶏舎に長時間いるとヒトも頭をやられる。
過去の過ちが次々と脳裏を過り、いつか決着を付けねばならない外道らが目に浮かぶ。
こんな状態になっても外に出て太陽の光と風を受け、深呼吸すると不思議と正気に戻る。
糞暑い中、ひたすらに草刈り。
フォークで一心不乱に鶏糞を取り、堆肥舎に起き、籾殻を混ぜ水分を飛ばす。
籾殻のストックが底をつき、鶏舎から少し離れた倉庫にダンプで取りに向かう。
全身から常に汗が噴き出す。
昨日は道場だった。
仕事中は「うおおお!行くぜ!」とか思ってたが、家に帰り、風呂に入り横になった途端、一斉に疲れが出てそのまま寝てしまった。
なんか悔しいが、たまにはいいか。
今日も朝から草刈り。
ここ数日の成果か、幸い鶏はたいした死ななかった。
・・・幸いか。
今日死んだこいつらも死にたくなかっただろうな。
そんなこと考えてたら液状の鶏糞に脚を取られ転倒!
全身、糞まみれに!
パンツにも染み込んだ。
報いなのか?
そうだよな。
苦しみ抜いて死んだのに「幸い」とかで片付けられちゃうんだもんな・・・
いいよ。
これが報いだと言うのなら受けてやろうじゃないか。
あ・・・
待てよ?
こんな糞まみれで、どうやって車に乗ろう?
いつもなら予備の作業着を車に積んどく筈が、今日に限ってたまたま積んでない・・・
これも報いか。
報いなんだな?
ならば俺も一匹の生き物としてこの報いを乗り越えてみせる。
鶏舎にはヒトは俺一人。 まず素っ裸になり、糞まみれの作業着はゴミ袋に詰める。
幸い携帯は無事だ。
鶏舎の中のホースで全身を洗う。
冷たい。
割りと綺麗な雑巾で体を拭く。
ここで新たな問題に気付いた。
着るものが無いのは仕方がない。
でも、どうやって車に乗り込もう?
鶏舎のすぐ外に車がある。
が、道路から丸見えだ。
どうする?
外は薄暗い。
今だ!
車に飛び乗る。
家に帰るまで人に見られる訳にはいかん。
極力、人通りの少ない裏道を通り、なんとか帰宅。
以前、デパートの警備をしていた頃、人気の無い立体駐車場を全裸で徘徊する男に遭遇したことがあった。
「変質者だ!!殺せ~っ!!」と追いかけたが逃げられた。
もしかしたら野郎も何らかの理由があって全裸だったのかも知れない。
明日は休みだ。
頭と体をゆっくり休めよう。
グロ注意!!でもできるだけ最後まで見て欲しい。
7月4日の朝3時15分頃に家を出る。
一心不乱に海岸沿いを突っ走る。
一時間程で九十九里に到着。ここからが長い。
九十九里のセブンイレブンで小便をし、眠気覚ましにコーヒーやガムを買う。
海が近いだけあり、この店では麦わら帽子や海パン、海水浴グッズが豊富だ。
更にひたすら車を飛ばし、一時間程で勝浦に入る。
夜も明けてきた。
夏の昼間は海水浴客でごった返すこの辺りも早朝は静かだ。
たまに新聞配達のおっさんや、近所の爺さんが犬と散歩しているくらい。
それにしても良い景色だ。
俺にとっては天使や妖精やスライムが跳び跳ねる異世界のように見えるこの場所も、地元の人々からすれば見飽きた光景なのだろうな。
道が空いてたため、家から二時間半程で鴨川シーワールドを通過。
子供の頃からこの辺に来ると胸がキュンキュンする。
更に車を飛ばし、遂に到着!
和田漁港!!
約一年ぶりだ。
6月20日から始まったツチクジラ猟。
しかし今年は海況が芳しくなく、3日にようやく初の水揚げがあり、この日7月4日朝7時から一頭目の解体が始まり、地元の小学生が見学に来る。
車から降り、昨年と同じくクジラが繋がれた岸壁へ向かう。
昨年の様子はこちら。
昨日の初猟でなんと二頭も捕れた。
岸壁では二頭のツチクジラが交差しながら波に揺られている。
どちらもでかい。
10メートルはあろうか。
見物人も増えてきた。
新聞社の方、俺と同じく別の地域から見物に来たらしい方々、地元の方。
地元の方からお話を伺ううちにが騒がしくなってきた。
解体さん二人がフォークに乗り、クジラを岸壁に繋ぐワイヤーを外しに来た。
解体さんのほとんどは釜石の人らしく、言い回しもこの辺とは違う。
ウインチで一頭目のクジラがへと引き揚げられていく。
今年一回目の作業だからか、何やら手こずっているらしく波打ち際でクジラが止まる。
波に揺られぐねぐねと揺れるクジラの頭。
「嫌だ。海に帰りたい。」
とでも言っているようだ。
ようやくに収まるツチクジラ。
ホースで水をかけ、洗い流したあと、仕事始めの儀式が始まった。
大包丁とツチクジラを酒で清め、解体さんたちも御神酒を呑む。
見学に来ていた現地の子供達や報道関係者達とに入る。
この一頭目のツチクジラは体長10メートル。
メス。
犬吠沖45キロの海域で捕殺。
解体の前にクジラに触る子供達。
解体が始まった。
解体さん達が物凄い手際の良さで捌いていく。
その様子を
「ぎゃあああああ!!」
「ひいいいいいい!!」
「あはははははは!!」
と、悲鳴を上げたり爆笑したりしながら見守る子供達。
ふと気がつくとの外に一人、川を挟んで向こう側の岸壁に一人、警官が目を光らせている、
シーシェパードやその類の者達を警戒しているのか?
昨年もそうだったが、今年もシーシェパードの姿はない。
「あらゆる捕鯨を阻止する」んだったよなあ?
言った事は守れよ大人なんだからさあ。
ま、来たら来たで海の藻屑にして殺るけどな。
一時間程でバラバラになるツチクジラ。
脛椎が外され、生首がずるりと移動される。
頭蓋骨と脛椎が繋がる部分。
勉強不足で何と言うのかわからんが、その部分を指差し、「あれがメロンかな?」と子供達。
「メロンはもっとこの辺だよ」と親切に答える解体さんも汗だくだ。
解体さんも神経使うだろうな。
分厚い脂肪を切り裂く大包丁だが、あんなのを降り降ろされたら痛いじゃ済まないだろう。
ツチクジラの生首を観察する。
メスだからか?昨年見たオスの個体と比べると吻が長く、全体的に尖った印象を受ける。
それに下顎の先の牙も無い。
どうでもいいが、どこかビグロやヴァルヴァロといったジオンのモビルアーマーを彷彿させる。
ちなみにこちらが昨年見たオス。
一頭目の解体が終わり、解体さん達も休憩に入る傍ら、二頭目が陸揚げされ、の少し手前で水産庁の方々が測定と雌雄の確認をする。
水産庁の方が隠裂に手を突っ込み、男根を引っ張り出す。オスだ。
やはり先程のメスの個体と比べると吻が短く、顔付きも丸い。
NHKの方が子供達にインタビューする。
もしかしたら俺も?
フッ、どんな角度で写ろうかと考えてたがガン無視された・・・
先生に引率され、外房捕鯨株式会社の方々に話を聞いて回る子供達。
「ぼくらはくじらたんけんたい」と書かれた用紙にせっせと何やら書き込んでいる。
この見学は恒例行事らしい。
とかく無機質になりがちな今、この見学に反対する親もいるかも知れない。
だが我々が日頃、深く考えずに口にしている肉だって何処かで生きていた。
顔があった筈だ。
この子供達はツチクジラに何を見ただろう?
いつかそのうち俺も親になったら、見せに来よう。
いつか・・・
いつかな・・・
安らかに眠れ。
ツチクジラ達よ・・・
お前たちを俺は忘れない。
お前達の肉を食べて生き残るぞ。
人間社会の大海原だって厳しい。
これでも生き物なのか?
どんな教育受ければそこまで酷い事が出来るのだと正気を疑うような奴等もいる。
だが、お前たちをはじめ、数々の生き物達から貰ったこの生命。
必ず未来に繋いでみせる。
世界各地の海で、命懸けで海と、そこに棲む生き物達と闘う人々を見下し、辱しめ、金儲けの材料にしてきたばかりか、日本が津波に遭ったのは鯨を殺した裁きだと笑ったシーシェパードの代表ポール・ワトソンが遂に逮捕された!!
しかも反捕鯨国のドイツでだ。
ざまあみろ!!
「俺を黙らせたければ逮捕してみろ」などと息巻いてたが、逮捕されたんだから一生黙ってろ。
心音も立てるな。
だが、世界には動物解放戦線、地球解放戦線等、優しさに偽装した悪意で人々を苦しめるエコテロリストが数多く存在する。
生き物の命を捕る仕事は、命を利用する仕事は辛い。
日々、仕事で鶏の世話をしているが、死んでいく鶏達を見ていると、どうしようもなく悲しいような、申し訳ないような感覚に押し潰されそうになる。
だからこそ鶏達のみならず、俺という一匹のヒトが生き残るために死んでいった全ての生き物達に恥ずかしくないよう、ヒトとして、生き物として全力で日々と闘う。
ワトソンの逮捕によりシーシェパードや他の団体に対して世間の人々が考え直して欲しい。
命を捕るってのがどういうことなのかをな。
スピッツ - 春の歌
嫌な冬が終わり、春が来た。
鶯の声に起こされる。
元気に飛び交う燕たち。
なんか難しい顔して田んぼの畦道をうろちょろする雉。
多くを語らないこいつらも、今日という日に辿り着くまで色々あったことだろう。
俺もまた、この数日で長らく抱えていた問題に良くも悪くも決着を着けることが出来た。
だが油断してはいけない。
いつまた新しい厄介事が現れないとも限らない。
頭と体を最善の状態に保っておかねば。
あ・・・33年生きて一度も深く考えたことなかったが、鶯って何者なんだ?
あいつら、春にホーホケキョと鳴くが、春以外の季節には何してんだ?
ちょっと調べてみた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%A4%E3%82%B9
なるほど。
鶯、実は一年中そこら辺にいて、繁殖期である初夏に備えて縄張りを作り、縄張りに入る者を威嚇するためホーホケキョと鳴いてたのか。
ホーホケキョなんて言われても全然恐くないけどな。
でも、鶯も、他の生き物達も生き残ろうと、子孫を残そうと真剣に頑張っている。
俺も色々と頑張るぞ。