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遠東航空が再び羽ばたく日は来るのか?

2009年07月26日 19時35分09秒 | 経済

上の写真(写真:台湾国際放送 7月に開業した台北新交通システム・内湖線から撮影)、小さくしか写っておらず確認しにくいが、台北松山空港でのファー・イースタン航空の航空機だ。尾翼には赤地に白で「FAT」とある。台湾の航空会社、ファー・イースタン航空(遠東航空:ファー・イースタン・エア・トランスポート)は20085月、乗務員ごと貸し出した航空機のレンタル料を借り手の外国航空会社が支払わなかったことなどから財務危機に陥って営業を一時停止した。台湾高速鉄道の開業で国内線を主戦場にする航空各社の苦戦は伝えられていたとはいえ、老舗航空会社が倒産する見通しになったことは社会を驚かせた。同社は会社更生法の適用を申請したが台北地裁はこれを却下し、交通部民用航空局は6月に同社が運営していた国内線の路線経営権を回収した。同社はその後も再建の道を探ったが進展無く、国際線の経営権も今年4月に失った。

(昨年春、「遠東航空を救って」と書かれた腕章をつける地上勤務人員 写真:CNA

しかし、新たに提出されていた再建案を台北地裁が4月末に承認、6月中旬には再建責任者を入れ替えたことで、にわかに復活を目指す動きが表面化。今月74日には元職員91人を復職させ、6月中旬から起算して半月分給与の8割を支払った。6月前半についても5割給付されるという。同社では10月の運航再開を目指しているが、台湾元180億元とされる債権者会議の成り行きが不透明で、運航再開は12月にずれ込むとの報道も。

運航再開計画では民用航空局が航空機のメンテナンス部分の問題を指摘。同社ではまず航空機4機を徹底的に整備する方針で、そのためにエンジニア160人、事務職40人、パイロット32人、フライトアテンダント60人を呼び戻す。再開できる場合はまず、台北と離島の金門・澎湖とを結ぶ路線を運営する予定。

(遠東航空の「FAT」の翼が再び羽ばたく日は来るのか。写真:CNA

ファー・イースタン航空は1957年の創業。戦後、交通が発達していなかった台湾で、旅客機、貨物機、国内外のチャーター便、航空写真、森林保護、海上捜索、石油探査サポートなど様々な任務を負ってきた。かつては新聞を台湾全域に発送する役割も果たした。1986年に航空会社の設立が開放されて競争相手が一気に増える中、1990年代になっても国内線で50%のマーケットシェアを誇り、1995年からは国際線にも進出した。台湾の人たちにとって思い入れの深い航空会社だ。

7月16日には台北松山空港の整備工場で整備を再開するとのニュースリリースを出しているが、空港側の言い方では台湾元200万元の「保証金」を受け取って「台風対策のため使わせている」。整備工場を今後も使うには8月1日に台湾元1200万元の賃貸料を支払わねばならないという。報道によると、年末までに必要な資金は債務返済分を含まないで約3億元。同社の再建に出資しているのはアメリカの「VTOV基金」だということだが、運航再開までのハードルは高く、依然として不透明な状態が続く。「遠東航空」が再び台湾の空を舞う日が来るのかどうか見守りたい。(U

2007年の創業50周年イベントで。赤を基調にしたユニフォーム。写真:CNA



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