KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★TOKYO ライフ ~電車~

2007年12月07日 | KAORUの好きなものギャラリー
  【恵比寿ガーデンプレイス バカラのシャンデリア ~歓びのかたち~】             

北の国に住む仲良しは、
駅と駅の間隔がまちまちなのを
「TOKYOらしい」と言う。
2分だったり、3分だったり、4分かかったり・・・。
町が最初にできてから、後から駅を作ったことが
よくわかるんだとか。

確かに新興住宅街など、先に電鉄会社が駅を作って
後から町を作っていくところなどは、
等間隔で駅と駅が結ばれている。

曲がった坂道を見ても、
それはやはり「TOKYO」の景色なのだそうだ。

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大阪生まれとはいえ、1才の時に引っ越したという
私は気がついたら「TOKYO」にいた。

だから、なんの疑問も持たず住み続けて40数年。

まわりから“乾いた砂漠”と表現されていても
それが当たり前の風景でいると、
悲しいことでも、とりたてて嬉しいことでもなんでもない。
子どもの頃から、すぐそこにある日常で
それが現実だから他と比較する必要もなく
すくすくと育っていったように思う。

でも、大人になってたくさんの人たちと交流をして、
さまざまな場所に足を運び文化や習慣の違いを
見聞きするようになると、今まで空気のように
感じていた場所を突然意識するようになる。

まるでなんとも思っていなかった幼なじみを
急に異性として意識し始めるように。

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昨日はある会合に出席するために
赤坂まで銀座線に乗った。

その帰り道。
改札近くの棚に置いてあった
地下鉄のフリーペーパーが目に入った。
表紙はシックなピンクのクリスマスリースで
思わず手にとってみたくなったのだ。

乗り換えの電車に腰を下ろしながら
「地下鉄開通80周年特集」の記事を
なんとなくぼ~っと読んでいると、
記憶の奥底にしまい込んですっかりと忘れていた
電車での思い出や会話が次々と甦る。

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大学生の頃、バスケ部のキムラくんと電車の方向が同じで
よく行き帰りが一緒になった。

ある日のこと、
「銀座線ってさ、駅に着く前に一瞬車内が真っ暗になるだろ?
オレ、あれにドキッっとしちゃうんだよな~」と呟いた。

そう。
アルミの新型車両になってからはそんなことがなくなったが
以前の“真オレンジ”の電車の時には、
なぜだか理由は知らないが各駅ごとのホームに入る直前、
“チン!”というレトロな音が短く鳴り響いた後、
車内が真っ暗になって視界が瞬間、遮断されるのだ。
初めての頃は「わ、何が起きたのかしら?」と不安になるが
誰も慌てないところを見ると、そんなものなのだろうと
次第に慣れてきてはくるものの、やっぱり毎回ちょっとコワイ。

でも、身長2メートル近くあったキムラくんは
それを毎回ドキっとしていたなんて。
私のような恐怖心ではなくて、彼は
なんだかちょっとトキめいていたのである。

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そして、“赤い”電車の丸の内線は
ずっと地下を走り続けているが、四谷あたりで
ほんの一瞬地上に出る地点がある。

急にあたりが光に包まれて明るくなった、と思うと
次の瞬間、再び闇に包まれて地下に潜伏していく。

ラジオだったか雑誌だったか忘れたが、
あそこは本当にドキッとする場所だ、と言っていて
それから丸の内線に乗るたびにそのフレーズを思い出す。

「東京メトロ」で感じていた地下鉄ならではの
刺激的な「瞬間の“光”と“闇”」

その「メトロ情報誌」によると、
あの赤い旧車両はアルゼンチンのブエノスアイレスに運ばれ
現在も活躍中なのだそうだ。
しかも「乗務員室」などの表記もそのままで。

地球の裏側でいまだ現役で活躍し、
愛されているのがなんだか嬉しい。

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“空色”の京浜東北線の車窓からは
まだ「ゆりかもめ」の線路を作る工事をしていた
風景をいつも眺めていた。

汐留のあたりの貨物線路をこわして更地になったな、と
思っていたらある時、人が大勢来るようになって
なにやら掘り起こしていた。

しばらく一体なんだろう?と思っていたら
「どうやら遺跡が出てきたらしいよ。
そうなると工事は中断しないといけないそうで、
路線計画が大幅に遅れている。」という
車内の人たちの会話が聞こえてきた。

それからというもの、新橋駅を通るたび
窓の下の風景に目を凝らしてみるのが日課となった。
土にまみれて陶器のかけらやら、
木片やらが出てきているのが遠目にも見て取れる。

もしかしたら歴史を塗り替えちゃうような
大発見があったりして・・・。
なんて思うだけでワクワクしていた。

雨の日はブルーのシートがかかっていて
今日はお休みなのかぁ・・・と思ってみたり、
真夏の暑い日には、大変だな~と思ったり、
今まで発掘されていた場所が埋められて
新たなところに移ったんだね、とひそかにいつも
その日々の移り変わりを見るのが楽しみだった。

ある時は若い学生たちが教授らしき人を取り囲んでいる。
遺跡発掘の実践授業なのだろうか。

またある時は年配ばかりのグループ。
定年退職後のボランティアの集まりなのかもしれない。

老若男女さまざまな人々が地中深くに眠る
思い出深い品々を丁寧に掘り起こし
再び太陽の光にかざし、風を吹き込こんでいる。

無機質な、寂れた線路の下には
昔の人の生活が息づいていたのだと想像するだけで
心が躍っていた学生時代。

今は日テレのビルや電通の本社が入るカレッタ汐留など、
高層ビルが天を目指すように立ち並び
茶褐色の線路も、のどかに遺跡を掘っていたことも
まるで夢の中のような出来事である。

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先日、ドイツの医療器具を使ってストレス度を
測定してもらうチャンスがあった。

すると、測ってくれた人がビックリするぐらい
ストレスを感じていない、すごくいい数値がでてきた。

ずっと都会に住んでいる人は、人ごみとか
満員電車とかでもっと高い数値が出てくるのに
何にも思っていないんですか?と何度も驚くのである。

子どもの頃からそんなもんだ、と思って
慣れっこになっているせいかもしれない。
邪魔だ、と思いながら歩くと人の多さが辛く感じるが、
最初からいかに人にぶつからずに
間を縫ってスムーズに通り抜けるかゲーム感覚で
歩き続けると意外を誰にも腹も立たずに、結構おもしろい。

そんなしたたかさとたくましさを育んでくれたのが
「TOKYO」なのである。


“江戸の情緒と古さ”

“未来への希望と新しさ”

その両方を受け入れて進化し続ける街。
どちらも排除せず、あるがままを受け入れ
来るもの拒まず、去るもの追わずのスタンスを崩さない。

私もそんなスタイルを追い続ける人生を
カッコよくスマートに、でもがっちりと
走り抜けていきたい、とひそかに思っている。









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2 コメント

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バカラのシャンデリア (ゆうみ)
2007-12-10 00:01:01
私も一足早いクリスマス?で

恵比寿ガーデンプレイスに行きました。

バカラのシャンデリアは大きくて、

とてもキレイでした。
返信する
バカラのシャンデリア (kaoru♪)
2007-12-13 22:01:03
ゴージャスなのに品があって、クラシカルな雰囲気で
本当にステキですよね

私もうっとりと眺めて、ロマンティックな
TOKYOの夜の風景を楽しみました
返信する