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さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

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空洞を来たす疾患は?

2014年10月20日 | カンファレンス室
本日国際医学出版株式会社から大きい郵便物(封筒)が届きました。国際医学出版株式会社は「画像診断の手引き」という冊子を定期的に刊行してくれてる会社です。その「画像診断の手引き」にさいたま日赤のチェストカンファランス内容を誌上カンファランスとして時々載せていただいています。本年9月に5回目の収録があり、その校正依頼が今日届いたというわけです。出来上がった原稿をチェックしていたら「空洞を来たす疾患は?」という解説がありました。空洞を来たす疾患の一例として当日は重症肺結核の症例を勉強したのですが、胸部画像診断においてひとつ特異的な所見を探すと鑑別診断が容易になる、そのひとつが空洞形成ではないかと思います。空洞を来たす疾患を今回整理しておきましょう。
今度発行される「画像診断の手引き」にも引用されていますが、「Radiology Review Mannual」に空洞(cavity)を来たす疾患として[CAVITY]で整理せよと書いてあります。とても覚えやすいので、よく理解し、自分のものにしてしまいましょう。
(1)C:cancer(肺癌を含む悪性腫瘍)
(2)A:autoimmune disorder(自己免疫疾患など→Wegener肉芽腫(今のGPA)、リウマチ結節など)
(3)V:vascular spread(敗血症性塞栓など血行性感染)
(4)I:infection(結核、非結核性抗酸菌、アスペルギルスなどの真菌、細菌性の肺化膿症)
(5)T:traumatic(外傷→エーラス・ダンロス症候群など結合織病も)
(6)Y:young(肺分画症、CCAMなどの先天性疾患)
ということで、[CAVITY]で覚えておけば、空洞を来たす疾患はほとんど網羅出来るということです。
是非とも、胸部レントゲン、ボーっと見ているだけでなく、空洞があるかないかよく見てみては如何でしょうか?空洞を探すことにより自らの手で診断に近づけたらうれしいですよね。みなさん、頑張ってくださいね。

「CAVITY」のような覚えやすい有用なポイントがありましたら、また紹介させてくださいね。
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