復活!やまがたの四季と暮らし

東北地方を転勤し現在は仙台勤務の週末山形県人。
前タイトル名「山形弁で青森暮らし」から継続のブログです。

馬力競技

2009年06月08日 19時40分12秒 | くらし
東北馬力大会

現在、公営競馬としての開催は、北海道帯広市主催のばんえい競馬しかないそうですが、
青森は北海道に近いことの環境と、歴史的な関係もあるようで、個人的な趣味とか酪農
農家、運送業者の会長さんの楽しみなんかで馬を所有している人が結構いるようです。
中泊や外ケ浜とかつがる市なんかに行くと、ばんばの競技会場とか練習場があちこち
あったりして、青森はばんば競技がずいぶん盛んなようです。
青森市からも大釈迦あたりに競技場があったりしますし、頻繁に大会が催されます。
ちなみに、この日は山形でも東北輓馬舟形大会があったようで、南の八戸方面の
馬は山形に行ったそうです。

とにかく「ばんば」は、世界中でも日本だけの競技だそうですし、山形では唯一開催
される舟形町以外はほとんど見かけませんから、物珍しかったりします。
3月末に青森に着たばっかりの頃、国道7号をソリを引いた大型の農耕馬が横断して
行った時はビックリしましたから!

この日、ばんば競技があった会場は、つがる市のベンセ沼前を通る広域農道をもう少し
北に行った、平滝沼公園内にあるばんば競技場。
隣に野球場や子供が遊べる大型遊具があったりして、晴れていれば岩木山が良く見える
松林に囲まれた環境のいい場所です。
観客は年配者の男性がほとんど、家族連れとか若い人はほとんど見かけません。
匂いもするし、若い女性は皆無。
独特な雰囲気もあって、なかなかマニアックな競技という印象でした。
しかもタオルで頭と顔を覆う津軽巻き(と呼ぶかは定かではない)で観戦する
おっさんが目立ってましたし。

大きい画像はこちら

レース前のパドックのように、競技場周囲を顔見世のように引き馬している。
観覧席の目の前ですから、馬のでっかいケツと足の太さに迫力。
でも、馬は1t前後の大きさの迫力とは対照的に、従順でおとなしい。
近くではポニーがヒンヒン鳴いています。
地元青森だけでなく、北海道からの参加もありました。





向こうの直線をスタートして第二コーナーを抜けてくるばんば。
スタート時から、めいっぱいの勢いで時々休みながら牽いて来ます。
ソリには重しになる鉄板が積んである。
年齢毎のクラス別レースでしたが、重量までは解りません。





この競技場の坂道障害は一つですが、結構な高さ。



坂道の手前で一度停まって水入り。
馬の口の中に水で浸したタオルを突っ込んで舌を洗ってあげる。

最後に頭をナデナデ、馬も気持ちよさそうな表情。
しかしこの後が辛い上り坂。



牽き手と鞭を持った乗り手(実際にソリには乗っていません)は、大きい気合を出して
馬を進める。
一回では登りきれませんから、何回も繰り返し少しずつ前に進めていく。




牽き手は全身を使って馬に気合を入れて少しずつ前進。
見ていて結構な迫力があります。

競技者の気合声に対して津軽巻きの観客はいたって冷静に見ています。
公営競馬場のゴール前とは違って、一番力が入る場所でも呟くような静かな声で
解説して楽しんでいますから。
障害乗り越えても拍手なんかもなく、吐息がでる程度です。
それより、観客席の中を移動して売り歩くアイスクリーム売りのお姉さんの声が数段
高く響き渡るほどでした。



障害を乗り越すまでが馬の能力に差が付くところ。
鞭がけっこう入ります。(見慣れていないと凄く痛そう)
強い馬はサクサク乗越していく。






気合を入れられ力を振り絞るような表情のばんば。


やっと乗越せば下り坂を滑るように走っていく。


平坦地での最後のカーブ、ゴールは目の前ですけど、馬は疲れていてここでも
鞭が入りケツを押されながら何とかゴール。
全部の馬がゴールに入りますが、途中でタイムオーバーの馬もいるようでした。
あくまでも競技ですから、公営競馬のように馬券は存在しません。
優勝者には液晶カラーテレビの贈呈。
人馬一体のばんば競技と強い馬を育てる事に名誉と魅力があるばんばのようでした。
地元の人が「輓馬」ではなく、馬力と呼ぶのが解ります。
でも、ビシビシうち込む鞭は痛そうでしたが。(実際は痛くない)




ケツと足がでっかい!



競技が終了した馬はおとなしく啼く事も無く片足上げて睡眠中。



ちょんまげのポニー
観客席と馬が居る場所に明確な仕切りなんてありませんから、
ポニーなんかは、ことわれば触ることができる。




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