sachiclinic's blog

すこやかな毎日を迎える日のために

患者さんの体験記

2019-07-04 12:12:20 | 毎日の診療
さちです。
40代の男性の方です。
お子さんのアトピー治療からはじめられました。
お子さんが、ステロイドの中止後大変によくなられ、ご自分の治療中は、お子さんに励まされながらの戦いでした。
長い経過を、わかりやすくまとめていただいています。

「自分の体験したことこそが真実」ですね。

***********************************

私のアトピー歴は、改めて振り返ると、もう40数年に成るのだなと思います。

子供のころの記憶では、いわゆる幼児アトピーの症状(肘内、膝裏、耳切れ…)で、
おそらく悪くなればステロイドを塗って、落ち着いての繰り返しでした。

幸か不幸か(?)、20歳前後に酷い時期も有ったのですが、余り深く考えずとも、
都度ステロイドを塗れば、まあまあ普通の生活は送れて来ました。

故に、春先の汗ばむ時期、真夏の汗だくの時期、初冬からの乾燥する時期に
ステロイドを塗るのが恒例で過ごして来ました。

かれこれ、45年間…

ただ、46年目の冬からは、頭皮の激しい痒みが現れ、ステロイドを塗るのですが、
入浴する度に顔も激しい痒みに襲われ、ステロイドの種類、量も増え常用する状態になって行きました。

ちょうどそのころ、我が子にも激しいアトピーが現れ、
以前から診ていただいていたさち先生の勧めで脱ステに取り組む状況でした。

ただ、自分に関してはその時点でも、状況は悪いけど脱ステに関しては、深く考えていませんでした。

そのまま、夏場にかけて息子は脱ステの激しいリバウンドで、浸出液で見るのも辛い状況でしたが、
私自身はステロイドを使っていても同じように悪化し、息子はさち先生の紹介で、
佐藤先生の元 三ヶ月近く入院治療頂き現在に至り、ほぼ完治しました。

結局、私自身はステロイドさえ含んでいなければ良いのかなと、市販の痒み止めを使ったところ、
爆発的に悪化し(激しい痒みによる不眠、浸出液の湧出、全身の腫れ)市民病院に入院しました。

そこでは、ステロイドの服用、ステロイド外用薬の塗布で、
取り合えずは普通の生活を取り戻したように思えました。

が、退院後、結局ステロイドは、以前より強くなり、又常用しなければ、常に強い痒みが続き、
年が代わる頃には、何を塗っても痒みが収まる事は無い状況へと進んでいました。

息子はと言うと、季節毎に多少悪化しそうになりながらも脱ステ、脱保湿し強い皮膚になって行きました。

「父さんも、ステロイド止めんさい。必ず良くなるけん。」

目の前で確かに良くなっている状態を目の当たりにし、心配してくれる息子の言葉に後押しされて、
再びさち皮膚科でステロイドを使わずに治して行く治療をお願いしました。

乾燥が強まり、状態は良く無い冬場の事でした。

少々、前置きが長くなりましたがここからが自分自身の脱ステへの取り組みになります。

前述のように、相当に長くステロイドを使ってきた事も有り、
この時点ではかなり重いステロイド皮膚炎と慢性化したアトピーでした。
今、冷静に思えばですが…。

又、やはり仕事の事も有り長期入院は現実問題、選べませんでした。

先ずは、ステロイドを弱くして徐々に量を減らして行く方法をお願いしました。

暫くの間(2ヶ月くらい)は、ステロイドを使っているのでなんとか、生活だけは送れる状態でしたが、
夏場にかけて浸出液が止まらず、睡眠も浅くなりがちになり、体力自体も落ちてゆくのがわかりました。

結局、ステロイドの使用量は減らせず、激しいリバウンドに見舞われ、弱った皮膚バリアから、
化膿したり、ヘルペスが発症したり、むしろ脱ステ前のほうが楽だったように思えましたが、
実際に治った息子の姿を見て、秋口に一切、ステロイドを止めました。

勿論、一層激しいリバウンドが現れます。

一例をあげると、
・ステロイドを塗っていた箇所は、がさつき、まるでプラスチックのようになりました。
その箇所は、裂けて激しい痛みで顔は腫れ、目の回り、耳、唇、首筋といったところは動かせなくなりました。
食事、運動はおろか、クルマの運転もままならなくなりました。

・ステロイドを塗った覚えの無い箇所迄、皮膚炎が拡がりました。
ただ、両手に関しては長年ステロイドを触って来たので、自分が塗った自覚がないだけで一番影響を受けているのは
考えてみれば仕方なかったかなと思いましたが…
(指の関節が裂けて曲げられない。手相のシワも切れました。手の甲は激しい痒み。)

不思議なことに、背中、脇、太ももなどステロイドを塗っていなかった場所は
脱ステし始めてから、皮膚炎が拡がりました❗

・皮膚は、ぐじゅぐじゅと浸出液が止まらずという状態でした。
さらに夜、床に着くと体液の圧力が薄く弱くなった首筋、顔にかかり浸出液でぐじゅぐじゅにもなりますし、
朝には目も開けられないほど固まっている状態でした。

・痒みに関しては、四六時中有りますが、皮膚がぐじゅぐじゅの状態でしたので掻けば出血して化膿したりを繰返しました。

以上は、脱ステロイドの過程ではおこると言われてる症状と思いますが、想像以上に現れました。

さち先生からは、
・水分の抑制(季節によって、量は変わるので状況次第でしたが、私は20:00以降は水分は取りませんでした。)

・糖質の抑制(砂糖等の甘い物、パン等の小麦粉製品群、御飯等も含めた炭水化物類を極力とらないようにしました。
特に夕食には、一切糖質は取りませんでした、あわせて遅くても18:00迄には済ませました。
昼御飯は、少し量を減らすようにしました。)

・感染性の症状への注意

・体力確保のため(実際には、もっとたくさんの目的や効果が有りましたが‼)出来る限りの運動と、充分な休息←睡眠)

・疾患箇所の乾燥(脱保湿)

を指導して頂きながらの脱ステでした。

ここまでまとめてみて今現在、脱ステし始めてちょうど10カ月、首筋と顔に少々痒みは残っていますが、
ほぼ皮膚炎らしさは消え 黒ずんでいた顔色も少し肌色を見せ始めだし、脛に掻き跡がうっすら残る程度にまで改善したことを
踏まえてわかったことは、アトピー性皮膚炎における脱ステロイドは、
生活方法の見直しということが重要だったなぁと言うことかと思います。

途中経過では、色々と困難な症状が現れますから、さち皮膚科のように脱ステをサポートして下さり、
快方に近付けば励ましてくれる支えが無ければ取り組み自体を続けるのは、難しいと思います。

ですから、そういった状況で、脱ステロイドに取り組める前提ですが、

次の、二つのポイントが症状の改善に大きな影響を与えたと実感します。

ひとつ目は、脱ステロイドに取り組んで行く中でさち先生が教えて下さる本や、資料等の文献を、
本当に理解してみると自分の身体の状態がイメージでき(色々なところでも聞きますが、自分の身体の声を聴くという感じかと思います。)
運動してみる、体力が戻る、気分的にも楽になる、少しずつ自然に眠れる、体力が戻る…という、
自分自身の治癒力が上がり格段に良くなっていくサイクルができました。
不思議なことでしたが、同じように治療に取り組んでいても、わからないなりにでも理解してゆくと効果が上がりました。

もう1つは、さち先生の勧めで豊富温泉の湯治モニターに参加しました。
実際行く迄は、時間的にも、費用的にもハードルが高く感じていましたが、症状の改善も今一つ行き詰まりを感じていましたので、
まぁ、気分転換のつもりで向かってみました。

ところが、良い意味でびっくりするくらいのんびりして、運動にゆったり取り組んだり、
読書したりしながら普段の生活の中でのどうしようもないことへの考え方等に余裕を持って対応できました。
同じような症状の人たちとのんびり出会ったのも良かったのだと感じました。
無意識に、ストレスがアトピーに悪影響を与えている事を痛感したと同時に上手にストレス発散できれば
治療には、大変良い結果が得られる事を実感ました。

アトピーの症状や、脱ステロイドの症状は色々な方々が紹介されているように必ず現れますし、
実際は想像以上に酷いものでした、私自身も、「こりゃあ治らないんじゃないだろうか?」と何度も思いました。

しかし先に書いたように私の体験では、ステロイドは使わず、さち先生から教えて頂いた方法を自分自身が充分に理解して
(自分は、ここが一番影響が大きかったと思います)取り組めば、自分の治癒力で良くなっていくと実感しました。

今も、同じような症状で苦しんで居られてる方々の参考になったなら嬉しく思い長くなりましたが、書いてみました。 

参考になりましたら幸いです。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音戸を歩こう会 | トップ | ゆうちゃん闘病記 just time 8 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆうちゃん)
2019-07-04 13:13:35
脱ステの体験記読ませて頂きました。
とても大変な辛い時期を乗り越えられたことに勇気を貰います。
僕も現在進行中ですが、毎日痒くて掻きむしってしまいますが、いつか良くなると信じ、さち先生指導のもと脱ステ行っています。
辛さが分かるだけに、状態が良くなられて本当に良かったです。

コメントを投稿

毎日の診療」カテゴリの最新記事