昨日の続きです.
「週明けに業者さんに来て見てもらうことにします」
水をかぶった電子写植機を見せられて,私は愕然としました.
その時,この後どうなるんだろう,といろいろなことが頭をめぐりました.
○電子写植機が完全に壊れてしまったら...,弁償しなくてはならない?いっせんまん...?
○電子写植機が稼働しないとその会社の業務に著しく支障が出る...,その損害も弁償しなくてはいけない?
○ところで私,何か保険に入ってる? 両親は?
業者さんが水曜にオーバーホールに来てくれることになり,私もそれに立ち会わせてもらうことにしました.
大家さんにも連絡.
とにかく,保険を適用するとなると,その時の状況を証拠として提示しなくてはいけないので,写真を撮っておくべき,という助言を誰かからもらいました.
水はどんどん乾いてしまうので,とりあえず撮影.
普段顕微鏡写真をたくさん撮っていましたが,それに比べるとなんと心の痛む撮影だろう,と思いました.
企画会社の社長さんは,取り乱している私を見て,
「機械に保険もかけてあるし,いざとなったらそれで大丈夫だよ」
と慰めてくれました...
被害者は社長さんなのに.加害者の私を慰めてくれるなんて,と涙が出ました.
会社の人たちも,感情的になって私を責める人は一人もいませんでした.
翌日は大学に行きました.
学術振興会の申請書,進むわけもありません.
水曜に機械が動かなかったら,どうなるんだろう...
非常にタイミングの悪いことに,両親とも2ヶ月前に退職して,
何の保険にも入っていないとのこと.
既に私は育英会から奨学金ももらっていて,
研究あるいは教育の道で身を立てていかないことには,
多額の借金を負うことになることがわかっていました.
これで学位も取れなかったら.就職もなかったら.
20代後半にして,ニ千万越えの大借金...
ほとんど冗談だったのですが,
「水商売のバイトをしなくちゃいけないのかな...」
という言葉がぽろりと出てしまいました.
(私はお酒が強かったので)
その時,仲良しの先輩だったNさん,
普段はとっても優しくて楽しい彼女が,
「saimiyachiたん!絶対ダメだよ!
抜けられなくなるよ!」
と真顔で諭してくれました.
つづく.
---------
当時夫は同じ研究室に入ってきた修士1年の学生でした.
(改めてこう書くと,こっぱずかしいですね.ギャー!)
とんでもないトラブルに巻き込まれている出来の悪い先輩が
あたふたしているのを知っていたのか全く気づかなかったか,
カレはバリバリ実験,ガリガリデータを出して,ガシガシ論文を書こうとしていました.あ,あと,ガブガブビールを飲んでいましたね...
「週明けに業者さんに来て見てもらうことにします」
水をかぶった電子写植機を見せられて,私は愕然としました.
その時,この後どうなるんだろう,といろいろなことが頭をめぐりました.
○電子写植機が完全に壊れてしまったら...,弁償しなくてはならない?いっせんまん...?
○電子写植機が稼働しないとその会社の業務に著しく支障が出る...,その損害も弁償しなくてはいけない?
○ところで私,何か保険に入ってる? 両親は?
業者さんが水曜にオーバーホールに来てくれることになり,私もそれに立ち会わせてもらうことにしました.
大家さんにも連絡.
とにかく,保険を適用するとなると,その時の状況を証拠として提示しなくてはいけないので,写真を撮っておくべき,という助言を誰かからもらいました.
水はどんどん乾いてしまうので,とりあえず撮影.
普段顕微鏡写真をたくさん撮っていましたが,それに比べるとなんと心の痛む撮影だろう,と思いました.
企画会社の社長さんは,取り乱している私を見て,
「機械に保険もかけてあるし,いざとなったらそれで大丈夫だよ」
と慰めてくれました...
被害者は社長さんなのに.加害者の私を慰めてくれるなんて,と涙が出ました.
会社の人たちも,感情的になって私を責める人は一人もいませんでした.
翌日は大学に行きました.
学術振興会の申請書,進むわけもありません.
水曜に機械が動かなかったら,どうなるんだろう...
非常にタイミングの悪いことに,両親とも2ヶ月前に退職して,
何の保険にも入っていないとのこと.
既に私は育英会から奨学金ももらっていて,
研究あるいは教育の道で身を立てていかないことには,
多額の借金を負うことになることがわかっていました.
これで学位も取れなかったら.就職もなかったら.
20代後半にして,ニ千万越えの大借金...
ほとんど冗談だったのですが,
「水商売のバイトをしなくちゃいけないのかな...」
という言葉がぽろりと出てしまいました.
(私はお酒が強かったので)
その時,仲良しの先輩だったNさん,
普段はとっても優しくて楽しい彼女が,
「saimiyachiたん!絶対ダメだよ!
抜けられなくなるよ!」
と真顔で諭してくれました.
つづく.
---------
当時夫は同じ研究室に入ってきた修士1年の学生でした.
(改めてこう書くと,こっぱずかしいですね.ギャー!)
とんでもないトラブルに巻き込まれている出来の悪い先輩が
あたふたしているのを知っていたのか全く気づかなかったか,
カレはバリバリ実験,ガリガリデータを出して,ガシガシ論文を書こうとしていました.あ,あと,ガブガブビールを飲んでいましたね...