くすり箱,にこり箱,わはは箱

日常のちょっとした出来事のメモ.くすり,にこり,わははと笑えるネタを記録することで,明日の活力としよう.

こんな爽やかな5月の日に...11年前,D2の私を襲った悲劇 2

2008-05-23 23:28:11 | Weblog
昨日の続きです.

「週明けに業者さんに来て見てもらうことにします」

水をかぶった電子写植機を見せられて,私は愕然としました.

その時,この後どうなるんだろう,といろいろなことが頭をめぐりました.

○電子写植機が完全に壊れてしまったら...,弁償しなくてはならない?いっせんまん...?
○電子写植機が稼働しないとその会社の業務に著しく支障が出る...,その損害も弁償しなくてはいけない?
○ところで私,何か保険に入ってる? 両親は?

業者さんが水曜にオーバーホールに来てくれることになり,私もそれに立ち会わせてもらうことにしました.

大家さんにも連絡.

とにかく,保険を適用するとなると,その時の状況を証拠として提示しなくてはいけないので,写真を撮っておくべき,という助言を誰かからもらいました.
水はどんどん乾いてしまうので,とりあえず撮影.
普段顕微鏡写真をたくさん撮っていましたが,それに比べるとなんと心の痛む撮影だろう,と思いました.

企画会社の社長さんは,取り乱している私を見て,
「機械に保険もかけてあるし,いざとなったらそれで大丈夫だよ」
と慰めてくれました...
被害者は社長さんなのに.加害者の私を慰めてくれるなんて,と涙が出ました.
会社の人たちも,感情的になって私を責める人は一人もいませんでした.

翌日は大学に行きました.
学術振興会の申請書,進むわけもありません.

水曜に機械が動かなかったら,どうなるんだろう...

非常にタイミングの悪いことに,両親とも2ヶ月前に退職して,
何の保険にも入っていないとのこと.

既に私は育英会から奨学金ももらっていて,
研究あるいは教育の道で身を立てていかないことには,
多額の借金を負うことになることがわかっていました.
これで学位も取れなかったら.就職もなかったら.

20代後半にして,ニ千万越えの大借金...


ほとんど冗談だったのですが,
「水商売のバイトをしなくちゃいけないのかな...」
という言葉がぽろりと出てしまいました.
(私はお酒が強かったので)

その時,仲良しの先輩だったNさん,
普段はとっても優しくて楽しい彼女が,
「saimiyachiたん!絶対ダメだよ!
 抜けられなくなるよ!
と真顔で諭してくれました.

つづく.
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当時夫は同じ研究室に入ってきた修士1年の学生でした.
(改めてこう書くと,こっぱずかしいですね.ギャー!)
とんでもないトラブルに巻き込まれている出来の悪い先輩が
あたふたしているのを知っていたのか全く気づかなかったか,
カレはバリバリ実験,ガリガリデータを出して,ガシガシ論文を書こうとしていました.あ,あと,ガブガブビールを飲んでいましたね...













こんな爽やかな5月の日に...11年前,D2の私を襲った悲劇

2008-05-23 01:25:17 | Weblog
同室のSさんと保険の話をしていて,昔のことを思い出しました.

あれは今から11年前のちょうど今ごろ.
私は当時D2(博士課程の2年生)でした.
このままやっててあと1年ちょいで
ちゃんと博士が取れるのかしら...,
不安に呵まれながら日々過ごしておりました.

大学院生の5月は慌ただしく過ぎます.
何と言っても学術振興会の特別研究員の申請時期です.
私は既に2敗を喫していましたが,もちろん再トライです.

ちょうどその年の3月,母親が定年退職しました.
とても仲良し(?)な父は,「ぼくも」,と1年早く退職しました.
2人とも退職金はあったものの,父は60才になっていなかったので,しばらくは母一人の年金だけが我が家の収入だったようです...

ともあれそんな状態でも仕送りをしてもらい,学生生活を続けているというのを,心の片隅で申し訳ないなぁ...と思っていました.

でも,こんな爽やかな5月.気晴らしも必要です.
小平に住んでいる一番上の兄が気を遣ってくれたのか,
甥の誕生日を祝いがてら,遊びに来ないかと誘ってくれました.
行く行く,と二つ返事な私.
当時,甥が4才,姪が2才.かわいいさかりの彼らに会いたい!
一泊する予定だったので,出かける前に洗濯しちゃおう,
と,洗濯機を回しました.

うっかりな若き日の私はそこでうたた寝をしてしまったのです.
洗濯終了の電子音とともに起きてみると,
なんとそこには目を疑うような惨状が...!

台所が水浸し.ギャー!!!

当時洗濯機は台所の隅に置いてあり,そこからホースを風呂場に
のばして排水していました.
ベランダも防水パンもないその物件ではそれしか選択肢がありませんでした.

どうやら,水圧が変化した時にホースがぴょんと動いて,
台所側に入ってきたようなのです.

とりあえず掃除.
水を雑巾で吸い取って,ふきふき,ふきふき...

ん?最初の惨状を考えると,意外と早く片づいた.ああよかった.
(しかしこれがものすごい不幸の前兆であることに私は気づいていませんでした...)

兄の家に行き,甥っ子姪っ子と楽しく遊んで,翌日,家に戻りました.その時のものすごく楽しそうんな写真が今でも残っていて,今見るととても複雑な気持ちがします.

そしたら.
「ピンポンピンポンピンポン!」「ドンドンドン!」
日曜の夕方になにごと?と思ってドアを開けると,

「下の階の物ですけど,おたくで水漏れしませんでした?」
「...!」

なんと,その下の物件は本の製版を請け負う企画会社だったのです...

そして状況はもっとひどいことに.
なんと,私の洗濯機のあった場所の直下に
電子写植機.
いっせんまん以上するらしい,と聞いてくらくらしました.

その電子写植機に思いっきり水がかかってしまい,動かない状態とのこと.ガーンガーンガーンガーン...

D2の私,人生最大級のピンチです.

あっ,もうこんな時間.寝なくちゃ.
つづきはまた今度.