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さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

さいたま市近隣での呼吸器診療に興味のある、
若手医師、医学生の見学(平日)を歓迎します。ご連絡ください。

今年度ももう終わりですね。

2023年03月26日 | 日記

2022年度もあと1週間で終わります。我々医療業界も年度末に異動することが多く、現場は意外とガタガタしていることかと思います。幸運にも新型コロナウイルス感染症が収まっており、季節的にも人間の体にとっていいのでしょうか、入院患者さんも落ち着いているようですし、このままスムーズに引き継ぎなど出来ればと思っています。当科も4名が退職、異動をするということで、今週は色々な意味で忙しい勤務になるかと思いますが、頑張って乗り切って行こうと思います。

普段仕事をしているとあまり考える余裕がないのですが、さいたま赤十字病院を去って行く4人の先生方には本当に一生懸命頑張って仕事をしてくれたと実感し、本当に感謝しています。個々の人間で色々な生き方があるかと思います。それぞれの道を自分のペースで歩んで欲しいと思いますが、どの世界に行っても呼吸器内科医であることは忘れないで欲しいと思いますし、呼吸器内科医としてのプライドを持ち続けて欲しいと思います。そして、どんな形であれ、呼吸器内科医としての仲間意識を持ち続け、今後もつながっていけたらと思います。今後も末永くお付き合いください。

そして4月から新年度を迎え、新しい仲間が加わります。新しい仲間の先生方にも早く慣れていただき、さいたま市の呼吸機地域医療のために努力を惜しまず頑張っていただけたらと思います。期待しています。

近年新しい研修医制度になり、研修医の先生方の他施設へのたすきがけ研修が盛んになり、当院においても当院の後期研修医以外の先生方と勉強する機会が増えました。今後も増えてくることでしょうか?色々な先生方と勉強出来ることは我々にとって本当に楽しいことですし、そして勉強になると思います。全国で不足している呼吸器内科医が今後も仲間意識を持ち、色々なところで結びついて行って欲しいと思います。是非とも今後の呼吸器診療の発展のためにさいたま赤十字病院からさいたま市、埼玉県、さらには関東地方とどんどん仲間の輪を広げて行けたらと思います。

仕事を含め現在の生活のなかで、いいこと悪いことの繰り返しで、もしかしたら悪いこと、嫌なことの方が多い世の中のような気がします。「この世の中は運が7割、努力が3割」という人もいるくらい、なかなか自分の努力のみではうまくいかないことが多い世の中かと思いますが、その7割の運をつかむのも努力が大事と言うことも事実かと思いますので、自分も含めてみんなで少しずつ努力をしていければと思います。「みんなで頑張れば怖くない」是非とも来年度もよろしく御願い致します。

桜の一番見頃の今週末が雨で台無しになってしまいました。残念ですが、来年に期待です。3月21日に大面講演の桜を見てきました。7分咲きでしたが、十分にきれいでした。心が洗われました。

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ラジオ番組の収録に行ってきました。

2022年11月20日 | 日記

ふとしたことから11月19日にラジオ番組の収録に行ってきました。

TBSラジオで毎週月曜日の午後5時50分から6時までの10分間放送している「腸に始まる健康ライフ」という番組です。呼吸器内科医がなぜ腸に関する番組に出るのか不思議な気持ですが、色々な経緯の中出演が決まりました。初めてのラジオ出演で緊張しまくり、きちんとした内容を話すことも出来ず恥ずかしい限りですが、瀬尾様をはじめTBSラジオのスタッフの方々、司会進行の中澤有美子アナウンサー、ミヤリサン製薬の金澤様をはじめとしたスタッフの方々の多大なるサポートのもと無事に収録が終わりました。本当に感謝しています。

放送は12月4回の月曜日、午後5時50分から6時です。

本当に一夜漬けの準備で恥ずかしい限りなのですが、勉強してみると、呼吸器内科医にとって消化器が重要であることが本当によくわかりました。やはり我々の診療は専門領域以外にもきちんと目を向けなければいけないことを実感させてもらった感じです。呼吸器内科医であると同時に総合診療の出来る内科医でいなければいけないと再認識しました。また頑張って勉強していこうと思います。

 

追伸。コロナ増えてきました。12月のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)出来るといいのですが・・

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日本画像医学会に参加してきました。

2019年03月10日 | 日記

3月8日から9日の2日間にわたり東京にて第38回日本画像医学会が開催されました。日本画像医学会は放射線科と臨床医学科とがコラボして企画されており、放射線科と臨床医学科で学会長を交互に出すという独特な学会です。今回の第38回は私の恩師である自治医科大学さいたま医療センター放射線科の田中修教授が学会長を務められました。その田中教授より2週前に声をかけられ、急遽参加させていただくことになりました。当然ながら呼吸器領域もとても充実したシンポジウムが企画され、とても勉強になりましたが、その企画の大半を私の尊敬する先輩である神奈川県立循環器呼吸器病センターの小倉高志先生がなされたことと思います。その小倉先生が専門にしている間質性肺炎のCRPT症例検討会は自分たちが普段若干苦手にしている領域でもあり、今回のシンポジウムもとても勉強になりました。

そのなかでひとつとても勉強になった(というか知らなかった)ことがありました。それは、「広義間質病変」と言われている小葉間隔壁肥厚、気管支血管束肥厚の意味(原因)についてです。

日常臨床ではびまん性陰影を症例を多々経験しますし、その画像所見に対してどのように鑑別するかとひとつのヒントとして、HRCTにおける小葉間隔壁肥厚、気管支血管束肥厚などいわゆる広義間質病変とされる陰影に注目することかと思います。HRCT所見から広義間質病変を思わせる陰影を探すと、「広義間質病変を来す疾患は?」というクエスチョンになり、ズラッと鑑別疾患を挙げるわけです。このブログにも書いたことがあるかと思いますが、①サルコイドーシス、②悪性リンパ腫を含めたリンパ増殖性疾患、③IgG4関連疾患、④MCD、⑤肺胞出血(ヘモシデローシス)、⑥アミロイドーシス、⑦間質性肺炎ならば薬剤性肺炎、⑧Erdheim-chester病‥とある程度鑑別疾患を絞ることが可能になるわけです。⑦にも挙げましたが、間質性肺炎を考えうる陰影の症例で小葉間隔壁肥厚、気管支血管束肥厚などいわゆる広義間質病変を認めたら、特発性肺線維症などは可能性が低く、薬剤性肺炎など二次性間質性肺炎をより疑うものと認識していました。ところが今回のシンポジウムで特発性肺線維症などの小葉辺縁性線維化を来す疾患でも進行すると小葉間隔壁肥厚、気管支血管束肥厚を来すということを病理学的検討を合わせて教えていただきました。

確かに考えてみると広義間質領域に接して肺胞は存在し、そこに胞隔炎(線維化)を来せば肺胞の虚脱により広義間質領域があたかも厚く(目立つように)なっても不思議ではないですよね。そのことをあまり認識せずに日常診療をしていたことを本当に恥ずかしく思います。

いわゆる「広義間質病変」と言われる陰影を見たら、安直に広義間質病変のみを鑑別しないで小葉辺縁性分布を来す間質性肺炎にも是非とも注目していただきたいと思いました。

今後も呼吸器画像診断、一生懸命勉強していこうと思います。

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現在多数の呼吸器疾患患者さんが入院しています。

2019年01月20日 | 日記

 毎日寒い日々が続きますね。冬になると呼吸器疾患、循環器疾患が増え、病棟をにぎわせます。今年も例外ではなく、たくさんの呼吸器疾患症例が当院に入院しています。先週末78名の呼吸器疾患症例がさいたま赤十字病院に入院していました。さいたま赤十字病院呼吸器内科は通常55床にて診療していますので、20人以上オーバーして診療していることになります。入院患者さんが増えると周りの方から「冬になると高齢者の肺炎が増えるから大変ですね。」と言われることが多いのですが、本当にそうなのでしょうか?高齢者の肺炎が増え、抗菌薬など治療には反応するも嚥下機能が低下し、ADLが低下し、在院日数が伸びるため、ベッド回転が悪くなる?そのあたりについてちょっと調べてみたくなりました。

本日は日曜日であり、退院患者さんがたくさん出ている日なのですが、それでもまだ70名の入院患者さんがいました。(明日よりたくさんの予約入院が入ってくるので、また入院患者さんが増えてしまい、とても恐ろしいです。)では、その中で高齢者肺炎は何人いるのでしょうか?なんとCAP、NHCAP合わせても6名しかいませんでした。当院の呼吸器疾患症例のベッドオーバー、高齢者の肺炎が原因ではないのです。では、どのような症例が入院しているのでしょうか?当然ながら肺癌症例は32人と多く入院していますが、それ以外は間質性肺疾患(間質性肺炎の急性増悪、慢性増悪含め)が16人、COPD急性増悪が5人、その他は慢性肺アスペルギルス症、気管支喘息発作、胸腺癌、肺非結核性抗酸菌症、好酸球性肺炎、肺癌以外の癌性胸膜炎、陳旧性肺結核によるⅡ型呼吸不全、肺胞蛋白症など本当にバラエティーに富んだ疾患患者さんが入院していることがわかりました。つまり我々さいたま赤十字病院呼吸器内科のスタッフみんなは普段の診療を通じてメジャーな呼吸器疾患のすべてを勉強することが出来るというわけです。本当の意味での呼吸器研修病院として最適の施設ではないかと思いました。

各施設に呼吸器内科医が決して多くはいないという現実の中、一人ないし二人の呼吸器内科医で呼吸器器診療をしている友人に聞いてみると、通常より当然ながら入院患者さんが増えて大変とは言うのですが、その症例のほとんどが世間で言う高齢者肺炎ばかりのようです。ある意味ワンパターンの診療になってしまうようです。それに引き換え、当院では確かに入院患者さんがすごく多いのは間違いないですが、呼吸器内科医として勉強すべき多彩な呼吸器疾患を診療することが出来ているのです。自分たちの理想としている呼吸器診療が出来ているわけですから、本当に幸せと感じなけれないけないですね。

我々は呼吸器内科グループとして可能な限りたくさんの呼吸器患者さんを診療することにより社会貢献しなければいけないのは間違いないですが、その社会貢献を通じてたくさんの勉強するチャンスを与えてもらっているわけですから、是非ともこの環境を無駄にしないで、頑張って行きたいと思います。

また、明日よりさいたま市およびその周辺地域の呼吸器疾患患者さんのためにベストを尽くしますね。(院長先生に怒られるまでは仕事し続けます!)

先日の成人式の日にさいたま新都心駅にコバトンが来ていました。

 

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石綿健康対策講習会に行ってきました。

2015年12月20日 | 日記

 先日さいたま市別所沼会館にて行われた平成27年度石綿健康対策講習会に出席してきました。石綿による健康被害に苦しんでいる方々に対して、平成18年3月「石綿による健康被害の救済に関する法律」が施行され、現在労災補償対象者以外の方々も救済出来るようになりました。この講習会では、「石綿関連疾患について」、「石綿に係る労災認定および労災補償について」、「石綿健康救済制度について」の3つの講義を聴いて来ました。埼玉県においては石綿を扱っていた工場が多数あったようで、悪性胸膜中皮腫による死亡者数が全国第五位とのことです。また、さいたま赤十字病院の近くに以前石綿を扱っていた旧日本エタニットパイプ大宮工場があったということを初めて知りました。石綿暴露のチャンスが多かった埼玉県そしてさいたま市、今後も悪性胸膜中皮腫発症に注意しながら診療していけなければいけないですね。

 労災以外の患者さんの救済に対して環境再生保全機構(ERCA)が中心になり対応していますが、ERCAの方の講義で驚いたのが石綿健康被害に対する申請書類を主治医がなかなか作成してくれないという事実があることでした。石綿にて苦しんでいる患者さんに対して「診療で忙しいから」などの理由で申請書類を書かない主治医がいるということ、本当に憤りを感じます。病で苦しんでいる患者さんに対して手を差し伸べるのが医師の使命ですから、今後はそのようなことがないように願っています。

 講義のなかで気になったのは、申請から認定まで最短でも3ヶ月かかるということです。症例によっては1年以上かかっていることもあるのではないでしょうか?悪性胸膜中皮腫の患者さんなど経過の芳しくないことも多く、患者さん救済のための制度なのに、患者さんを救済出来ていないことが多々あるのではないかと危惧します。ERCAの方々には是非ともフットワークのいい対応をしていただけたらと思います。以前自分の症例で、申請書類を出した数ヵ月後(忘れた頃)に「書類に不備があった」とか「新たに画像、検査結果、病理標本を提出してほしい」などと連絡をいただいたことがありました。1日でも早く認定してあげたいと言う気持ちで是非とも対応していただけたらと思います。

 我々呼吸器内科医としては、悪性胸膜中皮腫はじめ石綿関連疾患に対して早期診断に努め、早期治療を検討しながら、早急に申請書類を作成するよう努力しなければいけないと思います。今後もスタッフ一同努力して行こうと思います。

 

東京大学駒場校舎です。門構えがとてもゆったりとしていて、伝統の大きさを感じます。構内には外部の方も食べれるおいしいレストランがあるようです。

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