一気に暑くなってきました。あっという間に夏になってしまう勢いですね。これからは熱中症にも注意しなければいけませんね。体調管理の難しい今日この頃ですが、健康に注意しながら頑張っていただけたらと思います。
さて、今週末の5月11日(土)に第259回日本呼吸器学会関東地方会が開催されます。今回は獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器内科教授の福島康次先生が学会長をなされます。同じ埼玉県ということで当院も少しでも学会が盛り上がるように頑張りたいと思いますし、たくさん勉強しようと思います。
当日はふたつのセミナー(クライオ生検のセミナー、肺胞蛋白症における抗GM-CSF吸入療法)において当院のスタッフが座長をさせていただきます。より実りあるセミナーになるように準備しておくつもりです。
また、一般演題として当院からは3演題を出させていただきます。
①GPAの症例で、初診時と再発時で臨床症状、画像所見、さらには病理所見も異なっていたということで、貴重な症例報告と考えました。
②潰瘍性大腸炎に合併した間質性肺炎の症例です。潰瘍性大腸炎を含め炎症性腸疾患の呼吸器合併症として気管支、細気管支などの気道病変が有名ですが、次に器質化肺炎、まればがら間質性肺炎の報告があります。器質化肺炎においては薬剤性の器質化肺炎がほとんどですから、間質性肺炎を合併するのは珍しいかと思います。本例においてはクライオ生検も行っておりますので、色々ご意見をいただけたらと思います。
③空洞形成を来したサルコイドーシスの症例です。サルコイドーシスで空洞形成をするのは珍しいとされていますが、画像所見として薄壁空洞や多発斑状影内に空洞形成を来すことが多いかと思いますが、今回の症例は塊状影の内部に空洞形成を来しました。画像上は壊死性空洞のように見え、サルコイドーシスは非乾酪姓肉芽腫なのに?と首をかしげたくなります。通常は真菌、抗酸菌などの感染併発時に空洞を来しますが、今回の検索上はそのような証拠はありません。長期にわたっての無治療経過観察なので、ステロイドなどの免疫抑制治療は一切入っていません。文献的もなかなか同じような症例報告がないので、是非とも会場に先生方にご意見をいただけたらと思います。
地方会は普段経験出来ないような症例をいかにも自分が診断したかのような臨場感を持ちながら勉強出来ます。明日からの呼吸器診療に絶対につながりますので、是非ともたくさんの先生方に勉強していただけたら幸いです。