イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

黄色い目玉模様2個と赤い目玉模様5個しっぽには小さいアンテナ セスジスズメ

2015-09-21 21:56:42 | 趣味・特技
スズメガ科(Sphingidae); ホウジャク亜科(Macroglossinae); コスズメ属(Theretra); セスジスズメ(T. oldenlandiae)
学名: Theretra oldenlandiae
和名: セスジスズメ(背筋雀)

 近所を散歩していたらアスファルトの道路を大きなイモムシが這っている。長さ10cm程でかなり大きい。全体に黒っぽいが、頭の方が細く、小さな黄色い斑紋に続いて、黄色い目玉のような斑紋が節ごとに2つ、それに続いて後部の方には節ごとに赤い斑紋が5つ並んでいる。見ようによってはかなりおしゃれな印象だ。
 面白いのは、しっぽに長さ1cm程のアンテナのような棒が立っていてい先端が白い。イモムシが這うにつれてこの棒が進行方向にパタパタと振られる。何のためにこんなことするのか不思議なヤツだ。
 調べてみたらセスジスズメというスズメガの幼虫であることが分かった。ヤブガラシ、ノブドウ、ホウセンカ、サトイモ、サツマイモなど、いろいろな植物の葉を食べるが、大量に発生するとあっという間に農作物を食い荒らすかなりの悪者らしい。
 しかし、それは人間の側からの見方であり、素直に見ると実に興味深い形や色である。


近所の道路をセスジスズメの幼虫が這っていた。(花巻市桜台、2015年9月20日)



こちらが頭。細くて、小さな黄色い斑紋が並ぶ。(同上)



こちらはしっぽ。先端が白い1cm程のアンテナが付いている。この役割は何だろう。(同上)

花托が蜂の巣のようなことにその名が由来する ハス

2015-09-14 21:51:45 | 趣味・特技
ハス科(Nelumbonaceae); ハス属(Nelumbo); ハス(N. nucifera)
学名: Nelumbo nucifera
和名: ハス(蓮)、はちす(古名)、スイフヨウ・ミズフヨウ(水芙蓉)、フヨウ(芙蓉)、フゴセン   (不語仙)、イケミグサ(池見草)、ミズノハナ(水の花)
英名: Lotus


 ハスとスイレンは同じだと思っていた。この記事を書くために調べていたら、ハスとスイレンは違うということを初めて知った。そんな細かなことどうでもいいじゃ無いかという気もするが、しかし、その違いは意外に大きいようだ。
 まず、おなじみのレンコンだけどこれはハスの茎でありスイレンではない。これは大変大きな違いだ。葉っぱもかなり違う。蓮の葉っぱは丸っこくて、切れ目が無い。丸い葉っぱの中央部に葉柄が付く。これに対してスイレンの葉には大きな切れ目がある。また、ハスの葉は水面上に高く立ち上がるが、スイレンの葉は多くは水面上に止まる。更に、ハスの葉にはロータス効果という水をはじく効果があり、水には濡れない仕組みがあるが、スイレンにはその仕組みが無いのだという。
 ということで、今までゴッチャにしていたハスとスイレンを区別して、撮りためた写真をハスについてまとめてみたところ、朕が見たのはほとんどがハスであることが分かった。
 岩手県では東和町のどぜう庵、宮城県では大衡村の万葉クリエートパーク、伊豆沼でたくさん咲いているのを見た。特に、伊豆沼のハスは見事で、広大な沼一面ほぼ全面をどこまでもハスの花が咲いている景色は壮観だった。
 ハスという名ははちすという古名があるように、花托が蜂の巣のように見えることに由来するという。ハスの実は食べられるそうだ。いつか食べてみたい。もちろん地下茎はレンコンでありお馴染みの食材である。これはくどいようだがハスの地下茎である。


どぜう庵で見かけたハス。(花巻市高松どぜう庵、2013年8月19日)


同上



大衡村の万葉クリエートパークにもたくさんハスが生えていた。(宮城県大衡村万葉クリエートパーク、2014年8月29日)



同上



同上、ハスの花托。蜂の巣状だ。(同上)



伊豆沼のハス。見渡す限りのハスは圧巻だ。(宮城県登米市、栗原市、2015年8月8日)



同上



同上



同上



同上。ハスの隙間にチュウサギもいた。(同上)



菱形はこの植物に由来する ヒシ

2015-09-12 21:42:48 | 趣味・特技
ヒシ科(Trapaceae); ヒシ属(Trapa); ヒシ(T. japonica)
学名: Trapa japonica
和名: ヒシ(菱)

 伊豆沼にはハス、アサザ、ガガブタの他にもう一つの水生植物ヒシも生えていた。完全な浮き草では無く、水深2m以下の水域に生育し、葉は水面に浮くが、長い茎は水底まで伸びている。葉柄が膨らみ浮き袋の役目を果たす。
 葉は3角形に近い形をしていて粗い鋸歯がある。花は白色で4枚の花弁を持つ。果実はデンプン含量が高く食用になり栗のような味がするという。いつか是非食べてみたい。
 菱形はこの植物に由来する形だというが、葉の形か実の形からきたものかはっきりしないらしい。


伊豆沼の船着き場近くにヒシが群生していた。(宮城県登米市、栗原市、2015年8月8日)



同上



小さな白い花が葉の間から覗いていた。(同上)



同上


花弁の縁が糸状でカラスウリの花弁を連想させる ガガブタ

2015-09-10 21:54:47 | 趣味・特技
ミツガシワ科(Menyanthaceae); アサザ属(Nymphoides); ガガブタ(N. indica)
学名: Nymphoides indica
和名: ガガブタ(鏡蓋)
英名: water snowflake

 伊豆沼には蓮の他にもいくつかの水草が生えていた。ガガブタもその1つである。アサザと同様に沼の中央部では無く、観光用のボートを繋いである船着き場の近辺にたくさん生えていた。
 花は白く中央部が黄色い。5弁だが、その縁が糸状にフサフサと分かれていて、カラスウリの花弁を連想させる。しかしその糸はカラスウリほど長くは無い。葉は円心形もしくは卵心形で直径8-20cm。
 環境省により準絶滅危惧(NT)に指定されている。


伊豆沼の船着き場近くにガガブタがたくさん生えていた。(宮城県登米市、栗原市、2015年8月8日)



同上



花をアップ。花弁の縁が糸状に分かれている。(宮城県登米市、栗原市、2015年8月8日)





伊豆沼に生えていた黄色い花 アサザ

2015-09-09 22:08:03 | 趣味・特技
ミツガシワ科(Menyanthaceae); アサザ属(Nymphoides); アサザ(N. peltata)
学名: Nymphoides peltata
和名: アサザ(浅沙、阿佐佐)
英名: Fringed Water-lily, Yellow Floating-heart, Water Fringe

 8月8日、宮城県の伊豆沼に立ち寄ったとき、池は蓮の花で一面覆われて見事な景観を呈していた。しかし、蓮の生えていない隙間にいくつかの水生植物が生育していた。その1つがこのアサザである。沼には遊覧ボートがあり、それに乗り込んで観察したが、アサザは沼の中心部ではほとんど見られず、船着き場周辺に多く見受けられた。
 花の色は黄色で5枚の花弁がありその周辺は細かく裂けている。葉は直径5~10cmの卵形または円形で基部は深い心形。
 環境省により準絶滅危惧(NT)に指定されている。


伊豆沼に生えていたアサザ。(宮城県登米市、栗原市、2015年8月8日)



同上



同上



同上