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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:7月3日の日経『東京ー大阪の高速道に自動貨物レーン』の是非と代替案

2024年07月28日 10時40分08秒 | 社会全般
7月3日の日経に『東京ー大阪の高速道に自動貨物レーン』と云う記事があったが、結構斬新な発想だと感じ、そして運転手の不足の影響を再認識した。しかしよくよく考えたら、何故既存の鉄道網を使わないのだろうかとの疑問が出てきた。

この記事には、1日最大で3.5万台分の交通量の削減が出来るとの試算である。工事費は、最大4兆円とある。貨物レーンは、部分的などうかは読み取れなかったが、地下に建設されるとの事。まだ構想段階ではあるが、スイスなどでも検討されているとの事だが、その価値、費用対効果、または必要性はどうなのだろうか?

まず考えたのは、何故鉄道網を活用しないのだろうか?と云う疑問である。鉄道の貨物輸送を押しのけて、トラックによる輸送が主流になった理由は、その利便性である。ほぼDoor to Doorで輸送出来、そして送り主、または受け取り主の都合に合わせて輸送する事が可能である。その一方で鉄道による貨物輸送は、Door to Doorは不可能であり、輸送の融通性は低い。それでトラックに長距離輸送の手段が流れて行ったのは、必然であろう。

しかしこのケースでは、専用の貨物レーンまで荷物を持っていく必要があり、利便性は鉄道と似ているハズである。それなのに、この様な莫大な費用をかけて、この様な建造物を作るメリットが判らない。そしてそもそもドライバーが不足してる原因は、ネットでの購入の増加やドライバーの待遇の悪さなどがあり、これらの改善が先の様に感じている。

1日最大で3.5万台と云う事は、1時間では約1458台分、1分で24台分になる。1分間で24台分の荷物をレーンに乗せ運ぶと云う事は、とてつもない設備が必要になるのではないだろうか?昨今の自動倉庫では、数秒に1個の荷物が流れるレーンが普通だろうが、ここで云っているのはトラック1台分の荷物である。自分の想像の範疇を超えており、公金チーチューの匂いがプンプンしてきた。

既存の鉄道網を使う場合、利便性を高める必要がある。例えば、荷物の積込みまたは荷下ろしを迅速に出来る仕組みが必要であろう。その為には今の自動倉庫の技術を流用する必要がある。そして、荷物を集める駅の改良は必要となる。関東圏では、横浜線、南武線、武蔵野線沿線、中央線では八王子近辺、東海道線では小田原近辺。そして総武線の千葉県内に貨物ターミナルを拡張する。利用する路線は、名古屋までは東海道線または中央線を活用し、関西までは東海道線または関西本線を活用する。

貨物の便数は各ターミナルからは30分~1時間に1本程度の貨物を運航する。自動倉庫のノウハウを利用し、30分~1時間程度で荷物の出し入れを行える様にする。この様な技術は専用の貨物レーンでも必要な技術であろう。これが実現できれば、ワザワザ高速道路の下にトンネルを掘ってまでして、自動貨物レーンを作る必要もないだろう。

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