名残惜しいが今日で太地町ともお別れだ。
朝起きてすぐ風呂に入る。他に客もいなかったので泳ぎまくった。
朝日が山の上から顔を出す。
なんと勇壮な光景か。
しかし、ここに住む人々からすれば当たり前の光景なんだろうな。
俺から見ると天使や妖精やスライムが飛び回る異世界のような場所でも地元の人々はこの土地で怒りや苦しみと闘いながら、それでも幸せに生きているのだ。
また、太地とウチの近所は同じ苗字がやたらと多く、うっかりワープしてウチの近所に帰って来ちゃったのかと思った。
おそらくウチの近所の人々は先祖がこの辺の生まれなのだろう。
もしかしたら俺も?
そうか。
ここはある意味、近所だったからか。
朝食を頂き、8時過ぎに宿を発つ。
太地駅で電車を待つ。
ここからが長い。
紀伊勝浦から名古屋まで三時間半、名古屋から東京まで約一時間半、東京から地元まで一時間半。
夕方五時過ぎに帰宅。
俺より一足先に〆谷商店で買って送ってもらった鯨肉が家に届いていた。
昨日、散々イルカやゴンドウと熱い友情?を深めあったばかりなので、あいつらと同じモノの肉を見るのはなんか複雑な気分だ。
この肉になったイルカ達とも生きて出会っていれば心を通わせ合えただろうか?
いや、多分無理だったろう。
こいつらは野生。
ヒトに飼い慣らされたモノとは違い、こいつらにとってヒトは弱肉強食の世界で競い合う敵だったことだろう。
死んでいったクジラ達がこの世に遺した標本から様々な事を学んだ。
ヒトと共に生きるイルカ達と遊び、心を和ませた。
そして、ヒトとの弱肉強食の闘いに破れ去ったイルカ達の肉を食い、命を繋ぐ。
これから先、俺の人生もどうなるか解らん。
漫画とか模型とか面白いモノも沢山作りたいが、世間のためにやらなきゃいけないことも沢山ある。
仕事も探さなければならない。
新しい仕事が魑魅魍魎の跳梁跋扈する無間地獄かも知れない。
場合によっては結婚して親にならなければならないかも知れない。
ヒトの生も弱肉強食の大海原と同じなのだ。
イルカやクジラだけでなく様々な生き物達から安らぎと笑いをもらい、また命をもらい、これからも生き続けるぜ!!
ありがとう、太地町。
ありがとう、町の皆さん。
ありがとう、イルカ達。
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