カメブログ

聖蹟桜ヶ丘に住むおじさん(通称カメちゃん)のブログ

誰も教えてくれなかった個人年金保険のお話

2008年06月14日 | 身辺雑記
 今回は趣向を変えて、ある人のブログを切欠に知った個人年金保険料控除の話題を取り上げます。知っている人は知っていて、知らない人はまるで知らないという、当たり前の話ですが、こと税金の話になると知らないと損する場合があるので要注意です。
 まずは『教えて!goo』の『 個人年金税制適格特約ってお得な積立貯金?』をご覧下さい。
 次に資料としてタックスアンサー(国税庁)の『生命保険料控除』、東京都主税局の『住民税の生命保険料・地震保険料控除早見表』を参照してください。

 まとめますと、個人年金税制適格(無料の同特約をつける必要がある場合がある)である個人年金保険の保険料は生命保険の控除と同一の計算方法により所得税と住民税の控除を受けられます。適格の条件を再録すると:
  • (1)年金の受取人は、保険料若しくは掛金の払込みをする者、又はその配偶者となっている契約であること
  • (2)保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であること。
  • (3)年金の支払いは、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払うとされている10年以上の定期年金又は終身年金であること。
 
 以上の条件を満たす個人年金の保険料は所得税と地方税のそれぞれから控除を受けられ、その計算方法は上記、国税庁・東京都のサイトに掲載されているとおり、というわけです。給与所得者であれば年末調整のときに証明書を添付して控除欄に記載することになります。それでは具体的にどの程度、控除されるか計算してみましょう。
 保険料が年間7万円の場合
所得税の控除=47,500- (支払金額÷2+1万2,500円)
地方税の控除=35,000- (控除の上限)
控除合計=82,500-

 保険料が年間10万円の場合
所得税の控除=50,000- (控除の上限)
地方税の控除=35,000- (控除の上限)
控除合計=85,000- (控除の上限)

 次に具体的な減税額の計算をしてみましょう。資料: 平成18年度税制改正(財務省)

<caption>個人年金保険料年額7万の場合の減税額</caption>
課税所得金額
所得税と住民税の税率
保険料年額7万円の場合の減税額(単純計算)
減税額を利益とした場合の利回り
195万~330万円
所得税率10% + 住民税率10%
47,500*10%+35,000*10%= 8,250
約11.8%
330万~695万円
所得税率20% + 住民税率10%
47,500*20%+35,000*10%= 13,000
約18.6%
695万~900万円
所得税率23% + 住民税率10%
47,500*23%+35,000*10%= 14,425
約20.6%
900万~1,800万円
所得税率33% + 住民税率10%
47,500*33%+35,000*10%= 15,050
約21.5%


<caption>個人年金保険料年額10万の場合の減税額</caption>
課税所得金額
所得税と住民税の税率
保険料年額10万円の場合の減税額(単純計算)
減税額を利益とした場合の年利回り
195万~330万円
所得税率10% + 住民税率10%
50,000*10%+35,000*10%=8,500
約8.5%
330万~695万円
所得税率20% + 住民税率10%
50,000*20%+35,000*10%=13,500
約13.5%
695万~900万円
所得税率23% + 住民税率10%
50,000*23%+35,000*10%=15,000
約15.0%
900万~1,800万円
所得税率33% + 住民税率10%
50,000*33%+35,000*10%=15,050
約15.1%

 単純に減税額を利回りとして計算するとあり得ないほど高い数値になります。ただし冒頭の『教えて!goo』の回答にあるように、次のようなリスクが考えられます。
(1)個人年金保険は途中解約すると損失になる場合がある
(2)運用により年金額が増減する場合がある(インフレリスク、運用会社の破綻リスクもある)
(3)税制がいつまでこのままか誰にも分からない
(4)年金受け取り時の課税も考慮が必要

 また、毎年の保険料が多くなると控除に上限があるため上記の年利回りはどんどん下がっていきます。結局は個人の判断になりますが、節税が可能で配偶者がいるならば悪い選択ではないと私は思います(自分が死亡したときのことを考えると)。
 以上、ファイナンシャルプランナーでも何でもない一個人が調べた内容です。記事の内容により生じた一切の損害に対し、いかなる責任も負いませんのでご注意ください。実際の契約においては個人年金税制適格か否かを含め、契約内容について十分ご確認ください。

追記:このようなご意見もあります。 変額年金保険・9割が「元本保証型」, バトル!変額年金保険 銀行員 vs 主婦!, 今はダメだけど高利率の時の個人年金保険はOK。時間をおいて考えてみると、高々年数万円の節税と上記リスクが見合うかどうか疑問に思えてきました。うーむ。よくお考え下さい。
追記2:計算ミスを発見。修正しました。中途解約時に戻ってくる金額が目減りしなければ利回り最高のお化け貯金とみなせると思います。だたし預金額が少ない場合のみ限定。かつ利息は元金に加算されないことになります。

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