さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

さいたま市近隣での呼吸器診療に興味のある、
若手医師、医学生の見学(平日)を歓迎します。ご連絡ください。

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年12月18日 | お知らせ

一気に寒くなりました。インフルエンザのみでなく、COVID-19も増えてきているようです。是非とも感染対策(標準予防策)の徹底をしながら健康管理に注意していただけたらと思います。

今年最後のチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を開催したいと思います。

12月20日(水)(通常開催の第3水曜日です)の午後7時よりさいたま赤十字病院7階第3会議室で開催します。興味のある方々は奮ってご参加ください。年末大変お忙しいこととは思いますが、少しでも勉強になる症例を集めておこうと思います。よろしく御願い致します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイコバクテリウム・カンサシ症

2023年11月12日 | カンファレンス室

先日60歳代の女性が慢性咳嗽にて受診しました。

胸部画像を施行すると、右中葉に気管支拡張を伴う容積減少、他肺葉に粒状影、班状影を認め、慢性感染症特に肺MAC症を疑いたくなる画像所見でした。

 

喀痰検査をすると抗酸菌培養陽性になり、質量分析をするとなんとM. kansasiiと同定されました。2回目の喀痰でもM. kansasiiが検出され、本例はマイコバクテリウム・カンサシ症と診断されました。血液検査にてMAC抗体は陰性でした。

マイコバクテリウム・カンサシ症の臨床像としては男性に多く、以前は都会に多く、胸部画像所見としては結核症に似た空洞を伴う慢性炎症所見で結核と比較すると空洞壁が薄いと自分自身認識していたので、このような症例を見たときにとても驚きました。

ただ、過去の報告を調べてみると、女性のマイコバクテリウム・カンサシ症においては今回の症例のようなNB型の画像所見を呈する報告があるのですね。症例の中にはMACとの混合感染の症例もありますが、単独感染症例もあるようです。やはり感染症においては画像所見のみで決めつけてしまうのはだめだということを認識させていただきました。マイコバクテリウム・カンサシ症においては肺NTM症のなかにおいては完治出来る疾患として知られていますが、本例はどうなのでしょうか?もしかしたらMAC症のように今後の経過では右中葉切除など感染のフォーカスになる部位の外科的治療も検討しないといけないのでしょうか?今後も厳重にフォローアップしていこうと思います。

また、最近肺NTM症の症例で長期にわたって経過観察をしていた症例がなんと肺結核症を合併してきました。何の根拠もないですが、今まで肺結核症の経過観察中に肺NTM症が併発することは有名で、逆に肺NTM症の経過観察中に肺結核を併発することは全く経験がなく、肺NTM症症例の抗酸菌培養にM. abscessusなどの他の非結核性抗酸菌症が併発することはあれ、結核が併発するなんて全く想定していませんでした。臨床医学、過去の経験則のみで判断してしまうと墓穴を掘ってしまう危険性があることを改めて認識しました。

抗酸菌症の領域、臨床上とても面白いですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年11月12日 | お知らせ

一気に寒くなってきました。体調を崩しやすくなる季節ですね。COVID-19は大分収まっているようですが、インフルエンザが猛威を振るっています。今後も常に感染対策を取りながら生活するしかないですね。健康管理にも注意していただけたらと思います。

毎月恒例のさいたま赤十字病院チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を今月11月も開催予定です。お忙しいことと思いますが、興味のある方々は奮ってご参加ください。よろしく御願い致します。

 

日時:11月15日(水) 午後7時より9時まで

場所:さいたま赤十字病院7階第3会議室

皆様と一緒により勉強になる症例を用意しておきますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年10月15日 | お知らせ

最近一気に秋めいてきました。猛暑のあとの秋到来ということで一気に寒くなった体感があるのは自分だけではないように思います。今後一気に冬になるような予感があります。是非とも体調管理に注意していただけたらと思います。現在インフルエンザが猛威を奮っています。COVID-19症例はやや減った感がありますが、それでも時々緊急入院があります。コロナ渦後3年半を経過しましたが、今後も常に感染症に対する標準予防策の徹底は必要と言うことかもしれません。我々医療受持者は世間に対して見本を見せていかないといけないですね。

今月10月も通常通りチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を開催したいと思います。先月は第2水曜日に開催しましたが、今月は通常通り第3水曜日の10月18日(水)です。午後7時よりさいたま赤十字病院7階第3会議室で行います。興味のある方々は奮ってご参加ください。今回も少しでも勉強になる症例を用意したいと思います。よろしく御願い致します。

 

追伸。先月のカンファレンスで毎年恒例の「明解画像診断の手引き」の収録を行い、現在編集中です。完成した際にはアナウンスさせていただきますね。当カンファレンスのコンセプトである「コモンな呼吸器疾患の画像診断」の勉強会ということで、収録しました。もしかすると毎回同じような症例で同じような内容になっている可能性もあるのかとは思いますが、やはり大事なことはいつになっても重要なことなのかと痛感しています。是非ともこのカンファレンスで胸部画像診断の基本を学んでいただけたらと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年09月03日 | お知らせ

毎日暑い日々が続きますが、皆様お元気していますか?新型コロナウイルス感染症も増加傾向で(家庭、職場、施設などクラスターが増えています)、学校、幼稚園など2学期が始まり、さらなる増加が懸念されます。我々の業界も医局の暑気払い、研究会の懇親会など交流する場面が増え、新型コロナウイルス感染症の増加が想定されます。是非とも感染対策を十分行いながらの対応をお願い出来たらと思います。(自分は懇親会など参加する気持ちがいまだに遠のいてしまっています)

話は変わりますが、2カ月ぶりにさいたま赤十字病院チェストカンファレンスを開催したいと思います。今回は毎年発刊されています「明解画像診断の手引き」の収録を兼ねています。今までと同様呼吸器感染症をコモンなものからやや珍しい症例を中心に勉強していきたいと思います。興味のある方々は奮ってご参加ください。一緒に勉強しましょう。よろしくお願いいたします。たくさん発言していただくと冊子にお名前が載りますので、全国区になれますよ。

日時は9月13日(水)(今回は第2水曜日に変更になっています)の午後7時からです。いつもと同じさいたま赤十字病院7階第3会議室にて行います。

 

追伸。

昨日日本呼吸器学会関東地方会に行ってきました。午前中勤務のため午後から参加したのですが、毎度のことですがハイブリッドのためか会場での参加がとても少なく盛り上がりに欠けるように思いました。この学会形式は今後も続くのかもしれませんが、せめて発表者と座長は会場に来たもらいたいと思いました。会場に人が少ないからだと思いますが、質問が活発でなく(自分も1回も質問しなかったですが)、盛り上がりに欠けてしまいますね。学生、研修医のセッションもありますが、どんど質問をしてあげないと発表者の満足が得られないのではないでしょうか?以前日本循環器学会関東甲信越地方会の学生セッションを聴講したことがありますが、矢継ぎ早に質問が飛び、とても盛り上がっていたのを記憶しています。是非とも呼吸器学会の会員みんなで地方会を盛り上げていければと思います。あとはセミナーがずいぶん多いという印象でした。メーカー共催なので内容的にはやや偏りを感じます。ずっと座って耳学問は意外ときついものですね。

症例発表の中で、慢性好酸球性肺炎の治療中(ステロイド2㎎に減量後)のEGPAが発症した症例にとても興味を持ちました。慢性好酸球性肺炎はステロイド減量に伴い再発率の高い疾患という認識がありますが、実臨床では好酸球性肺炎再発のみでなく、気道病変(気管支喘息)のコントロールがつきづらく、少量ステロイドを継続せざるを得ない症例もあるように思いますが、今回の発表のようにEGPAの発症にも注意しなければいけないとメッセージをいただいたと思います。今回当院からもEGPAの症例を発表させていただきました。肺胞出血を伴ったEGPAの発表でしたが、以前EGPAの症例でCT上淡い小葉中心性粒状影が広がり、血痰なく貧血なくもBALにてやや血性であったため、VATSを施行し毛細血管炎が証明できた1例を経験したことがありました。EGPAは色々な臨床像があり、今後もたくさんの症例を経験し、みんなで情報共有していきたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年07月12日 | お知らせ

毎日本当に暑い日々が続きますね。患者さんのみでなく、我々医療従事者も体調を崩してしまいそうですね。是非とも体調管理に努めてくださいね。休まざるを得ない体調の一歩手前くらいでお仕事をしていただけたらと思います。

ところで、さいたま赤十字病院チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)ですが、今月7月も予定通りに行えそうです。お忙しいことと思いますが、興味のある方々は奮ってご参加ください。よろしく御願い致します。

日時 7月19日(水) 午後7時より

場所 さいたま赤十字病院 7階第3会議室

カンファレンスまであと1週間ありますので、勉強になる症例をこれから集めようと思います。

 

地下鉄千代田線赤坂駅を降りたら自分が欠かさず見たり来ている番組の宣伝をしていました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺癌診断における遺伝子検査

2023年07月02日 | カンファレンス室

2023年6月29日、30日の2日間にわたって第46回日本呼吸器内胸学会学術集会が横浜で開催されました。自分は6月29日の午後のみの参加になってしまいましたが、今後オンデマンドにて聴講したいと思います。今回の学術集会においても肺癌の治療に最も重要とされている遺伝子検査をいかに確実に行うか?というテーマがメインになっていたのではないかと思います。当院でも川辺梨恵医師が当院における肺癌診断の現状を報告しました。今までの色々な講演で経気管支生検特に細いGSを用いた生検では遺伝子検査に提出出来ないことが多いと報告されており、自分自身はそんなことはないと心の中で反論していましたが、今回の川辺医師の検討では、経気管支生検にて肺癌の確定診断された症例の2割くらいがその検体から遺伝子検査を提出することが出来ていなかったことが判明しました。自分の通常診療でのイメージとは異なった結果であり、普段の診療について常に検証していく姿勢の重要さを改めて感じました。遺伝子検査が提出出来なかった2割の症例においての理由についてはまだきちんと解決出来ていません。エコーの描出はどうだったのか?with inになっていなかったのか?通常鉗子での生検だったのか細いGSでの生検だったのか?もう少し詳細に検討して今後の診療に生かしていきたいと思います。with inに出来なかった症例においては針生検を追加したほうがいいのでしょうか?針生検の発表もまあまああったように思います。またオリンパスの方でadjacent to症例に使用出来る屈曲鉗子などの開発が進んでいるということで今後さらに進歩することと期待しています。また、肺癌の診断はついているも検体不足など遺伝子検査が提出出来ない症例においては、細胞検体でも検索可能な「肺がんコンパクトパネル」が有用なのではないかと思います。当院でも近々導入予定です。また、遺伝子検索のことだけを考えると、腫瘍細胞以外の細胞混入の少ないEBUS-TBNAの方が成功率が高いということを教えてもらいました。EBUS-TBNAはやや捜査上時間がかかり、可能であれば末梢肺病変の生検に流れやすくなっているのが現状ですが遺伝子検索においてはEBUS-TBNA検体の方がアドバンテージが高いということを認識すべきと思います。またEBUS-TBNAのよりスムーズな運用のためにはROSEが重要であり、ROSEについては我々呼吸器内科医も勉強しなければいけない、病理ばかりを頼っていてはいけないというメッセージをいただきました。明日からの臨床に結び付けていきたいと思います。

 

日本呼吸器内視鏡学会学術集会の特別講演で400メートルハードルメダリストの為末大さんのお話を聞きました。すごくお話がうまく、感動しました。彼の世界のトップアスリートに変えた一番の理由は多大なるチャレンジ精神を持ち、海外に武者修行に行ったことのようです。我々医師のキャリアアップにつながるお話だったっかと思います。近年海外留学を希望する若い先生方が減ってきている現状がありますが、是非とも今後の日本の医療、医学の未来のために若い先生には海外留学など積極的にチャレンジしてほしいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肉芽腫性多発血管炎(GPA)のCT所見

2023年06月25日 | カンファレンス室

6月21日(水)にさいたま赤十字病院チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を開催しました。今回は今までのメンバーに加えて埼玉県立循環器呼吸器病センターの先生方も参加いただき、今まで以上に活発な討論が出来たかと思います。今後の課題は症例を用意している自分が今まで以上に教育的な症例を集められるかかと思います。せっかく集まってくれている先生方の時間を無駄にしないように頑張って症例を探したいと思います。

今回も最後に防衛医大の杉浦先生よりショートレクチャーをしてもらったのですが、内容は肉芽腫性多発血管炎(GPA)の画像所見でした。当科でもここ2.3ヶ月にGPA、EGPA、MPAなどの血管炎症例が多く、このカンファレンスに毎回のように症例提示していました。そのようななか、杉浦先生がGPAのreviewをしてくれ、本当に勉強になりました。

GPAの画像所見として教科書的には①ランダムに分布する多発性の結節、腫瘤影、②気管支血管周囲の結節、腫瘤、③結節および腫瘤内の空洞化、④びまん性のコンソリデーション、すりガラス陰影、⑤気管支壁肥厚、⑥小葉中心性結節など多彩な画像所見を呈するとされています。つまりどのような胸部画像所見を呈する症例においては常にPGAの可能性を考えて鑑別診断医務めようということかと思いますが、今回の杉浦先生のレクチャーを通して、GPAなど血管炎の特徴的画像所見があるのではないかとのまとめになるかと思います。

GPA症例の胸部CTを提示してみます。

このスライスは多発性浸潤影、すりガラス陰影、小葉中心性粒状影などGPAと言われたら頷けるような画像かと思いますが、この画像所見から「間違いなくGPA」というのは意外と勇気があると思います。

他のスライスを提示してみます。

  

この3つのスライスは、びまん性に気管支血管束が目立つ所見と思いますが、単なる気管支壁肥厚ではなく、広義間質病変としては違和感のある厚みであり、気管支、広義間質から肺胞レベルにまで広がるような陰影が広がっているかと思いますが、このような「気管支血管束に沿った異様に厚い陰影」こそがGPAなどの血管炎に特異的所見ではないかというのが杉浦先生のコメントでした。このような所見、GPAに高頻度であるか否かは別ですが、GPA以外の疾患にはほとんど認めない所見ではないかとのこと。血管炎の診断は胸部画像所見のみで診断するわけではなく、我々臨床医に腕の見せ所ではありますが、画像所見では、この所見を是非とも注目していただけたらと思います。

7月のチェストカンファレンスは7月19日(水)に開催予定です。今まで以上に勉強になるようなカンファレンスになるように頑張って準備しますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)のお知らせ

2023年06月15日 | お知らせ

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更になって、診療スタイルは大分変わったことと思います。コロナ渦の3年間と診療スタンスは変わることはないですが、今まで以上にコロナ以外の呼吸器診療にギアチェンジして、苦しんでいる呼吸器患者さんのために社会貢献出来ればと思います。今後も皆様と一緒に頑張っていければと思います。

今月も予定通りチェストカンファレンス(胸部画像カンファレンス)を開催致します。

日時:6月21日(水)午後7時より9時まで 

場所:さいたま赤十字病院内7階第3会議室

興味のある方々は奮ってご参加ください。今後の呼吸器診療につながるような実になる症例を用意する予定です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後期研修医募集しています

2023年06月14日 | お知らせ

2023年度になって、早いもので2ヶ月が過ぎました。この勢いで行くとあっという間に2024年度になってしまいそうですね。(ちょっと言い過ぎでしょうか?)

さいたま赤十字病院では、後期研修医の募集を始めました。呼吸器内科としても後期研修医を募集しています。呼吸器内科に興味にある方、さいたま赤十字病院呼吸器内科に興味のある方は是非とも我々に声をかけていただけたら幸いです。

現在当院には後期研修医が6名います。(後期研修1年目が2名、2年目が1名、3年目が3名)若い先生方は伸びしろが長く、また若さ故のパワーがみなぎっており、医局全体を活気づけています。また、上級医の人間も若い先生方に負けないように一生懸命指導しています。その調和がとてもよく、バランスのいい呼吸器内科医局と自負しています。是非とも若い先生方、さいたま赤十字病院呼吸器内科のドアをたたいていただけたらと思います。よろしく御願い致します。

スタッフみんなが和めるような、また担当患者さんが少しでも笑顔でいられるような呼吸器内科を目指せればと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする