荒野に叫ぶアイツの部屋

生き物絡みの仕事しながら空手やったり、漫画描いたり模型作ったり海の生物求めて津々浦々旅したりする男ばるぱんさーのブログ。

オガワコマッコウ(グロ注意!!)

2010-11-11 15:53:06 | 生き物
今朝、何気なく新聞を開くと・・

 10日午前10時ごろ、銚子市潮見町の銚子マリーナの砂浜に「生きたイルカが打ち上げられている」と市民から市水産課に連絡があった。イルカ・クジラウオッチングを主宰する「銚子海洋研究所」の宮内幸雄さん(53)らが駆けつけると、沖合に数頭がおり、波打ち際で1頭がもがいていた。

 宮内さんによると、コマッコウの成体で体長2・3メートル。海上でも目撃例が少ない種類という。近くの千葉科学大の学生らも加わって沖に帰そうとしたが、砂浜に戻って動けなくなり、約40人で水深のあるマリーナ船着き場に移動させた。しかし午後4時過ぎに死んだ。宮内さんは「昨日のしけで迷い込んだか、サメなどに追われて動きがとれなくなったのでは」と話した。11日に市が土に埋める。

こうしちゃおれん!
今すぐ銚子に飛ぶぞ!
車で20分。
だいたいこの辺かと言う場所にたどり着いたが、それらしいモノは見当たらない。

そうだ!クジラの事ならそのスジのプロに聞こう。
そう思い、銚子海洋研究所のイルカウォッチングの事務所に行って見た。
職員のお姉さんに聞くと、懇切丁寧に場所を教えてくれた。
車で数分、現場に到着。
浜辺にブルーシートが敷かれ、20人程の人々が赤黒い肉片を取り囲み、何やら作業をしている。
野次馬や一般の人の姿は無い。
研究員らしき方に、見学して良いか訊ねると、快く許可をもらえた。

既に解剖は進んでおり、頭、脂肪や肉を削ぎ落とされた胴体、各臓器が並べられていた。
出来ることなら原型を留めた状態を見たかった。無念・・
シートの隅に男根らしきモノが・・。
「オガワ、精巣」と書かれたビンが有ることからオガワコマッコウのオスだったのか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AC%E3%83%AF%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%A6
海洋学生らしき方々が手際よく背骨から肋骨を切り離し、肉片をシートのすぐ脇に掘られた穴に捨て、骨は白いバケツに入れていく。

その旁で腸の測定が行われており、測定が終わると一まとめにビニール袋に入れる。
暫く経って銚子海洋研究所の方々と看板犬のカイが。
http://www.choshi-iruka-watching.co.jp/
風上に居るときは気にならなかったが、風下に立つと血と潮の入り交じった匂いが襲う。
ちょっと気持ち悪くなったので少し離れてカイと遊ぶ。

そうこうしているウチに解剖も大詰め。
先生らしき方が刃物で頭の脂肪を切り落としていく。すると、メロン体と言うモノか、丸い固まりが見えて来た。

ハサミとメスで表面の組織を丁寧に削ぎおとし、中から小豆色の玉のような器官が出てきた。

海洋研究所の方々の話によると、この個体は精巣の発達からして若いオスだったらしい。
漂着した際、他にも数頭いたとか。

死因は不明だが、衰弱したこのクジラを友か家族が見守っていたのだろうか?
このクジラは最期に何を思っただろうか?

こうしてバラバラにしてしまう事は一見、残酷かもしれない。
しかし、ヒトも死んだら火葬される。これも当たり前になっているが冷静に考えると結構酷いことだ。
死んだクジラを解剖し、骨や臓器を調べることで様々な事が明らかになり、それがクジラを生かし、救うことに繋がるのだ。

解剖も終了。
サンプルを車に積み込み、肉片の入った穴を埋めていく。
さて、帰るか。
でも、事故らないよう気を付けて帰らないと今度は俺が司法解剖されちゃうかも知れん。

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2 コメント

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はじめまして (anokichi)
2011-01-22 20:43:33
松島のコマッコウの続報を探していたらたどり着きました
なかなか見れないものが見れてよかったです
ありがとうございました

Unknown (ばるぱんさー)
2011-01-24 19:12:15
anokichiさん、はじめまして。
お役に立てて何よりです。
このオガワコマッコウは気の毒でしたが、松島のコマッコウは今の所、続報がありませんが無事、助かって欲しいです。

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