さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

さいたま市近隣での呼吸器診療に興味のある、
若手医師、医学生の見学(平日)を歓迎します。ご連絡ください。

2月のチェストカンファレンスのお知らせ

2018年02月17日 | お知らせ

毎日寒い日々が続きますが、皆さんいかがでしょうか?本当にインフルエンザが流行しています。A型、B型の両型が流行しており、発症パターンも多彩ですね。A型は症状が重く、B方は軽くと以前教えてもらいその通りかと思っていましたが、今日はなんと発熱のないA型インフルエンザを経験しました。とにかく今の時期、「風邪っぽかったらインフルエンザを疑え」かと思います。自分たちの身を守りながら頑張って診療していきましょう。

ところで、今月2月のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を21日(水)に開催いたします。いつもと同様さいたま赤十字病院7階第3会議室にて午後7時より開始します。興味のある方々は奮ってご参加ください。勉強になる症例、ためになる症例をたくさん用意してお待ちしています。当日皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

 

追記。

平成16年5月に始めもうすぐ14年経とうとしているこのチェストカンファレンスを第1回目から講師として支えていただいていた元日本医大准教授、東邦大学大橋病院客員教授の佐藤雅史先生が1月31日にお亡くなりになりました。佐藤雅史先生のおかげで成長させてもらったチェストカンファレンスです。本当に残念でなりません。今月からは佐藤雅史先生のいないカンファレンスになりますが、今後も「佐藤雅史先生のチェストカンファレンス」としてずっと続けて行きたいと思います。佐藤雅史先生のコメントを常に想像しながら、このカンファレンスを進行していきたいと思います。是非とも皆様の力でこのカンファレンスを盛り上げていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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今年の局所麻酔下胸腔鏡

2018年02月12日 | カンファレンス室

当科では胸水貯留の原因検索目的に局所麻酔下胸腔鏡を行っており、2018年に入りすでに5件の局所麻酔下胸腔鏡を行って来ましたが、今年は今まで以上に胸腔鏡検査に苦労しています。5例中胸腔内をくまなく観察出来たのは1例のみで、残り4例は著明な血性胸水のため、残り3例はフィブリン析出が著明のため、胸腔内の詳細な評価が出来ませんでした。石綿暴露歴のある2例以外はどうにか臨床診断は可能かと思いますが、石綿暴露歴のある2例は良性石綿性胸水でいいのか、悪性胸膜中皮朱などの悪性腫瘍がないか否かが胸腔鏡検査の目的であったのですが、白黒はっきり出来るほど詳細な評価が出来ませんでした。確定診断のついていない2例においては今後も厳重に経過観察して行こうと思います。

フィブリン析出の著明な3例について、胸部CTでは難しいのですが、エコーを当ててみると、きれいなフィブリンネットワークを確認出来ています。フィブリンネットワークが著明であれば、局所麻酔下胸腔鏡の検査自体も相当難しいと判断せざるを得ないと思います。つまり胸腔鏡施行前には胸部CTのみでなく、超音波の評価も怠らず、検査当日容易に胸腔内の観察が出来るのか?全体の観察が難しいのか?をきちんと術前に評価しておくことが実臨床上必要であると思いました。

局所麻酔下胸腔鏡を施行する症例、是非とも超音波などで術前の評価をしておいてくださいね。よろしくお願いいたします。

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気管支鏡2017年

2018年02月12日 | カンファレンス室

2018年になり、あっという間に1カ月半が過ぎようとしています。毎年1月、2月は気管支鏡を含め検査はそれほど多くないのですが、今年はスタートがよく、100例弱の検査をしております。今年は去年よりも多くなるのでしょうか?

さて、2017年の当院の気管支鏡検査数を集計しました。

2017年は2016年より約260件多い727例に気管支鏡を行いました。

①生検施行例は419例です。そのうちガイドシースを用いた生検を419例、EBUS-TBNAによる生検を33例に行いました。残り127例は気管支生検またはびまん性は疾患に対するTBLBです。

②気管支肺胞洗浄(BAL)は171例に行いました。

呼吸器診療において気管支鏡が検査の中心であることは間違いないですが、それにしても検査数の増加が目立ちます。今年もそれを上回るような勢いで検査を行っています。診療においては早期診断、早期治療がベストであり、その早期診断のためにも今後も積極的に気管支鏡はじめとして検査をこなしていかなければいけないと考えています。今までと同様、それ以上に内視鏡部の看護師さん、透視室の放射線技師さんに協力いただき、呼吸器疾患の患者さんのために精進していきたいと思います。

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他科との連携

2018年02月11日 | カンファレンス室

昨日東京にて肺癌に関する研究会に行って来ました。

近年肺癌薬物治療と進歩が目覚ましいのですが、その新しい薬剤を使用するとき、効果予測のために腫瘍組織の再生検が必要になります。全員が肺癌ですから、初診時の組織学的検索はほとんどの症例で気管支鏡下生検にて診断が可能ですが、再発時の組織採取となると、原発巣の検索が容易ではありません。当然ながら原発巣は治療により縮小してしまっていることも多く、また原発巣が増大していても、前回の治療により線維化を来し、初診時のようには組織が採取できないことが多くなります。それでは、どのように再生検をするかというのがこの研究会のテーマです。

①原発巣については、CT、PETなど画像所見を詳細に検討しながら検査施行の是非について検討していきます。もし気管支鏡下生検をトライすることになったとしても、出血などの合併症の頻度が上がることから、ガイドシース使用下での生検が望ましいと思います。また、確実なる組織検体を採取することを考えると、CT下生検も有用ではないかとのことでした。(ただ、組織自体が線維化を起こしているという意味では、CT下生検においても初診時よりは若干テクニックを要するとのことでした)

②縦隔リンパ節腫大などがあれば、EBUS-TBNAにて組織採取は可能ですので、我々呼吸器内科医が行えると思います。

③肝転移については、エコー下生検にて組織採取は可能です。医療安全を考慮したら、消化器内科の先生に依頼した方が確実かと思います。

④副腎転移はいかがでしょうか?今回の研究会にてEUS(超音波内視鏡)にて組織採取が可能であるとのこと。左副腎については1センチ以上あれば相当の確率で診断がつくようです。右副腎については左ほど容易ではないようですが、トライしてみる価値はあるとのことでした。

⑤骨転移については、肋骨転移などは我々のエコー下生検にて安全に検索出来るかと思いますが、椎体の転移についてはどうでしょうか?IVRを専門にしている放射線科医ならば、CT下生検にて容易に組織採取が出来るようです。(もちろん検索部位などは整形外科医にアドバイスをいただくようですが)

⑥脳転移についてはさすがに実臨床では組織採取は難しいですね。

ということで、再生検するとなると、自分たちだけの力ではなく、消化器内科医、放射線科医、整形外科医など他科の医師とコラボして、組織採取をしていくことが重要であることが本当にわかりました。その研究会でも「他科の先生方と仲良くしていきましょう」という言葉でまとめていました。

幸運にもわがさいたま赤十字病院呼吸器内科は他の科との関係は非常に良好であり、今後今以上に他科の先生方と連携をとって、肺癌診療を行っていきたいと思います。もちろん自分たちが行っている気管支鏡、EBUS-TBNA、エコー下生検、局所麻酔下胸腔鏡などの技術向上は言うまでもないですが。これからも精進していきたいと思います。

 

追伸。

今年の冬は本当に寒いですね。北陸、北海道など行くが大変のようです。2月は北海道では雪まつりの時期ですね。我が家も子供が小さいころはさっぽり雪まつりだけでなく、層雲峡、阿寒湖などの雪まつりによく行きました。層雲峡の氷瀑祭りの帰りに旭山動物園にも足を運んだこともありました。なつかしく思います。また、余裕が出来たら行ってみたいと思います。北海道の寒さに耐えられるかだけはちょっと不安ですが。

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