空洞陰影(空洞性腫瘤、結節)においては良悪性の判別が日常診療では重要とされています。実際良悪性の判別に難渋することもあるかと思います。文献的にはどのように言われているのでしょうか?色々調べてみたのですが、最近の報告はほとんどなく、古い文献になってしまいます。
文献的には最大空洞壁厚を測定し、①1mm以下はずべて良性、②4mm以下は92%が良性、③5~15mmは良性、悪性は各50%、④15mm以上は92%が悪性としていました。では、実臨床で評価してみると、4mm以下の肺癌、15mm以上の肺化膿症の症例を経験します。また、ほとんどの症例が5~15mmの症例でどちらとも言えないという厚さです。実を言うと空洞陰影の良悪性は判別が難しいと認識しておいた方が無難なのではないでしょうか?画像的には他の副所見の評価、臨床的、細菌学的、病理学的検討を加えながら診断していくスタンスを持っていくことが必要なのではないかと思います。では、実際空洞を伴う肺癌って多いでしょうか?一生懸命探さないと見つからないような気がします。もしかしたら肺癌の空洞はそれほど多くないのでは?そのあたり今後症例を見ながら検討できたらと思います。
ここでもう一度空洞を来たす疾患(CAVITYで覚えよ)も復習してみてくださいね。