お気楽 Oh! My Way

勝手気ままな日々。散らかり気味な趣味はインドア派。

憎まれっ子世にはばかる

2006年04月06日 | 小説と創作
角川書店が主催する青春文学大賞受賞作「りはめより100倍恐ろしい」を読んでみた。
なんでも、現役男子高校生がケータイで打ち込んで応募した小説というふれこみ。
こりゃ、「野ブタ。をプロデュース」と酷似しているいわれても仕方ないなぁと思った。
文体は軽いノリで書かれているけど、内容は始終いじめの話し。

作者に言わせれば、「いじめ」と「いじり」には決定的に違いがあるという。
いじめられる人は、本人にも問題があるというが、いじられキャラは人気者と紙一重という。
だけど、おもしろいことをやれと強要されて嫌だと感じたら、それはもういじめだと思う。
主人公は中学生時代にいじられキャラでつらかったので、高校生ではそうならないように細心の注意を払い、自分がそうなる前に他の人間を祭り上げる……。
内容は、本当にそれ1点に尽きるのだ。

だけど、いじめにあっている子は、そのことだけしか頭にないほどつらい思いをしているのだろうなと思う。
「野ブタ」と同じく、前向きな終わり方じゃなくて、この問題はきれい事でしか決着がつけられないんだろうなと思った。

それにしても、この作品か。
編集部は「野ブタ」を絶対知っていたはずだし、第1回目の受賞作としては、うーん、どうだったのだろうか。
編集部でこれぞ青春文学!みたいなことを熱く語り合っていて、太宰治だの、夏目漱石だの、そうそうたる文豪の名前を出していたから、どんな作品が選ばれるのかと思っていたら。

青春ねぇ。
青臭くて、泥臭くて、みなぎってて……っていうのは、もう流行らないのかな。
ある意味、時代を象徴する青春文学ってことなのかな。
コメント (4)
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