朝起きて白鯨の風呂に入る。
二年四ヶ月前にこの脱衣場の体重計で計ってみたら82㎏。
今日、計ってみたら74㎏だった。
朝飯を食べ、宿を出て〆谷さんに送って頂く。
何から何まで本当にありがとうございます!
刃刺し像。昨年、「奴等」に折られてしまったが、今は修理が終わり、元通りの勇姿を見せてくれている。
ドルフィンリゾートのヤギとリクガメ。
紀伊勝浦に着き、電車の時間まで少し余裕があるので町をぶらつく。
「奴等」が拠点としていたホテル・シャルモント。
地元の方の話によると、「奴等」は毎度、部屋を容赦無く荒らして帰るため出入り禁止となり、仕方なく昨年度は別の宿を使っていたらしい。
なんかな…。
その程度の奴等なのか?
せめて最低限のヒトとしての常識というか礼儀みたいなものを持ち合わせている奴等であって欲しかった。
また今年も追い込み猟が始まったら奴等が来るのか?
なんか陰気で腹立たしい気持ちになったが、ふと近くの八百屋の店先に三毛猫が居るのに気付いた。
チビちゃんというらしく、チビちゃんの子供の頃の写真が店のあちこちに貼られていて、店の方に大切にされているのが解る。
そうだ。
生き物はヒトに元気をくれるものなんだ。
チビちゃんと遊んでいるうちに気持ちも晴れてきた。
電車ももうすぐ来る。
帰るか。
思えば、でかい宿題を提出しに来たかのような旅だった。
二年四ヶ月前に初めて太地に来た時、くじら慰霊碑を見て、くじら博物館で元気に生きてるイルカやゴンドウとふれあい、そして「奴等」と対峙し、アホな俺だが色々考えた。
震災や恩師の、友の死を経験し、養鶏場に就職し、日々、鶏達の生と死を見守り、自分で言うのもなんだが、外見も中身も大きく変われたと思う。
そうして出した答えを、町の人々に、イルカやゴンドウ達に採点してもらえたような気がする。
また、近いうちに来よう。
お世話になった皆さん、ありがとうございました!!