先日肺癌治療の勉強会に行ってきました。近年肺癌治療の中心は細胞障害性抗癌剤から分子標的薬に移行している感がありましたが、今年は免疫療法に注目が集まっているようです。今年のASCOでも免疫療法のセッションにたくさんの聴衆が集まっていたと聞きました。それもそのはず、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体、抗PDL-1抗体)がセカンドラインの治療として今までのエビデンスになっている細胞障害性抗癌剤と比較して全生存期間を有意に延長したと報告されたからです。近年セカンドラインの治療のエビデンスが乏しかった現状において本当に朗報でした。自分が特に注目したのが、扁平上皮癌でも非扁平上皮癌でも有効性が証明できたことでした。非扁平上皮癌(腺癌)においては有効な薬剤がどんどん出ているなかで、ほとんど進歩していなかった扁平上皮癌において有効性が証明できたことは実臨床をしている自分らにとっては本当に朗報ではないかと思います。さらには今までのデータは非喫煙者と比較して喫煙者ではなかなか有効性が証明しづらかったのに、免疫療法においては喫煙者においても有効性が高いとのこと、これも実臨床においては興味があります。
免疫療法が実臨床で使用できるようになるのが今年度末くらいになるのでしょうか?今でも次の一手を探っている扁平上皮癌の患者さんがたくさんいます。是非ともその患者さんたちに早く使ってあげれる日を心待ちしている次第です。
これからも肺癌治療は急速に進歩する予感がします。肺癌の治療、今後はさらに複雑化してくるのではないでしょうか?呼吸器疾患をすべて対応することが使命とされているさいたま赤十字病院ではありますが、肺癌治療が遅れをとってしまってはもともこうもないです。きちんとした標準治療を行えるように、今後も一生懸命勉強して行こうと思います。
追伸。
先日我が家で大原櫻子さんのニューシングルCDを買いました。大原櫻子さんは今年全国高校サッカー大会のテーマ曲「瞳」を歌ったシンガーです。すごく声がきれいで、また「瞳」が歌詞がとてもよく、今でも時々聴いています。今回のCD「真夏の太陽」もとても夏らしいさわやかな歌ですので、是非とも聴いていただけたらと思います。ちなみにこのCDに入っている「Glorious morning」はフジテレビのめざまし土曜日のテーマ曲です。