恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

6/29

2011-06-29 23:27:18 | oni

というわけで有給使って能を観に行ってきた

財政的には依然きびしくKitara通いもできなくなったし
今年のPMFも指くわえて見過ごすだけになりそうだけれども
京都能楽あじくらべ・いちどにたのしむ観世と金剛
とかいっていっぺんに2流派みられるとか
そういうお得感に弱い貧乏性なうえJ2D(自由席2000円だったので)
とどめに演目が「雪」と「融」だというではありませんか
これでもうなんか頭パーンなってしまって

時間的には仕事帰りでも行けなくはなかったが
爆睡するであろうことは火を見るより明らかであったので
余裕をもって行きたかったのだ
能楽鑑賞における最大の敵はなんといっても睡眠不足
最高のパフォーマンスを受け止め感動するには
見る側も心身ともに最高のコンディションを整えて臨まねばならぬ
コレおいらの持論
まあ「雪」の途中でちょっと寝たけどw

だって雪景色なんだもの
回雪の舞といって足拍子も鳴らさない静か~な舞なんだもの
でも雪の精超綺麗だったー
やさしい乳白色の長絹に薄い浅葱色の袴がいかにもはかなげで涼やか
金地に紅白梅(たぶん)の扇が可愛らしい
ストーリーらしいストーリーもなく
ただただ雪の美しさを愛でるためのような一幕物
能には草花の精なんかわんさと出てくるけども
擬人化萌えのDNAは日本人に連綿と受け継がれてるんだなあ
とかうっかり思ってしまったり
なぜ金剛流にしか伝わってないんだろう
昔は他の流派も演じてたのかな
といった興味も尽きない
そういえば作り物の中から出てくるのは土蜘蛛さんと一緒だね
中にいるんだろうなーとは思ってたけど
幕がさっと落とされ純白に輝く美女が現れたらやっぱり
おお~っとなるよね
2階席だから細かいところはよく見えなかったけど
面はたぶん小面
あの微笑みを浮かべたような口元はたぶん小面
シテの方がたいへん美声でいらした
なに言ってるのかはほとんどわからなかったけど
それでも印象に残るほど

囃子方もよかったなあ
2階席後方までびしびし届くの
大鼓と小鼓の小気味よさにうっとりし
笛の鋭さにビクンと目覚める

狂言は「呼声」
なんかこれ見たことある気がするなと思ってたが
やっぱりそうだった
おいらこれ見たことあるわ
たしかあのなつかしきジャパネスクな夜で
野村萬斎と茂山ブラザーズがやってた気がする
といっても大体初見でもたのしめるのが狂言のいいところ
開演前の作品解説で遠慮なく笑ってくださいと演者の方に言われてたので
みんなで遠慮なく笑わせてもらった
それにしても前に見た「鐘の音」もそうだったけど
こういう声真似ものはほんとに「美声の無駄遣い」を感ずるなあw
事の次第がひじょーにくだらないだけに
上手ければ上手いほどつのるこの脱力感をどうしてくれよう
お調子者の太郎冠者かわゆす
もう居留守使ってるのも主人が来てるのもお互いバレバレなのに
だんだん面白くなってきてどんどん脱線してゆく
主人(と次郎冠者)もけっこうお茶目
主人はただの叱り役であることも多いけど
これはみんな一緒に歌って踊って
文字通りドタバタ走り回って終わるところが微笑ましくてよいと思う
そのかわり後半の次郎冠者が若干空気だけどw


 

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