皆さま、ゴールデンウイークは如何お過ごしでしょうか?休みが多いというのは身も心もリフレッシュ出来て良いことかと思いますが、医療現場においては完全にお休みすることも出来ず、診療をしている先生方も多いかと思います。昨日4月28日に病院に顔を出してみると、呼吸器内科の緊急入院がすでに6人いました。まだ連休2日目なのに!本当にビックリしますね。先生方も同じように格闘されているのではないかと思います。そのような忙しい中でも是非ともリフレッシュしていただけたらと思います。
話は変わりますが、さいたま赤十字病院5月のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせです。いつもは第3水曜日に開催しているのですが、5月は第2水曜日の5月8日に開催する予定です。開催日を間違いないでいただけたらと思います。場所、開始時刻などはいつもと同様午後7時よりさいたま赤十字病院7階第3会議室にて行います。基本的な疾患から興味深い疾患、まれな疾患などバラエティーに富んだ症例を用意していますので、是非ご出席いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
平成も残すところわずかです。令和になっても一緒に楽しく勉強しましょうね。
追伸。先週東京に某呼吸器勉強会に行ってきました。担当施設から出される症例について鑑別診断含め勉強をする会です。最近勉強不足でなかなか診断名を挙げることが出来ず、参加の足がやや遠のいていきそうなのですが、自分の勉強になることを信じて頑張って参加しています。今回の症例は日常臨床よく遭遇する粟粒結核、転移性肺腫瘍(膵臓癌の転移)でした。普段よく見る疾患も個々の症例では意外と診断に苦労しているということを表しているのだと思います。粟粒結核については、肺病変自体は粟粒結核に典型的なランダム分布の微細粒状影がなく難しい症例かとは思いましたが、その数か月前に腋窩リンパ節、縦隔リンパ節腫大を認めていました。高齢者、腎不全など全身状態不良ということで、精査をしなかったという経過がありました。リンパ節腫大の段階で自分自身結核症とは思っていなかったのですが、自分がもし主治医であるならば、リンパ節腫大の鑑別診断をきちんとしなけばいけないと思いますし、腋窩リンパ節生検は決して高齢者でも侵襲性の低い検査ではなかったかと思います。臨床医たるもの、まずは普段から以下に診断するか?diagnostic prodedureをきちんと決定しないといけなかったと思いました。膵臓癌による転移性肺腫瘍の症例は基礎にCOPDがありましたが、右下葉主体に浸潤影があり、両側肺に粒状影、結節影を認め、その一部が空洞化していました。右下葉主体の浸潤影は「治らない肺炎」という概念からは肺癌などの悪性腫瘍は十分に考えないといけないかと思っていましたが、ランダム分布に見えた粒状影、結節影が一元的に説明がつきませんでした。粘液産生肺癌ならば、経気道的に広がる転移になると思ったからです。今回の症例のように膵臓癌でしたら、血行性に転移(ランダム分布の粒状影、結節影)したあと、肺胞置換性に(lepidic spread)広がって行けば右下葉主体の浸潤影も説明可能かと思いました。肺炎様陰影を呈する悪性腫瘍は多々ありますが、すべて経気道的な広がりで説明可能ならば肺癌を、経気道的広がり、血行性分布の両者が混在するならば転移性腫瘍を考えておくと少し道が開かれていくのではないでしょうか?次回以降も頑張って参加しようと思います。