これは友人GAKUさんのレポートです。
「居酒屋の名店がひしめく大塚にまたひとつ驚異の居酒屋の存在が確認された。
その名を「くう」という。
品書きには、決して奇はてらわぬが、旬を感じさせる一品や酒呑みの心を惹きつけるメニューが並ぶ。
付き出しとして供されたのはバイ貝と黄韮のお浸し。秀逸。いやがおうにも期待が高まる。
そして、登場した白だつの煮浸しや野菜の煮物などの出汁物の素晴らしさ。炊き具合も絶妙だが、特筆すべきは出汁。旬の夏野菜が持つみずみずしい生命力に溢れた魅力が十分に引き出されている。思わず出汁を飲み干してしまった。
刺身も良い素材を使っている。黒鯛はモッチリと舌に吸いつく。生蛸は歯ごたえが
あるのにサックリと噛み切れて心地よい。サッとたたきにした鰹の締まった身は全く臭みがない。山葵やツマも手抜き無し。
つくね。軟骨も共に挽いてあり、コリコリとした食感が楽しい。下拵え、焼き加減共に良く、全体がしっとりとまとまっている。
黒鯛のかぶと煮。味つけも炊き方も本当に塩梅が良く、目玉の裏側や口唇の肉を連れと奪い合う。煮汁を熱いご飯にかけてかき込みたかった。
主人の確かな技量とセンス、そして女将の出過ぎず退き過ぎぬバランスの良いサービス。まだ若い二人が自信をもって提供する旨い料理と酒を客たちに存分に楽しんでもらいたいという意欲に未来を感じさせる。
そのハイレベルな料理の数々はもはや人が居酒屋という言葉から思い浮かべるものの範疇を超えている。
しかし、価格設定はあくまでも居酒屋であるところが尊敬に値するのだ。
今回は3人で上記メニューに加え、茹で茶豆、フルーツトマトの土佐酢がけ、出汁巻き卵、鶏もも肉の塩焼き、穴子の天麩羅、稲庭うどん、焼おにぎり茶漬け×2を喰い、エビス生、開運、長雲、兼八ほか、酒呑みの琴線に触れるアルコールたちを1人4杯ずつ呑み、しめて17,000円弱。
有り得ない…。良い意味で。ヤバイ…。良い意味で。こちらが恐縮してしまうような安さ。
良いものをより安く。
その驚異のコストパフォーマンスに主人と女将の至極真っ当な企業努力の精神を見た。
再訪確実。」
居酒屋くう
東京都豊島区南大塚1-48-9
03-5978-4557
定休日:日曜・祝祭日
平日・土曜:17:00 ~ 23:00
人気blogランキングへ